外注費が払えなくても大丈夫!取引関係を維持しながら資金確保する方法

「今月の外注費が払えない…」「取引先にどう説明すればいいんだ…」

そんな資金繰りの危機に直面している経営者の方へ。心中お察しいたします。

私、佐々木真帆は元銀行員として1000社以上の中小企業の融資審査を担当し、独立後は資金繰りコンサルタントとして数多くの経営者様の危機を乗り越えてきました。

佐々木 真帆

断言します。外注費の支払い遅延は、正しい対応をすれば取引関係を維持しながら解決できます。

この記事を読み終える頃には、あなたは以下を手に入れています。

  • 取引先への誠実な連絡方法と謝罪文例
  • 最短即日で資金を確保する3つの具体的手段
  • 二度と同じ危機を繰り返さない資金繰り改善策

銀行員時代、素晴らしい技術を持ちながら資金繰りだけで事業を諦めた企業を数多く見てきました。
だからこそ、あなたには同じ思いをしてほしくないのです。

大丈夫、道は必ずあります。一緒にこの局面を乗り越えましょう。

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目次

STEP1:【最重要】支払い遅延を伝える誠実な対応術

パニックにならず、まず最初に行うべきは取引先への連絡です。
ここでの対応が今後の関係を大きく左右します。

銀行員時代、多くの企業がここの初動を誤り、取り返しのつかない事態になるのを見てきました。
何よりも「誠実さ」が重要です。

なぜ正直に話すことが最善策なのか

隠したり、連絡を無視したりすることは最悪の選択です。
これは相手の不信感を増幅させ、関係を決定的に破壊します。

「何か裏があるのではないか?」
「うちの会社は軽んじられているのか?」

こうした疑念は、一度生まれると払拭するのが非常に困難です。

逆に、正直に状況を説明し、支払いの意思があることを明確に伝えることで、相手は「交渉のテーブル」についてくれます。
「大変な状況なのは分かった。では、どうすれば支払えるのか?」と一緒に考えてくれる可能性が生まれるのです。

信頼関係の損失を最小限に食い止め、未来の関係を再構築するためにも、正直に話すことが唯一にして最善の策なのです。

連絡のタイミングと方法(電話+メール)

遅延が確定した時点で、可能な限り早く連絡することが鉄則です。
支払日当日に「払えません」では、相手も準備ができません。

理想的な流れは以下の通りです。

1. まずは電話で直接お詫び

声のトーンや言葉遣いで、誠意は伝わります。まずは経営者自らが電話で直接、状況を説明し、心からお詫びをしましょう。

2. その後、メールで記録を残す

電話で話した内容を、改めてメールで送ります。これにより「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、お互いの認識を合わせることができます。

佐々木 真帆

この「電話+メール」のセットが、最も丁寧で誠実な対応です。

伝えるべき4つの必須項目と謝罪文例

連絡の際は、以下の4つの項目を必ず盛り込んでください。

  1. 心からのお詫び → 何よりもまず、迷惑をかけることへの謝罪を伝えます。
  2. 支払い遅延の率直な理由 → 嘘やごまかしは不要です。「売掛金の入金が想定より遅れており…」など、正直に、簡潔に伝えます。
  3. 明確な支払い予定日 → 最も重要な項目です。「いつまでに支払うのか」を具体的に提示します。もし一括が無理なら、分割払いの提案をします。
  4. 今後の対策 → 再発防止策を伝えることで、信頼回復に繋がります。「今後は資金繰り表を見直し、早期にアラートが出せる体制を整えます」など、具体的な一言を添えましょう。

【佐々木真帆流・謝罪メール文例】

件名:【株式会社〇〇】〇月分お支払い遅延のお詫びとご相談

株式会社△△
経理ご担当者様(もしくは代表者様)

いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の代表、〇〇です。

先ほどお電話でもお伝えいたしましたが、〇月〇日にお支払い予定の貴社へのお支払い(〇〇円)につきまして、弊社の資金繰りの都合により、期日までのお支払いが難しい状況となってしまいました。

多大なるご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。

今回の遅延の理由は、主要取引先からの売掛金の入金が、先方の都合により予定より2週間ほど遅れていることが原因です。

つきましては、誠に不躾なお願いで恐縮ですが、お支払いを【〇月〇日】までお待ちいただくことは可能でしょうか。
(もし分割なら)
つきましては、誠に不躾なお願いで恐縮ですが、お支払いを以下の通り分割とさせていただけないでしょうか。
・1回目:〇月〇日までに〇〇円
・2回目:〇月〇日までに〇〇円

今後は、資金繰り管理を徹底し、二度とこのようなご迷惑をおかけしないよう、再発防止に努めてまいります。

重ね重ね、ご迷惑をおかけしますことをお詫び申し上げます。
何卒、ご検討いただけますようお願い申し上げます。

株式会社〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇
(連絡先)

STEP2:【緊急度別】取引関係を壊さずに資金を確保する3つの方法

誠実な対応で一時的な猶予を得たら、次に行動すべきは資金の確保です。
ここでは、緊急度や状況に応じて選択すべき方法を、元銀行員・コンサルタントの視点からメリット・デメリットを交えて解説します。

資金調達方法緊急度(スピード)メリットデメリット
① ファクタリング★★★(最短即日)・審査が早い
・信用情報に影響なし
・手数料が高い
・売掛金の範囲内のみ
② ビジネスローン★★☆(数日〜1週間)・用途が自由
・オンライン完結も可能
・金利が高い
・将来の返済負担増
③ 公的融資・制度融資★☆☆(2週間〜)・金利が圧倒的に低い
・返済期間が長い
・手続きが煩雑
・時間がかかる

①【最短即日】ファクタリング:売掛金を即現金化する

これは、あなたの会社が持っている「売掛金(請求書)」を専門の会社に買い取ってもらい、即座に現金を得る方法です。

メリットは、融資ではないため審査が早く、信用情報にも影響しない点です。
デメリットは、手数料がかかること。そして当然ながら、手元にある売掛金の金額以上は調達できません。

ファクタリングには、主に2つの種類があります。

2者間ファクタリング

あなたの会社とファクタリング会社の2社間だけで契約が完結します。取引先に知られることなく資金調達できるのが最大のメリットですが、手数料は割高(8%〜18%程度)になる傾向があります。

3者間ファクタリング

あなたの会社、ファクタリング会社、そして売掛先(取引先)の3社間で契約します。取引先の承諾が必要になりますが、ファクタリング会社のリスクが減るため、手数料は安く(5%〜10%程度)なります。

緊急性が高く、取引先に知られたくない場合は「2者間」、少し時間に余裕があり、手数料を抑えたい場合は「3者間」を検討しましょう。

佐々木 真帆

ファクタリングについて詳しくは、姉妹サイトの「【図解】ファクタリングとは?5つの大きな誤解をわかりやすく解消」の記事でくわしく解説しています。

②【数日〜1週間】ビジネスローン:ノンバンクからの短期借入

銀行以外の金融機関(ノンバンク)が提供する事業性ローンです。

メリットは、銀行融資に比べて審査がスピーディで、オンラインで手続きが完結するものも多い点です。
デメリットは、金利の高さです。銀行融資が年利1〜3%なのに対し、ビジネスローンは10%を超えることも珍しくありません。

【佐々木からのワンポイントアドバイス】
ビジネスローンは、あくまで「つなぎ資金」として短期で利用するのが鉄則です。
例えば、1ヶ月後には確実に入金があると分かっている場合の、一時的な穴埋めに使うイメージです。
安易に利用すると、高い金利負担が後々の資金繰りをさらに圧迫する原因になります。ご利用は計画的に行いましょう。

③【2週間〜】公的融資・制度融資:低金利で事業を立て直す

日本政策金融公庫や、各自治体が窓口となる制度融資など、国や自治体が中小企業を支援するための融資制度です。

メリットは、なんといっても金利の低さと返済期間の長さです。事業を根本から立て直すための、非常に心強い味方です。
デメリットは、必要書類が多く、審査にも時間がかかる点です。今回の支払いのような緊急事態には間に合わないケースがほとんどです。

具体的には、日本政策金融公庫の「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」などが該当します。
今回の危機を乗り越えた後の、本格的な経営再建のために、必ず視野に入れておくべき選択肢です。

緊急度別 資金調達方法の選び方

STEP3:【交渉のプロ直伝】支払い条件の変更という選択肢

資金調達が難しい場合、外注先との直接交渉も重要な選択肢です。
ただ頭を下げるのではなく、事業の未来を示すことで、相手を「応援者」に変える交渉術を伝授します。

分割払いの交渉を成功させるポイント

「申し訳ありません、分割でお願いします」だけでは、相手は不安になります。
交渉を成功させるには、「いつまでに、いくらずつなら確実に支払えるのか」という具体的な返済計画を提示することが不可欠です。

その際、簡単なもので良いので「資金繰り表」を見せながら説明すると、説得力が格段に増します。
「この売掛金がこの日に入金されるので、その中からこの金額をお支払いできます」と具体的に示すことで、相手に安心感を与えることができるのです。

なぜ「再建計画」が交渉の鍵になるのか

銀行員時代、私が融資の可否を判断する際に最も重視していたのは、決算書の数字だけではありませんでした。
それ以上に「この会社が、今の課題をどう乗り越え、未来にどう成長していくのか」という具体的な計画です。

これは、取引先との交渉でも全く同じです。

「今回の資金繰り悪化の原因は〇〇でした。これに対し、今後は△△という対策を取ることで、来月以降は安定した支払いができる見込みです」

このように、現状の課題と、それをどう乗り越えていくかの道筋(=再建計画)を自分の言葉で語ることで、相手は「この会社はちゃんと考えているな」「大変だけど、ここを乗り越えれば大丈夫そうだ」と感じます。

単なる「債権者」から、「この会社を応援しよう」という「応援者」に変わってもらうこと。
それが、交渉の最終的なゴールです。

STEP4:もう繰り返さない!根本的な資金繰り改善策

今回の危機を乗り越えたら、それで終わりではありません。
二度と同じ過ちを繰り返さないための仕組み作りが不可欠です。会社の心臓部である資金繰りを、この機会に根本から見直しましょう。

「資金繰り表」は経営の羅針盤

利益が出ていても現金が不足する「黒字倒産」のリスクは、すべての会社に潜んでいます。
このリスクを回避する唯一の方法が、「資金繰り表」を作成し、日々の現金の出入りを管理することです。

難しく考える必要はありません。
Excelで、「いつ、誰から、いくら入金があり」「いつ、誰に、いくら支払いがあるのか」を一覧にするだけで十分です。
これにより、数ヶ月先の資金ショートの危険性を事前に察知できるようになります。

コストの見直しと売掛金の早期回収

資金繰り改善の基本は、以下の2つです。

支出を減らす

家賃や人件費などの固定費、仕入れや外注費などの変動費に、無駄がないか聖域なく見直しましょう。

収入を早くする

取引先に交渉し、売掛金の回収サイト(請求から入金までの期間)を短縮できないか相談してみましょう。「もし早く支払ってくれるなら、少し値引きします」といった交渉も有効です。

詳しくは「【支払いサイト交渉術】仕入先との良好な関係を維持しながら資金繰りを改善する方法」という記事もご覧ください。

この地道な改善が、会社の財務体質を強くします。

よくある質問(FAQ)

Q: 支払い遅延で、法的なペナルティ(遅延損害金など)は発生しますか?

A: 契約書に記載があれば、遅延損害金を請求される可能性があります。一般的な利率は年3%〜14.6%程度です。しかし、誠実な交渉により免除や減額に応じてもらえるケースも多いため、まずは正直に相談することが重要です。

Q: ファクタリングを利用すると、取引先に知られて信用を失いませんか?

A: 「2者間ファクタリング」という方法を選べば、取引先に通知することなく資金を調達できます。ただし、手数料が割高になる傾向があります。取引先との関係性や緊急度に応じて、最適な方法を選ぶことが大切です。

Q: 銀行に追加融資を相談するのは難しいでしょうか?

A: 非常に厳しいのが現実です。銀行は返済の遅延を最も嫌います。まずはノンバンクのローンやファクタリングで急場をしのぎ、経営改善計画を立てた上で、公的融資や銀行とのリスケ(返済計画の見直し)交渉に臨むのが現実的なステップです。

Q: 個人事業主(フリーランス)でも利用できる資金調達方法はありますか?

A: はい、利用できます。特にファクタリングは、個人事業主向けのサービスも増えています。また、日本政策金融公庫には個人事業主向けの融資制度も充実していますので、諦めずに相談してみてください。

Q: 支払い管理でミスを防ぐために、すぐにできることはありますか?

A: 支払い管理システムを導入するのが理想ですが、まずはExcelなどで支払いサイトと金額を一覧にし、カレンダーアプリに支払日を登録するだけでも効果があります。複数の外注先がいる場合は特に、支払い漏れを防ぐための仕組み化が重要です。

まとめ

外注費の支払いが困難になるという事態は、経営者にとって計り知れないストレスです。
孤独で、不安で、眠れない夜を過ごしていることでしょう。

しかし、思い出してください。
最も重要なのは、パニックにならずに誠実な対応を貫くことです。

まずは正直に状況を伝え、支払いの意思を示すことで、関係悪化という最悪の事態を回避できます。
その上で、ファクタリングやビジネスローンといった短期的な資金調達で危機を乗り越え、同時に根本的な資金繰りの改善に着手してください。

佐々木 真帆

この経験は、必ずやあなたの会社をより強く、たくましくするはずです。危機を乗り越えた経営者の顔は、皆、自信に満ち溢れています。

この記事が、暗闇の中にいるあなたにとって、一筋の光となれば幸いです。
一人で抱え込まず、私のような専門家への相談も視野に入れながら、着実に一歩を踏み出しましょう。

あなたは、一人ではありません。

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この記事を書いた人

佐々木真帆は、資金繰りコンサルタントとして活躍する金融のプロフェッショナルである。大手銀行での融資審査経験から独立コンサルタントとしての現在まで、一貫して「企業の生命線である資金繰り」に焦点を当て、その知見を惜しみなく共有している。

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