「急な支払いでお金が足りない!」
「銀行に相談したが、融資実行まで時間がかかりそうだ…」
中小企業やスタートアップの経営者にとって、資金繰りの悩みは尽きません。
特にスピードが求められる場面では、「銀行融資」と、より迅速な「ノンバンク融資」のどちらを選ぶべきか、判断に迷うことも多いでしょう。
この記事では、元銀行員で資金繰りコンサルタントの佐々木真帆が、豊富な現場経験に基づき、スピードを最優先したい場合の銀行融資とノンバンク融資の賢い使い分け方を徹底解説します。
それぞれのメリット・デメリット、審査の違い、金利や限度額、そして意外と知られていない注意点まで、具体的な数字や事例を交えながら分かりやすくお伝えします。

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まずは基本を知ろう!銀行融資とノンバンク融資の決定的な違い
資金調達の方法を選ぶ前に、まずは銀行融資とノンバンク融資の基本的な違いを理解しておきましょう。
そもそも銀行融資・ノンバンク融資とは?
銀行融資とは、銀行法に基づいて営業する金融機関から受ける融資のことです。
具体的には、都市銀行(みずほ、三菱UFJ、三井住友など)、地方銀行、信用金庫、信用組合などが該当します。
これらの金融機関は預金を集めて融資を行うという業務形態が特徴で、銀行法に基づく厳格な規制のもとで運営されています。
一方、ノンバンク融資とは、「銀行以外」の金融機関から受ける融資です。
消費者金融、信販会社、リース会社、ビジネスローン専門会社などが含まれます。
ノンバンクは預金の受け入れを行わず、主に貸金業法に基づいて運営されています。
代表的な銀行とノンバンクの例
- 銀行系金融機関
- メガバンク(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行など)
- 地方銀行(千葉銀行、横浜銀行など)
- 信用金庫(城南信用金庫、京都信用金庫など)
- 政府系金融機関(日本政策金融公庫など)
- ノンバンク系金融機関
- 消費者金融(アコム、プロミス、アイフルなど)
- 信販会社(オリコ、ジャックスなど)
- 事業者向けローン会社(ビジネスパートナー、GMOあおぞらネット銀行など)
両者の一番の違いは、適用される法律と営業形態です。
銀行は銀行法に基づき、預金者保護の観点から慎重な審査と運営が求められます。
対してノンバンクは貸金業法に基づいており、手続きの簡素化やスピード重視のサービス提供が特徴です。

なぜスピードが違う?審査プロセスと所要時間の比較
銀行融資とノンバンク融資で最も顕著な違いが「スピード」です。
その秘密は審査プロセスにあります。
銀行の審査プロセス
- 初回面談・相談(対面が基本)
- 必要書類の提出(決算書3期分、事業計画書、資金繰り表など多数)
- 書類審査と事業性評価
- 担当者による稟議書作成
- 審査部門による審査
- 保証協会審査(保証付き融資の場合)
- 契約・融資実行
銀行では「融資先が確実に返済できるか」を多角的に判断するため、膨大な書類と時間をかけて慎重に審査します。
ノンバンクの審査プロセス
- WEBまたは電話で申込(来店不要のケースが多い)
- 必要書類の提出(本人確認書類、決算書など最小限)
- スコアリングによる審査(自動化されたシステム)
- 審査結果連絡
- WEB契約または店舗での契約
- 融資実行
ノンバンクでは「スコアリングシステム」という点数評価方式を活用し、申込者の与信情報や決算書の数値から機械的に審査することが多いです。
銀行融資:
- 初回相談から融資実行まで:2週間~1ヶ月以上
- 審査回答まで:1週間~2週間程度
ノンバンク融資:
- 申込から融資実行まで:最短即日~1週間程度
- 審査回答まで:最短30分~翌営業日

私が銀行員だった頃、「来週までに資金が必要」という相談を受けても、正直に「間に合いません」とお答えするしかないケースがほとんどでした。
一方、コンサルタントとして独立後、クライアントがノンバンクを利用したケースでは、「午前中に申し込んで夕方には口座に入金されていた」という例も何度も見てきました。
金利・借入限度額・担保/保証人はどう違う?
「スピードだけならノンバンクが断然有利」と思われるかもしれませんが、当然ながらそこにはコストと条件の違いがあります。
金利・コスト比較
融資種類 | 年利(一般的な相場) | 500万円×1年の利息 | 特徴 |
---|---|---|---|
銀行融資 | 1.0%~5.0% | 5万円~25万円 | 信用度や担保により金利が変動 |
保証協会付融資 | 1.0%~3.0%(+保証料0.5%~2.0%) | 7.5万円~25万円 | 保証料が別途必要だが比較的低金利 |
ノンバンク(事業者ローン) | 7.0%~15.0% | 35万円~75万円 | 無担保でも借りやすいが金利は高め |
ノンバンク(カードローン) | 8.0%~18.0% | 40万円~90万円 | 最も手軽だが金利も最も高い |
同じ500万円を借りても、銀行なら年間5万円の利息で済むケースが、ノンバンクだと最大90万円もの利息を支払うことになります。
借入限度額の比較
銀行融資の借入限度額
- 事業規模や担保力に応じて数千万円~数億円の融資も可能
- 長期の設備投資資金や大型の運転資金に対応
ノンバンク融資の借入限度額
- 無担保の場合、通常100万円~1,000万円程度
- 担保設定できれば2,000万円~5,000万円程度まで拡大可能
担保・保証人の要否
担保や保証人が必要なケース
- 銀行の一般的な事業融資(特に高額な場合)
- 銀行の不動産担保ローン
- 一部のノンバンクによる高額融資
💡 担保や保証人が原則不要なケース
┗ 保証協会付き融資(経営者保証は原則必要だが、最新の制度では不要な場合も)
┗ 日本政策金融公庫の一部融資メニュー
┗ ノンバンクの少額融資(数百万円程度まで)
┗ ノンバンクのビジネスカードローン
スピードだけでなく、これらのコストと条件を総合的に判断して選ぶことが重要です。
【スピード最優先】いつ、どちらを選ぶべきか?状況別・使い分け判断基準
具体的にどのような状況で、どちらを選ぶべきなのでしょうか?
緊急度チェック!「いつまでに、いくら必要か」が最初の分かれ道
資金調達における最大の分かれ道は「時間的猶予」と「必要金額」です。
時間軸での判断基準
❶即日~3日以内に資金が必要
- この場合、銀行融資は物理的に間に合わないケースがほとんど
- ノンバンク融資(特にオンライン完結型)を検討
❷1週間~2週間以内に資金が必要
- メインバンクとの関係が良好なら「特急審査」を相談
- 並行してノンバンク融資も申し込み、「保険」をかけておく戦略も有効
❸1ヶ月以上の猶予がある
- 銀行融資を最優先で検討すべき
- 政策金融公庫など、公的融資制度も視野に入れる
金額からの判断基準
- ~500万円程度の資金ニーズ
- 少額なら、スピードと手続きの簡便さを優先してノンバンクも選択肢
- 500万円~3,000万円程度
- 中規模資金では、金利負担と融資スピードのバランスを慎重に判断
- 銀行融資の実行までのつなぎとしてノンバンクを利用する「ハイブリッド戦略」も有効
- 3,000万円超の大型資金
- 原則として銀行融資を目指すべき
- ノンバンク単体では調達困難な金額
以下の質問に答えてみて、あなたの状況を整理しましょう。
- 支払期日は確定しているか?いつまでに資金が必要か?
- 支払いを遅らせる交渉の余地はあるか?
- 資金不足で事業継続に支障が出るレベルか?
- 好機を逃すリスク(ディスカウントの機会損失など)はどの程度か?
時間に余裕があるなら断然「銀行融資」が有利なケース
時間的猶予があるケースでは、銀行融資を選ぶメリットが圧倒的です。
銀行融資が最適なケース
- 大型の設備投資資金が必要なとき
- 工場や店舗の建設、大型機械の導入など、高額な資金需要
- 長期の運転資金が必要なとき
- 事業拡大に伴う恒常的な資金需要の増加
- 金利負担の軽減が重要なとき
- 利益率の低い事業や、返済期間が長期にわたるケース
- 会社の信用力を高めたいとき
- 銀行融資の実績は対外的な信用力向上につながる
銀行融資を有利に進めるための準備ポイント
- 決算内容の改善(特に自己資本比率や営業利益率)
- 資金繰り表や事業計画書の事前準備
- 担保となる資産の洗い出し
- 日頃からのメインバンクとの関係構築
- 公的融資制度の活用検討
銀行融資は「待つ」だけでなく「準備する」ことで成功率が大きく変わる資金調達方法です。
ノンバンクが輝く!「つなぎ資金」「緊急時」「銀行NG時」の活用法
一方、ノンバンク融資が真価を発揮するのは次のようなケースです。
ノンバンク融資が最適なケース
- 急な支払いが発生したとき
- 銀行融資の実行までのつなぎ資金が必要なとき
- 銀行から融資を断られたとき
- 事業機会を逃したくないとき
ノンバンク融資の賢い使い方
- 期間を限定する
- 可能な限り短期間(数ヶ月~半年程度)の利用にとどめる
- 返済原資を明確にする
- 借りる前に「いつ、どのお金で返すか」を具体的に計画
- 全額一括返済を視野に入れる
- 売上金や銀行融資実行時に、ノンバンク融資を一括返済するプランを持つ
高金利は事実ですが、「お金の価値」は使い方で変わるという発想が重要です。
あなたはどっち?状況別フローチャートで簡単診断
あなたの会社の状況に最適な資金調達方法を簡単に診断できるフローチャートをご紹介します。
資金調達判断フローチャート
💵 資金が必要な時期は?
- 3日以内 → ノンバンク融資
- 1~2週間以内 → 次の質問へ
- 1ヶ月以上先 → 銀行融資
💵 必要な資金額は?
- 3,000万円超 → 銀行融資
- 500万円~3,000万円 → 次の質問へ
- 500万円未満 → 次の質問へ
💵 銀行との取引実績は?
- 融資実績あり・関係良好 → 銀行融資(特急審査相談)
- 取引はあるが融資なし → 次の質問へ
- 取引なし/薄い → 次の質問へ
💵 直近3期の決算状況は?
- 黒字が続いている → 銀行融資
- 最新期のみ黒字 → 銀行+ノンバンクの併用検討
- 赤字が続いている → ノンバンク融資
💵 資金使途は?
- 設備投資(長期) → 銀行融資
- 運転資金(継続的) → 銀行融資
- 短期的な資金需要 → ノンバンク融資
より正確な判断をするための「+α」チェックポイント
- 担保・保証人の提供可否
- 担保あり・保証人OK → 銀行融資有利
- 担保なし・保証人NG → ノンバンク有利
- 決算書の状況
- 自己資本比率10%以上 → 銀行融資有利
- 自己資本比率10%未満 → ノンバンク有利
最終的には、「資金調達のスピード」と「金利・返済負担」のバランスを見極めることが成功の鍵です。
ノンバンク融資の落とし穴?知っておくべき注意点とリスク回避策
ノンバンク融資のスピードと柔軟性は魅力的ですが、当然リスクも存在します。
高金利の罠!返済シミュレーションで見る負担の重さ
ノンバンク融資最大のデメリットは、何と言っても「高金利」です。
500万円を1年間借りた場合の返済シミュレーション
融資種類 | 金利 | 月々返済額 | 1年間の総返済額 | 内訳(元金/利息) |
---|---|---|---|---|
銀行融資 | 3.0% | 約42.5万円 | 約510万円 | 500万円/10万円 |
ノンバンク融資 | 15.0% | 約45.5万円 | 約546万円 | 500万円/46万円 |
ノンバンク融資の場合、1年間で銀行融資の約4.6倍もの利息を支払うことになります。
さらに恐ろしいのは、長期間借り続けた場合の総支払額の差です。
500万円を3年間借りた場合の総返済額比較
- 銀行融資(3.0%):約530万円(利息約30万円)
- ノンバンク融資(15.0%):約645万円(利息約145万円)
3年間で約115万円もの差が生じます。
利息負担を最小限に抑えるためのポイント
- 借入期間を最小限にする(可能な限り早期返済を目指す)
- 必要最小限の金額だけ借りる(余剰資金の借入は避ける)
- 余剰資金が発生したら随時返済する(多くのノンバンクは随時返済可能)
- 銀行融資が実行されたら、すぐにノンバンク融資の返済に充てる
高金利は「時間との戦い」だという意識を持ち、一日でも早く返済することが重要です。
将来の銀行融資に響く?信用情報への影響と賢い対処法【元銀行員が解説】
銀行員時代によく耳にした質問が「ノンバンクを使うと、将来銀行から融資を受けにくくなりますか?」というものです。
結論から言うと、影響はあります。
銀行はノンバンク利用を「資金繰りが厳しい兆候」と見る傾向があるからです。
銀行審査担当者の本音(元銀行員としての内部視点)
銀行の融資審査では、申込企業の借入状況を必ずチェックします。
その際、ノンバンクからの借入があると、以下のような「マイナスフラグ」が立つ可能性があります。
- 「資金繰りが厳しいのではないか」
- ノンバンク利用は「銀行から借りられなかった」という印象を与えることがある
- 「高金利負担で返済原資が圧迫されるリスク」
- 高い金利負担が会社の収益を圧迫し、銀行融資の返済能力に影響すると判断される
信用低下を最小限に抑える対処法
(1)計画的な利用であることを示す
- ノンバンク利用の理由を明確に説明できるようにする
- 例:「銀行融資までのつなぎ」「緊急の設備修繕」など、合理的な説明
(2)早期完済の実績を作る
- ノンバンク融資はできるだけ早く返済し、「一時的な利用」だったことを示す
(3)正直に開示する
- ノンバンク利用を隠さず、むしろ積極的に説明する姿勢が信頼につながる
- 隠して後から発覚すると、より大きな信頼損失になる
(4)メインバンクと綿密なコミュニケーションを取る
- ノンバンク利用の前に、銀行に相談するという手順を踏む
- 「銀行では間に合わないので一時的にノンバンクを使う」と事前に伝えておく
これらの対策を講じることで、ノンバンク利用による信用低下を最小限に抑えることができます。
銀行との関係は「透明性」が鍵です。
「審査が甘い」は危険信号?安易な利用が招く多重債務リスク
ノンバンク融資について誤解されがちなのが「審査が甘い=誰でも借りられる」という認識です。
実際には、正規のノンバンクは必ず審査を行います。
ただし、審査の「視点」が銀行とは異なるのです。
ノンバンク審査の特徴
- 銀行より少ない情報で判断(書類も少なめ)
- 会社の将来性より「返済能力の有無」に焦点
- スコアリングシステムによる機械的評価が中心
- 担保や保証より信用情報を重視
多重債務に陥るメカニズム
- 最初は少額融資から始まる(例:300万円)
- 返済が始まり、資金繰りがさらに厳しくなる
- 別のノンバンクから追加借入(例:さらに200万円)
- 返済負担が増え、さらに資金繰りが悪化
- さらに別のノンバンクからも借りる…という悪循環
多重債務リスクを回避するための対策
💡 返済計画を先に立てる
- 借りる前に「いつ、どのお金で返すか」を具体的に計画する
💡 借入は最小限・最短期間に
- 必要最小限の金額だけ借りる
- 返済期間は可能な限り短く設定
💡 複数のノンバンク利用は要注意
- 特に緊急時を除き、複数のノンバンクから借りることは避ける
- 複数社から借りている場合は、1社に集約する方向で検討



私のコンサルティングでは、「複数社からの借入があれば要注意サイン」と必ず伝えています。
元銀行員の視点から言うと、ノンバンクは「最後の手段」ではなく「一時的な救済措置」として捉えるべきなのです。
失敗しない!銀行・ノンバンク融資の賢い申請ステップ
実際に融資を申し込む際の具体的な手順とコツをご紹介します。
銀行融資をスムーズに進めるための準備と「交渉のコツ」
銀行融資を成功させるための第一歩は、十分な準備です。
銀行融資申請の基本ステップ
(1)事前準備
- 必要資金額と使途の明確化
- 返済計画の策定
- 必要書類の準備
(2)銀行へのアプローチ
- メインバンクへの相談
- 初回面談の設定
(3)正式申込と書類提出
- 融資申込書の提出
- 必要書類一式の提出
(4)審査対応
- 追加質問への回答
- 必要に応じた補足資料の提出
(5)融資実行
- 契約書の締結
- 融資金の受け取り
銀行融資申請に必要な書類リスト
- 法人の場合
- 決算書(過去3期分)
- 直近の試算表
- 会社の登記簿謄本
- 代表者の住民票
- 融資申込書(銀行所定)
- 事業計画書(設備資金の場合)
- 資金繰り表
- 担保関連書類(必要な場合)
審査通過率を高める「銀行交渉のコツ」
(1)事業の強みを明確に伝える
- 競合との差別化ポイント
- 独自の技術やノウハウ
(2)数字で語る
- 具体的な売上予測
- 市場規模や成長率
- 投資回収期間
(3)リスクとその対策も率直に説明
- 想定されるリスクを自ら提示
- それに対する対策を説明
(4)担当者との信頼関係構築
- 定期的な情報提供
- 質問には迅速に回答
- 約束は必ず守る
銀行融資の「日頃からの関係構築」の重要性
銀行融資を円滑に進めるためには、普段からの関係構築が重要です。
これを「リレーションシップバンキング」と呼びます。
- 定期的な業況報告
- 四半期ごとの試算表提出
- 良い話も悪い話も隠さず報告
- 融資がなくても相談する姿勢
- 新規事業の相談
- 経営課題の共有
- 銀行主催セミナーへの参加
- ビジネスマッチングイベント
- 経営相談会
ノンバンク融資を最速で受けるためのWEB申込テクニック
次に、ノンバンク融資を最短時間で受けるためのテクニックをご紹介します。
ノンバンク融資WEB申込の基本ステップ
- 必要書類のデジタル化(スキャンorスマホ撮影)
- 必要情報の整理(売上高、従業員数など)
- 基本情報の入力
- 借入希望額・期間の設定
- 本人確認書類
- 決算書や確定申告書
- 収入証明(必要な場合)
- メールや電話での連絡
- WEBマイページでの確認
- 電子契約の締結
- 振込口座の指定
最速審査を実現するためのポイント
(1)申込時間は午前中を狙う
- 多くのノンバンクは当日中に審査する体制
- 午前中の申込なら当日中に結果が出やすい
(2)書類は鮮明かつ完全な状態で
- 不鮮明な画像は審査遅延の原因に
- 全ページ漏れなくアップロード
(3)連絡先は常に通じる状態に
- 電話確認がある場合がほとんど
- 着信拒否設定の解除、不在着信のこまめなチェック
(4)基本情報は正確に
- 売上高や従業員数などの基本情報は決算書と一致させる
- 誤りがあると再確認で時間ロス
ノンバンク選びの3つのチェックポイント
- 「最短即日融資」を明記しているか
- 公式サイトで明示的に「即日」を謳っているか
- 口コミや評判で実際の速さを確認
- WEB完結型か
- 来店不要で手続き完了できるか
- 電子契約に対応しているか
- 必要書類は最小限か
- 要求書類が少ないほど手続きが速い
- 特に「決算書不要」「確定申告書のみ」は速さの目安
審査通過率を上げる!経営者が今すぐできること
銀行・ノンバンク問わず、融資審査に通過する確率を上げるためにできることをご紹介します。
短期的に取り組めること(1~3ヶ月以内)
(1)信用情報のチェック・改善
- 個人の信用情報開示請求(CIC、JICCなど)
- 法人の信用情報確認(TSR、TDBレポートなど)
- 滞納があれば早急に解消
(2)資金繰り表の作成・管理
- 向こう6ヶ月分の資金繰り表作成
- 入出金予定の可視化
- 資金ショートポイントの把握と対策
(3)経営計画書の整備
- 事業の強み・弱みの整理
- 市場環境分析
- 具体的な数値目標設定
(4)担保・保証の整理
- 保有資産の棚卸し
- 不動産評価額の確認
- 連帯保証人候補の検討
以下の項目をチェックして、自社の審査通過率を高める準備をしましょう。
- □ 個人・法人の信用情報に問題はないか確認した
- □ 最新の試算表を準備している
- □ 資金繰り表を作成・更新している
- □ 事業計画書を用意している
- □ 融資希望額と使途を明確にしている
- □ 返済計画を具体的に立てている
- □ 担保・保証人の有無と内容を整理している
- □ 税金・社会保険料の滞納はない



特に効果的なのは「専門家の力を借りる」ことです。
税理士、公認会計士、中小企業診断士などの専門家は、融資申請のプロであり、審査通過率を大幅に高めることができます。
また、無料で利用できる公的支援機関もあります。
- 日本政策金融公庫の経営相談
- 商工会議所・商工会の経営指導
- よろず支援拠点のアドバイザー相談
- 自治体の中小企業支援センター
【最新情報】知っておきたい資金調達のトレンドと新制度
資金調達の世界も急速に変化しています。
銀行も早く?オンライン融資・フィンテック活用の現状
銀行融資は「遅い」というイメージがありましたが、最近ではデジタル化の波が押し寄せ、審査スピードも向上してきています。
銀行のオンライン融資の最新動向
✔️ WEB完結型融資商品の登場
- 来店不要、書類郵送不要のオンライン完結型融資
- 審査回答も最短数日に短縮
✔️ クラウド会計データ連携
- freee、MFクラウドなどの会計ソフトと銀行システムが連携
- リアルタイムの経営状況を審査に活用
✔️ スコアリング融資の導入
- AIによる自動審査モデルの活用
- 取引データに基づく与信判断
例えば、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行などは、オンライン完結型のビジネスローンを提供しており、最短1週間程度での融資実行を実現しています。
フィンテック企業の参入による変化
銀行だけでなく、新しいタイプの「フィンテック金融」も台頭してきています。
- ノンバンク×フィンテック
- データ分析による迅速な与信判断
- 銀行より柔軟、従来のノンバンクより低金利という中間的存在
- クラウドファンディング型融資(ソーシャルレンディング)
- 多数の個人投資家から資金を集める融資プラットフォーム
- 銀行融資を受けにくい企業にも調達機会を提供
資金調達を考える際は、銀行とノンバンクだけでなく、こうした「新興金融サービス」も視野に入れておくと選択肢が広がるでしょう。
チャンス到来?経営者保証なし融資の拡大と活用法
中小企業の資金調達において長年のハードルだった「経営者保証」ですが、最近では「経営者保証なし融資」の機会が拡大しています。
経営者保証に関する最新制度改正
2023年以降、「経営者保証に関するガイドライン」の改定や「保証債務整理ガイドライン」の新設など、経営者保証に関する制度改革が進んでいます。
特に注目すべきは、2024年の制度変更として、以下のような動きがあることです。
(1)信用保証協会の経営者保証免除要件の緩和
- 一定の財務要件を満たす中小企業は、経営者保証なしで保証協会保証付き融資が利用可能に
(2)経営者保証を求める場合の「理由説明義務」の強化
- 金融機関は経営者保証を求める場合、その理由を文書で説明する義務が厳格化
経営者保証なし融資を実現するための条件
経営者保証免除の主な条件
(1)法人と経営者の資産・経理の明確な分離
- 私的流用や資金の混同がない
- 役員借入金・貸付金の解消
(2)財務基盤の強化
- 自己資本比率10%以上(目安)
- 黒字決算の継続
- 債務償還年数の適正化(概ね10年以内)
(3)適時適切な情報開示
- 月次試算表の定期提出
- 資金繰り表の作成・共有
- 経営計画の策定と進捗報告
融資だけじゃない!ファクタリングやABLという選択肢
資金調達と言えば「融資」を思い浮かべることが多いですが、近年は融資以外の資金調達手段も選択肢として広がっています。
ファクタリング(売掛債権の早期現金化)
ファクタリングとは、企業が保有する売掛金(まだ回収していない債権)を専門業者に売却して早期に現金化する方法です。
ファクタリングの特徴
💡 スピードの速さ
- 審査から入金まで最短1~3日
- 緊急資金需要に対応可能
💡 審査基準の違い
- 自社の信用力よりも「売掛先の信用力」が重視される
- 赤字企業や創業間もない企業でも利用可能
💡 コスト(手数料)
- 売掛金額の3%~20%程度の手数料
- 年利換算すると高めだが、短期的な資金化には有効
参考: ファクタリング手数料の相場は5〜18%!?手数料を賢く抑える方法
ABL(動産・債権担保融資)
ABL(Asset Based Lending)とは、企業が保有する在庫や売掛金などの「動産」を担保にした融資です。
ABLの特徴
💡 担保の幅広さ
- 不動産だけでなく、在庫、機械設備、売掛金などが担保に
- 「使える資産」を最大限に活用できる
💡 資金調達額の柔軟性
- 担保価値の範囲内で融資額を設定
- 事業規模に応じた柔軟な融資枠の設定が可能
これらの手法は「融資」の代替というよりも、「補完的な資金調達手段」として活用するのが賢明です。
事例から学ぶ!資金調達の成功と失敗の分かれ道
具体的な事例で理解を深めましょう。
【成功事例】ノンバンクを「つなぎ」で活用し危機を脱したA社のケース
A社のプロフィール:
- 業種:飲食業(ラーメンチェーン)
- 規模:売上高1億2,000万円/年、従業員15名
- 融資前の状況:新店舗の内装工事費用が急遽必要に
経緯:
A社は首都圏で5店舗を展開するラーメンチェーンです。
好調な業績を背景に6店舗目の出店を計画し、内装工事の発注を行いました。
ところが工事中に建物の構造上の問題が発覚し、当初の見積もりより800万円の追加費用が必要になりました。
支払期日は2週間後に迫っており、メインバンクに相談したところ「審査に3週間はかかる」との回答。
解決策:
A社は以下の「ハイブリッド戦略」を実行しました。
❶ 銀行融資の申請
- メインバンクに1,000万円の融資を正式申請
- 審査期間は3~4週間の見込み
❷ つなぎ資金としてノンバンク利用
- ビジネスローン会社から800万円を借入(年利15%)
- 申込から3日で融資実行
- 返済期間は最短の6ヶ月に設定
❸ メインバンクへの事前説明
- ノンバンク利用を事前に銀行に説明
- 「銀行融資実行後すぐに返済する」計画を共有
❹ 早期返済の実行
- 銀行融資実行後(1ヶ月後)、ノンバンク融資を一括返済
- 結果的な金利負担は約10万円(800万円×15%÷12か月×1か月)
結果:
A社は工事を予定通り完了させ、新店舗を計画より1週間遅れでオープンすることができました。
新店舗は初月から黒字を達成し、銀行融資の返済も順調に進んでいます。
- ノンバンク融資を「短期つなぎ」と割り切った点
- 高金利を長期間負担するリスクを回避
- 必要最小限の期間だけ利用
- 銀行に対する透明性の確保
- 隠さずに事前説明
- 返済計画の明確化
【失敗事例】安易なノンバンク利用で泥沼に陥ったB社の悲劇
B社のプロフィール:
- 業種:小売業(アパレルショップ)
- 規模:売上高8,000万円/年、従業員7名
- 融資前の状況:業績低迷で資金繰りに窮していた
経緯:
B社は地方都市で2店舗を展開するアパレルショップです。
オンラインショップの台頭による競争激化で、2年連続の赤字決算となっていました。
資金繰りが悪化し、仕入代金や家賃の支払いが遅延気味に。
銀行には融資を断られ、「とにかく資金を調達したい」という一心で、ノンバンクからの借入を決断しました。
問題点:
❶ 複数のノンバンクからの借入
- 最初に消費者金融から300万円(年利18%)
- 3ヶ月後に別のビジネスローン会社から500万円(年利15%)
- さらに2ヶ月後に3社目から400万円(年利17%)
- 合計1,200万円の借入・年間約200万円の利息負担
❷ 返済計画の欠如
- 「なんとかなる」という楽観的見通し
- 具体的な返済原資の目処なし
結果:
借入から1年後、B社は毎月の返済負担(約100万円)に耐えられなくなり、一部の返済が遅延。
信用情報に遅延情報が記録され、追加融資も困難になりました。
最終的には1店舗を閉鎖し、残った1店舗の売却を余儀なくされ、経営者は個人保証の責任から自己破産に至りました。
- 複数のノンバンクからの借入
- 返済管理の複雑化
- 利息負担の雪だるま式増大
- 「資金調達」と「経営改善」の切り離し
- 資金調達は経営改善のための手段であるはずが、目的化
- 本業の立て直しが後回しに
- 返済計画なき借入
- 現実的な返済シミュレーションの欠如
- 「借りられるだけ借りる」発想
よくある質問(FAQ)
最後に、クライアントからよく受ける質問とその回答をまとめました。
Q: ノンバンクを利用すると、将来銀行から融資を受けにくくなりますか?
A: 可能性はあります。
銀行はノンバンク利用を「資金繰りが厳しい兆候」と見ることがあるためです。
ただし、利用理由をきちんと説明でき、既に完済していれば影響は限定的です。
隠さずに正直に話すことが重要です。
Q: 銀行融資を断られたら、もうノンバンクしか選択肢はないのでしょうか?
A: いいえ、他にも選択肢はあります。
- 日本政策金融公庫などの公的融資
- 審査基準が民間銀行とは異なり、創業支援や経営改善に強み
- 金利は低めで、無担保・無保証人の融資メニューもある
- ファクタリング(売掛金の早期現金化)
- 自社の信用より取引先の信用が重視されるため選択肢になりうる
- スピードが速いがコストは高め
- 補助金・助成金
- 返済不要の資金調達手段
- 申請から交付までに時間がかかる場合が多い
Q: 「審査なし」「ブラックOK」と謳う金融業者は安全ですか?
A: 絶対に利用してはいけません。
それらは違法なヤミ金融業者の可能性が極めて高いです。
正規のノンバンクは必ず審査を行います。
甘い言葉に騙されず、金融庁登録のある正規業者を選びましょう。
Q: とにかく一番早く資金を調達できる方法は何ですか?
A: 状況によりますが、一般的にはノンバンクのビジネスローン(特にWEB完結型)やファクタリングが最も早いです。
最短で申し込み当日に資金化できる可能性があります。
ただし、手数料や金利は高めです。
Q: ノンバンクの高金利を少しでも抑える方法はありますか?
A: 契約前に複数のノンバンクを比較検討し、少しでも金利の低いところを選ぶことが基本です。
また、利用期間をできるだけ短くする(つなぎ資金として割り切る)、可能であれば銀行融資への借り換えを早期に行うことが重要です。
まとめ
今回は、スピードを重視する場合の銀行融資とノンバンク融資の使い分けについて、元銀行員の視点から解説しました。
銀行融資は低金利で安心感がありますが時間がかかり、ノンバンク融資は迅速ですが高金利で利用には注意が必要です。



重要なのは、自社の状況(必要な金額、時期、信用力)を冷静に見極め、「スピード」と「コスト」のバランスを考えて最適な選択をすることです。
特にノンバンクは、あくまで「緊急時の短期的なつなぎ資金」と割り切り、安易な長期利用は避けるべきです。
そして、どちらを選ぶにしても、日頃からの資金繰り計画と管理が最も重要です。
計画があれば、慌てて高金利に頼る事態を減らせます。


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