【人材派遣・SES事業向け】派遣社員の給与支払いを乗り切る資金繰り戦略

人材派遣・SES事業の経営者の皆様。

「売上は順調に伸びているのに、なぜか月末の資金繰りはいつも厳しい…」
「社員の給与支払い日が近づくたびに、胃がキリキリする…」

そんな悩みを抱えていませんか?

この記事では、私が銀行やコンサルティングの現場で培ってきた知識と経験のすべてを注ぎ込み、派遣社員の給与支払いを乗り切り、事業を安定成長させるための具体的な資金繰り戦略を、実例を交えながら徹底解説します。

【この記事の結論】人材派遣やSES事業の資金繰り・給与支払いを乗り切る3つの鉄則

SES(システムエンジニアリングサービス)事業者が直面しがちな「資金繰りの悪化」や「給与支払いの遅延」といった課題を解決し、安定した経営を実現するための重要なポイントは以下の3つです。

  • 鉄則1:支払いサイトの短縮を交渉する
    入金までの期間(支払いサイト)が長いと、手元の資金が不足しがちです。「30日サイト」を基準とし、難しい場合でも「60日以内」を目指して取引先と交渉しましょう。
  • 鉄則2:資金調達方法を確保しておく
    予期せぬ事態に備え、複数の資金調達手段を準備しておくことが重要です。特に、「ファクタリング」は売掛債権を早期に現金化できるため、急な資金需要に有効な手段となります。
  • 鉄則3:キャッシュフローの管理を徹底する
    日々の現金の流れを正確に把握し、「資金繰り表」を作成・活用することが不可欠です。これにより、将来の資金不足を予測し、事前に対策を打つことができます。

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目次

なぜ?人材派遣・SES事業で「黒字倒産」が起こりやすい理由とは

「黒字倒産」という言葉を聞いたことがありますか?
帳簿上は利益が出ている(黒字)にも関わらず、手元の現金が不足して支払いができなくなり、倒産してしまう状態のことです。

特に人材派遣やSES事業は、この黒字倒産に陥りやすい構造的な特徴を持っています。

派遣・SES事業特有の「先出し」構造:給与支払いと売上入金のタイムラグ

この事業のキャッシュフロー(お金の流れ)の最大の特徴は、お金が出ていくタイミングと、入ってくるタイミングに大きな「ズレ」があることです。

  • 支出(先):派遣社員やエンジニアへの給与は、月末締めの翌月15日や25日払いなど、比較的早く支払う必要があります。
  • 収入(後):一方で、取引先(派遣先企業)からの売上入金は、月末締めの翌々月末払いなど、支払いから1ヶ月以上後になるケースが珍しくありません。

この、給与を支払ってから、売上が入金されるまでの期間を「支払いサイト」と呼びます。
この期間が長ければ長いほど、会社は多くの現金を立て替えておく必要があり、資金繰りが厳しくなるのです。

関連: 【支払いサイト交渉術】仕入先との良好な関係を維持しながら資金繰りを改善する方法

【事例で学ぶ】売上拡大が引き起こすキャッシュフロー悪化の罠

「事業が好調で、来月からエンジニアを10人増員することになった!」

これは喜ばしいことですが、同時に資金繰りが急激に悪化する危険なサインでもあります。

例えば、あるSES企業であった実際の話です。
エンジニアAさんの月単価が80万円、給与が50万円だとします。
取引先からの入金サイトが「翌々月末」の場合、会社はAさんの給与を2ヶ月分、つまり100万円を立て替える必要があります。

もし、同じ条件でエンジニアを10人増員したらどうなるでしょうか?

50万円(1人あたりの月給) × 2ヶ月(支払いサイト) × 10人 = 1,000万円

なんと、新たに1,000万円もの運転資金が必要になるのです。
売上は10人分増えて帳簿上は黒字でも、手元の現金がなければ給与は支払えません。
これが、売上が伸びるほど資金繰りが苦しくなる「黒字倒産の罠」の正体です。

派遣・SES事業:資金ショート発生の構造

まずは自社の現状把握から!資金繰り表で経営を見える化する方法

不安を解消するための第一歩は、敵の正体を知ること。
つまり、自社のお金の流れを正確に把握することです。
そのための最強の武器が「資金繰り表」です。

「会計は苦手で…」という方もご安心ください。
難しい会計知識は必要ありません。家計簿をつける感覚で始められます。

資金繰り改善の第一歩:簡単な資金繰り表の作成と3つのチェックポイント

資金繰り表とは、簡単に言えば「未来のお金の出入りを予測するカレンダー」です。
エクセルなどで、以下の項目を月ごとに書き出すだけで作れます。

  1. 前月の繰越現金
  2. 収入(売上入金、融資実行など)
  3. 支出(給与、家賃、社会保険料、その他経費など)
  4. 月末の残高(1 + 2 – 3)

私がコンサルティングでお客様に必ず確認するのは、以下の3つのポイントです。

  • 営業キャッシュフローはプラスか? → 本業でどれだけ現金を稼げているか。ここがマイナスだと要注意です。
  • 固定費は適切か? → 売上がなくても毎月かかる費用(家賃、人件費など)が、収入に見合っているか。
  • 入金と支払いのタイミングは? → いつ、大きな支払いがあり、いつ、まとまった入金があるのか。その差額はいくらか。

最低でも3ヶ月先、できれば6ヶ月先まで予測することで、資金がショートしそうな月を事前に察知し、対策を打つ時間が生まれます。

関連: 資金繰り表の作成方法と活用術:3ヶ月先まで見通す経営者のための実践ガイド

あなたの会社に必要な運転資金はいくら?簡単な計算式でシミュレーション

では、あなたの会社には具体的にいくらの運転資金が必要なのでしょうか。
人材派遣・SES事業の場合、運転資金は以下の式で大まかに把握できます。

必要な運転資金 ≒ 売掛金

「売掛金」とは、取引先に請求済みで、まだ入金されていない売上のことです。
支払いサイトが2ヶ月なら、およそ2ヶ月分の売上高が運転資金として必要になると考えてください。
自社の売掛金残高を確認し、事業規模に見合った現預金を確保できているか、一度チェックしてみましょう。

【比較で選ぶ】人材派遣・SES事業のための資金調達方法5選

資金繰り表で現状を把握し、資金が不足しそうだと分かったら、次の一手を考えます。
資金調達には様々な方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
自社の状況に合わせて最適な選択をすることが重要です。

ここでは、代表的な5つの方法を比較検討してみましょう。

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資金調達方法メリットデメリットこんな会社におすすめ
1. 日本政策金融公庫・制度融資低金利、長期返済、無担保・無保証の制度あり審査に時間がかかる、必要書類が多い創業期の会社、初めて融資を受ける会社
2. 銀行融資金利が低い、社会的信用が高まる審査が厳しい、担保や保証人が必要な場合がある事業が軌道に乗り、拡大を目指す会社
3. ファクタリング最短即日で資金化、負債にならない、審査が柔軟手数料が高い、悪徳業者が存在するリスク緊急で資金が必要な会社、融資を断られた会社
4. ビジネスローン・ABL審査が早い、柔軟な対応が期待できる金利が高い傾向にあるスピードを重視する会社、不動産担保がない会社
5. 助成金・補助金返済不要申請が煩雑、すぐに入金されない雇用環境の改善や正社員化を考えている会社

選択肢1:日本政策金融公庫・制度融資|創業期でも頼れる政府系金融機関

私が銀行員だった頃も、創業したばかりの経営者の方には、まず日本政策金融公庫を検討するようお勧めしていました。
政府系の金融機関なので、民間銀行では融資が難しい創業期や小規模な事業者にも積極的に支援してくれます。

特に「新規開業資金」は、自己資金要件が撤廃されるなど、以前よりも利用しやすくなっています。
審査では、事業計画書の具体性が非常に重視されます。
「なぜ資金が必要で、それをどう使い、どうやって返済していくのか」というストーリーを、熱意と具体的な数字で示すことが成功のカギです。

選択肢2:銀行融資(プロパー・信用保証協会付)|事業拡大を目指す王道

事業が軌道に乗り、まとまった資金でさらなる成長を目指すなら、銀行融資が王道です。
銀行融資には大きく2種類あります。

  • プロパー融資:銀行が100%リスクを負う融資。審査は厳しいですが、金利が低く、これを受けられることは会社の信用の証です。
  • 信用保証協会付融資:信用保証協会が保証人になることで、銀行のリスクを軽減する融資。プロパー融資より審査に通りやすいですが、別途、保証料が必要です。

元銀行員の視点から言うと、銀行が見ているのは「財務状況の健全性」と「事業の成長性」です。
日頃から資金繰り表を作成し、自社の経営状況をしっかり説明できるようにしておくことが、銀行との信頼関係を築く上で何よりも大切です。

関連: プロパー融資って何?銀行が重視する審査基準を徹底解説

選択肢3:ファクタリング|売掛金を即日資金化する緊急手段

「来週の給与支払いが、どうしても足りない!」
そんな緊急事態に頼りになるのが、売掛金を買い取ってもらう「ファクタリング」です。

融資ではないため、決算書上の負債にならないのが大きなメリット。
審査も比較的柔軟で、最短即日で資金化できるスピード感が魅力です。

ただし、手数料が高いというデメリットを忘れてはいけません。
私がコンサルしたA社は、銀行融資を断られ、この方法で資金ショートを回避できましたが、手数料は売掛金の15%でした。
あくまで緊急避難的な手段、あるいは短期的なつなぎ資金として活用するのが賢明です。

佐々木 真帆

ちなみに、ファクタリングを利用するなら相見積もりを取って利用するのが必須です。
当社運営のファクタリングベストなら最短3時間での資金調達が可能で、相見積もりにより手数料を下げる効果も期待できますので、急ぎで資金調達したい方はご検討ください。

選択肢4:ビジネスローン・ABL|柔軟性とスピードが魅力の選択肢

ノンバンクなどが提供する「ビジネスローン」は、銀行融資に比べて審査が早く、手続きも簡単なのが特徴です。
その分、金利は高めに設定されています。

また、「ABL(動産担保融資)」という手法も知っておくと良いでしょう。
これは、不動産ではなく売掛債権や在庫などを担保にする融資です。
人材派遣・SES事業のように、売掛金は豊富にあるが不動産は持っていない、という会社に適した方法と言えます。

関連: ABL(動産・売掛金担保融資)とは?メリット・デメリットと活用事例を徹底解説

選択肢5:キャリアアップ助成金など|返済不要の助成金・補助金を活用

返済不要の助成金・補助金は、活用しない手はありません。
人材派遣業で特に活用しやすいのが、有期雇用のスタッフを正社員化した際に支給される「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」などです。

【佐々木からのワンポイントアドバイス】
助成金は非常に魅力的ですが、注意点が2つあります。
1つは、申請手続きが複雑で、多くの書類準備が必要なこと。
もう1つは、申請してから実際に入金されるまで数ヶ月から1年以上かかるケースもあることです。

ですから、目先の資金繰り改善には直結しにくい、ということを覚えておいてください。
中長期的な財務体質の強化策として捉え、社会保険労務士などの専門家に相談しながら進めることをお勧めします。

関連: 小規模事業者持続化補助金で資金繰りを楽に!賢い活用法と申請の注意点

【ライター実践】資金繰り改善に向けた明日からできるアクションプラン

資金調達と並行して、会社のキャッシュフローそのものを改善する取り組みも重要です。
明日からすぐに始められる2つのアクションをご紹介します。

アクション1:取引先ポートフォリオの見直しと支払いサイト短縮交渉

まずは、取引先ごとの支払いサイトを一覧にしてみましょう。
特定の、支払いサイトが極端に長い取引先に売上が偏っていませんか?
可能であれば、支払いサイトの短い取引先の割合を増やすなど、取引先ポートフォリオを見直すことも有効です。

既存の取引先に支払いサイトの短縮を交渉するのは、勇気がいるかもしれません。

私が法人営業をしていた経験から言うと、ただ「短くしてください」とお願いするのではなく、「支払いサイトを短縮いただければ、より多くの優秀な人材を優先的にご紹介できます」といったように、相手へのメリットを提示することが交渉成功のコツです。

アクション2:固定費の徹底的な見直しとコスト削減策

毎月必ず出ていく固定費は、聖域なく見直しましょう。

  • オフィス賃料 → 本当にその広さが必要ですか?リモートワークの導入で縮小できませんか?
  • 広告宣伝費 → 費用対効果の低い広告はありませんか?
  • 通信費やクラウドサービス → 不要なオプションや使っていないサービスはありませんか?

ただし、やみくもなコストカットは、事業の成長を妨げる可能性もあります。
例えば、人材採用費や教育研修費は、未来への投資です。
削るべきコストと、守るべきコストを見極める「戦略的コストカット」の視点が重要です。

よくある質問(FAQ)

Q: 派遣社員への給与支払いが遅れそうな場合、どうすればいいですか?

A: まずは早急に資金調達に動くことが最優先です。本記事で紹介したファクタリングやビジネスローンは数日で資金化できる可能性があります。同時に、取引先への入金前倒し交渉も試みましょう。ただし、最も重要なのは、このような事態に陥る前に資金繰り表で状況を把握し、計画的に手を打つことです。

Q: ファクタリングを利用すると、取引先に知られて信用を失いませんか?

A: 「2社間ファクタリング」であれば、取引先に通知することなく売掛金を資金化できます。ただし、手数料が割高になる傾向があります。取引先との関係性を考慮し、手数料コストとのバランスで慎重に判断する必要があります。私の経験上、多くの企業が緊急時には2社間ファクタリングを選択しています。

Q: 銀行融資を申し込む際、何が一番重要ですか?

A: 元銀行員の視点から申し上げると、「事業計画の具体性と返済の確実性」です。なぜ資金が必要で、その資金をどう活用して売上を伸ばし、確実に返済していくのか。そのストーリーを明確な数字で示すことが何よりも重要です。資金繰り表を添付し、資金繰りの見通しを説明できると、銀行からの信頼度は格段に上がります。

Q: 助成金は本当にもらえるのでしょうか?

A: 助成金は要件を満たせば受給できる可能性が高いですが、申請手続きが煩雑で、多くの書類準備が必要です。また、入金までに時間がかかるケースも少なくありません。確実に受給するためには、社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。目先の資金繰り改善には直結しにくいですが、中長期的な財務体質の強化に繋がります。

まとめ

人材派遣・SES事業の資金繰りは、そのビジネスモデル上、常に課題と隣り合わせです。
しかし、それは経営者であるあなたの能力が低いからではありません。事業構造に起因する、当然の悩みです。

大切なのは、その構造を正しく理解し、自社の状況を正確に把握し、多様な資金調達手段のメリット・デメリットを理解した上で、最適な戦略を描くことです。

佐々木 真帆

問題が起きてから慌てて動く「対処」ではなく、常に先を見越して計画的に手を打つ「予防」へ。
そのために、まずは簡単な資金繰り表を作成し、自社のお金の流れを見える化することから始めてみてください。

この記事が、皆様の会社の健全な成長と、何より経営者であるあなた自身の「安心」に繋がる一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

資金繰りの悩みは、一人で抱え込まずに、いつでも専門家を頼ってください。
あなたの事業の成功を、心から応援しています。

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この記事を書いた人

佐々木真帆は、資金繰りコンサルタントとして活躍する金融のプロフェッショナルである。大手銀行での融資審査経験から独立コンサルタントとしての現在まで、一貫して「企業の生命線である資金繰り」に焦点を当て、その知見を惜しみなく共有している。

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