経営者の皆さん、毎月の役員報酬、本当に最適な金額に設定できていますか?
多くの中小企業オーナーは、役員報酬の決め方一つで年間数十万円、場合によっては数百万円もの節税機会を逃しています。
私は銀行での法人営業やコンサルティング会社での経験から、適切な役員報酬設計が企業の資金繰りと経営者個人の手取りに大きく影響することを数多く目の当たりにしてきました。
本記事では、税務調査でも指摘されない、合法的かつ効果的な役員報酬を活用した節税戦略の5つの必須ポイントを解説します。

これから紹介する方法を実践すれば、会社と個人の両方で税負担を最適化し、手元に残るお金を最大化できるでしょう。


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役員報酬の基本と税務上の位置づけ
役員報酬について考える前に、その基本的な仕組みと税務上の位置づけを理解しておきましょう。
役員報酬とは何か?税務上の3つの分類
役員報酬とは、取締役や監査役などの会社役員に対して支払われる報酬のことです。
株式会社の場合、会社法の規定により、役員報酬は定款または株主総会の決議によって決定されます。
税法上、役員報酬は以下の3つに分類されます。
① 定期同額給与
- 毎月同じ金額が支給される給与
- 中小企業で最も一般的な形態
- 事業年度開始から3か月以内に金額を決定する必要がある
② 事前確定届出給与
- 支給時期と金額を事前に定めて税務署に届け出る給与(主に賞与)
- 事業年度開始から3か月以内に届出が必要
- 届出通りに支給しなければ全額損金不算入となるリスクも
③ 業績連動給与
- 利益などの業績指標に連動して支給される給与
- 主に上場企業の役員に対して使われる形態
- 中小企業ではほとんど活用されない
これら3つの分類は、税務上の「損金算入」という重要な概念に関わってきます。
では、損金算入とは具体的に何でしょうか。
役員報酬が損金算入できる条件
役員報酬を「損金算入」するとは、会社の経費(コスト)として認められ、課税所得から差し引けるということです。
例えば、会社の売上が1億円で、経費が9,000万円、役員報酬が1,000万円の場合、役員報酬が全額損金算入されれば、課税所得はゼロになります。
しかし、役員報酬が損金算入されるには条件があります。
🔍 損金算入される条件
┗ 定期同額給与であれば、毎月同額を支給し続けること
┗ 事前確定届出給与であれば、届出通りに支給すること
┗ 業績連動給与であれば、一定の客観的な指標に基づくこと
これらの条件を満たさない場合、役員報酬は損金不算入となり、会社は役員報酬に対しても法人税を支払うことになります。
さらに役員個人も所得税を支払うため、いわゆる「二重課税」の状態に陥ります。
定期同額給与は期の途中で変更できないというのが原則です。例外として、経営状況の著しい悪化や職務内容の重大な変更がある場合のみ認められます。安易な変更は税務調査のリスクを高めるので注意しましょう。
必須ポイント1:適切な役員報酬額の設定方法
「不相当に高額」と判断されないための基準
役員報酬は、税務署から「不相当に高額」と判断されると、超過分が損金算入できなくなるリスクがあります。
では、「不相当に高額」の判断基準とは何でしょうか?
税法上、以下の2つの基準で判断されます。
1. 実質基準(これが最も重要)
- 役員の職務内容(勤務実態)
- 会社の収益や規模
- 使用人(従業員)への給与水準
- 同業他社の役員報酬相場
2. 形式基準
- 株主総会等で決議された報酬限度額内かどうか



具体的に見ると、例えば年商5,000万円の会社で役員報酬が年間3,000万円というのは、明らかに「不相当に高額」と判断されるリスクが高いでしょう。
安全な目安としては、以下のような基準が参考になります。
会社の年商 | 役員報酬の安全ライン(年収) |
---|---|
5,000万円未満 | 500万円〜800万円程度 |
1億円未満 | 800万円〜1,200万円程度 |
3億円未満 | 1,200万円〜2,000万円程度 |
5億円未満 | 1,500万円〜2,500万円程度 |
もちろん、これはあくまで目安であり、業種や会社の利益率、役員の職務内容によって適正額は変わります。
会社の利益と個人の税率を考慮した最適な報酬額
役員報酬の最適額を考える際、会社の法人税と個人の所得税・住民税のバランスが重要になります。
ここで鍵となるのが「800万円の壁」です。
中小企業(資本金1億円以下)の場合、法人税は課税所得800万円までが15%、800万円超の部分が23.2%となります(地方税を含む実効税率はそれぞれ約23%、約30%)。
一方、個人の所得税・住民税は累進課税で、課税所得が増えるほど税率が上がり、最高で約55%に達します。
これらを考慮すると、最適な役員報酬設計は以下のようになります。
法人の課税所得が800万円以下の場合
- 会社に利益を残し、役員報酬は生活に必要な最低限に抑える
- 法人税率(約23%)は所得税の最低税率(約10%)より高いが、法人に利益を残すことで将来の事業投資が可能
法人の課税所得が800万円超の場合
- 800万円を超える部分は役員報酬として支給する方が有利
- 個人の所得税率が法人税率を下回る年収帯であれば、個人に分配した方が節税になる
具体的なシミュレーションを見てみましょう。
シナリオ | 法人税負担 | 個人所得税負担 | 合計税負担 |
---|---|---|---|
利益1,500万円、役員報酬500万円 | 約275万円 | 約50万円 | 約325万円 |
利益800万円、役員報酬1,200万円 | 約184万円 | 約214万円 | 約398万円 |
利益300万円、役員報酬1,700万円 | 約69万円 | 約361万円 | 約430万円 |
上記シミュレーションから、一般的には「法人の課税所得を800万円程度に抑え、それ以上の利益は役員報酬として支給する」という方法が税負担の最適化につながります。
ただし、役員報酬を増やすと社会保険料も増加するため、トータルのコストも考慮する必要があります。
必須ポイント2:家族を活用した所得分散戦略
家族を役員に登用するメリットと条件
所得税は累進課税制度のため、1人に所得を集中させるより、複数人に分散させた方が全体の税負担は少なくなります。
ここで効果的なのが、配偶者や子どもなどの家族を役員として登用し、所得を分散させる方法です。
家族役員のメリット
- 累進課税による税率上昇を緩和できる
- 家族全体の手取り収入を増やせる
- 将来の事業承継の準備にもなる
しかし、家族を役員にする際は、以下の条件を満たす必要があります。
① 実質的に経営に参画していること
- 形式だけの役員では税務調査で否認されるリスクがある
- 経営会議への参加や具体的な業務分担を決めておく
- 出勤簿や業務日誌などの記録を残す
② 支払う報酬が職務内容に見合っていること
- 同様の職務を行う従業員の給与水準を参考にする
- 極端に高い報酬は「不相当に高額」と判断されるリスク
③ 適切な手続きを経ていること
- 株主総会で役員選任と報酬決定の手続きを行う
- 登記変更(取締役就任)の手続きを行う



特に注意したいのが、一般的に「みなし役員」と呼ばれる役員です。
例えば、株主である家族や特殊関係者は、実際の職務内容にかかわらず「みなし役員」として扱われ、役員報酬として支給する必要があります。
家族への役員報酬分散のシミュレーション
家族への所得分散がどれほど効果的か、具体的なシミュレーションで見てみましょう。
ケース1:社長一人に集中させる場合
- 社長の役員報酬:年間2,000万円
- 所得税・住民税(概算):約515万円
- 社会保険料(会社負担分含む):約236万円
- 税金・社会保険料の合計:約751万円
ケース2:家族に分散させる場合
- 社長:年間1,100万円
- 配偶者:年間300万円
- 子(大学生):年間300万円
- 子(大学生):年間300万円
- 所得税・住民税(合計):約358万円
- 社会保険料(合計):約148万円
- 税金・社会保険料の合計:約506万円
この比較から、家族に所得分散することで、約245万円もの負担軽減が可能になります。
特に配偶者の所得が103万円を超えると配偶者控除が使えなくなりますが、それでも所得分散によるメリットの方が大きいケースがほとんどです。
ただし、家族役員の報酬については、その職務内容に見合った金額に設定することが重要です。
- 家族役員の具体的な職務内容を明確に定義しているか
- 出勤簿や業務日誌など勤務実態を証明できる資料を作成しているか
- 株主総会での選任・報酬決定の議事録を作成しているか
- 役員変更登記を行っているか
- 報酬額は職務内容に見合った妥当な金額か
必須ポイント3:役員賞与と報酬のバランス最適化
役員賞与の税務上の取り扱い
役員賞与は原則として損金算入できません。しかし、以下のいずれかに該当する場合は損金算入が可能です。
1. 事前確定届出給与として届け出た場合
- 株主総会等で支給時期と金額を事前に確定させる
- 事業年度開始から3か月以内に税務署に届け出る
- 届出通りに支給する
2. 利益連動給与として一定の要件を満たす場合
- 主に上場企業向けの制度で、非同族会社などに限定される
- 中小企業での活用は難しい
役員賞与を事前確定届出給与として活用するメリットは、以下の通りです。
- 毎月の固定給与を抑えつつ、年間報酬総額を確保できる
- 社会保険料の負担を抑えられる可能性がある
- 会社の業績に応じた柔軟な報酬設計が可能
ただし、一度届け出た内容(支給時期・金額)は変更できないというデメリットもあります。
例えば、業績が悪化しても届出通りに賞与を支給しなければ、全額損金不算入となってしまいます。
この点は慎重に検討する必要があります。
社会保険料負担を考慮した報酬設計
役員報酬を考える上で見落としがちなのが、社会保険料の負担です。
役員報酬は全額が社会保険料の算定対象となりますが、賞与については以下のような特徴があります。
- 標準賞与額に上限がある(健康保険の場合は年間573万円)
- 支給回数や時期によって保険料負担を最適化できる
具体的に見ると、社会保険料の算定基礎となる標準報酬月額は4月〜6月の報酬平均で決まります。
したがって、この期間の報酬を抑え、7月以降に賞与として支給することで、年間の社会保険料負担を抑えることも可能です。
社会保険料負担を考慮した報酬設計例
設計例 | 年間報酬総額 | 社会保険料負担(概算) |
---|---|---|
毎月50万円の固定給 | 600万円 | 約190万円 |
毎月30万円+年2回100万円の賞与 | 600万円 | 約160万円 |
上記の例では、同じ年間報酬総額でも、固定給と賞与のバランスを変えることで、社会保険料負担を約30万円削減できます。
また、標準報酬月額の等級は幅があるため、少額の報酬調整で等級が下がれば、保険料負担も抑えられます。
標準報酬月額の等級表を確認し、境界線付近であれば報酬調整を検討する価値があります。
必須ポイント4:役員退職金の戦略的活用法
役員退職金の税務上のメリット
役員退職金は、通常の役員報酬と比較して大きな税務メリットがあります。
具体的には以下の2点です。
1. 退職所得控除の適用
- 勤続年数に応じた控除額が適用される
- 勤続20年で800万円、30年で1,500万円の控除が可能
2. 2分の1課税の適用
- 退職所得控除後の金額の半分のみが課税対象になる
- 実質的な税負担が大幅に軽減される
例えば、役員在任30年の社長が3,000万円の退職金を受け取る場合:
- 退職所得控除:1,500万円
- 課税対象額:(3,000万円 – 1,500万円) ÷ 2 = 750万円
- 税負担:約150万円(所得税・住民税)
これを通常の役員報酬として受け取った場合の税負担は約1,200万円になるため、退職金として受け取ることで約1,050万円もの節税になります。
会社側でも、適正な金額であれば全額損金算入が認められます。
勤続年数が長いほど税務メリットが大きくなります。ただし、2022年の税制改正により、勤続年数5年以下の役員については2分の1課税の適用が制限されています。
適正な役員退職金の算定方法
役員退職金が損金算入されるためには、「不相当に高額」と判断されないことが重要です。
適正な役員退職金の算定には、一般的に以下の式が使われます。
最終月額報酬 × 在任年数 × 功績倍率
この「功績倍率」が重要で、役員の地位や会社への貢献度に応じて以下のような目安があります。
役職 | 功績倍率の目安 |
---|---|
会長・社長 | 2.5〜3.5 |
専務 | 2.0〜3.0 |
常務 | 1.5〜2.5 |
取締役 | 1.0〜2.0 |
例えば、月額報酬80万円、在任期間25年の社長が退任する場合:
80万円 × 25年 × 3.0 = 6,000万円 が適正な退職金の目安となります。
また、退職金の支給には以下の手続きが必要です。
退職金規程の整備
- 算定方法や支給条件を明確に定めておく
- 株主総会で承認を得ておく
株主総会での決議
- 退職役員への退職金支給を決議
- 具体的な金額または算定方法を決議
適切な時期・方法での支給
- 退任後速やかに支給するのが原則
- 分割支給も可能だが、契約内容の明確化が必要
これらの手続きを適切に行うことで、税務リスクを最小化しながら退職金の税務メリットを最大限に活かせます。
必須ポイント5:タイミングを押さえた役員報酬の見直し
役員報酬を変更できる3つのタイミング
役員報酬(定期同額給与)は原則として期中での変更はできませんが、以下の3つのタイミングでは変更が認められています。
1. 事業年度開始から3ヶ月以内
- 最も一般的かつ安全な変更タイミング
- 株主総会の決議等に基づいて変更
2. 経営状況の著しい悪化時
- 赤字転落など、著しい業績悪化が条件
- 減額のみ認められ、増額は認められない
- 税務調査で否認されるリスクもあるため、証拠資料の保存が重要
3. 役員の職務内容に重大な変更があった時
- 代表取締役から平取締役への降格など、職務内容の明確な変更が条件
- 増額・減額いずれも可能だが、変更の合理性が問われる



特に経営状況悪化による減額は税務調査でよく確認される項目です。
「著しい悪化」の判断基準として、以下のような事例が参考になります。
- 売上が前年比50%以下に減少
- 2期連続で経常赤字に転落
- 金融機関からの融資条件として役員報酬削減を求められた場合
いずれの場合も、変更の理由や経緯を記録した資料(株主総会議事録、取締役会議事録など)を保存しておくことが重要です。
中長期的な視点での役員報酬戦略
役員報酬は単年度だけでなく、会社のライフステージに合わせて中長期的な視点で考えることが重要です。
❶ 創業期(売上不安定、利益少)
- 役員報酬は最低限に抑え、会社に資金を残す
- 生活に必要な最低限の報酬を確保(月20〜30万円程度)
- 創業者の健康保険・年金は国民健康保険・国民年金も検討
❷ 成長期(売上拡大、利益増加)
- 「800万円の壁」を意識した報酬設計
- 家族役員の登用や所得分散の検討
- 社会保険料負担を考慮した報酬と賞与のバランス最適化
❸ 安定期(安定収益、内部留保充実)
- 退職金原資の確保に向けた内部留保
- 役員報酬は生活水準と納税負担のバランスで決定
- 小規模企業共済など節税効果のある制度の活用
❹ 承継期(事業承継を検討)
- 後継者の役員就任と段階的な報酬増額
- 先代経営者の役員退職金の計画的な準備
- 自社株評価に影響する利益水準の調整
また、以下のような将来イベントも視野に入れた報酬設計が効果的です。
- 役員の定年・引退時期
- 子どもの就学・就職時期
- 住宅購入や借入返済計画
- 自社株評価の引き下げ時期
特に自社株評価は相続税にも大きく影響するため、計画的な役員報酬設計と利益コントロールが重要になります。
よくある質問(FAQ)
Q: 役員報酬を下げると節税になりますか?
A: 一概には言えません。役員報酬を下げると法人税は増加しますが、個人の所得税・住民税は減少します。
法人税率(約23%)と所得税・住民税の最高税率(約55%)の差を考慮すると、高所得の場合は役員報酬を下げる方が総合的な税負担は減少する可能性があります。
具体的には、個人の所得税率が法人税率を上回る年収帯(概ね年収1,000万円超)では、役員報酬を下げて会社に利益を残す方が税負担は軽減される傾向にあります。
ただし、社会保険料や将来の年金受給額への影響も考慮する必要があります。
また、会社に残した利益の使い道(設備投資、従業員還元、内部留保など)も重要な判断要素になります。
Q: 家族に役員報酬を支払う際の注意点は?
A: 家族に役員報酬を支払う場合、実質的に経営に参画していることが重要です。
形式的な役職だけで実務を行っていない場合、税務調査で否認されるリスクがあります。
また、支払う報酬額は職務内容に見合った金額である必要があります。
税務調査対策として、以下の資料を用意しておくことをお勧めします。
- 家族役員の具体的な職務分掌を記載した書類
- 取締役会や経営会議への参加記録
- 出勤簿や業務日誌
- 家族役員が担当した業務の成果物
国税不服審判所の裁決例では、「よき相談相手」という曖昧な役割しか果たしていない母親への適正な役員報酬は年186万円と判断された事例があります。
このことから、非常勤で実質的な業務が限定的な場合でも、年200万円程度までであれば問題になりにくいと考えられます。
Q: 役員報酬の改定は年に何回でも可能ですか?
A: 原則として、定期同額給与の改定は事業年度開始から3ヶ月以内に1回のみ可能です。
ただし、会社の経営状況が著しく悪化した場合や、役員の職務内容に重大な変更があった場合は、期中での改定も認められます。
安易な期中改定は税務調査のリスクを高めるため、慎重な判断が必要です。
イレギュラーな方法として、「決算期変更」という裏技的な方法もあります。
例えば、3月決算の会社が9月に決算期を変更すれば、10月から新事業年度として役員報酬を改定できます。
ただし、決算期変更には定款変更や税務署への届出など手続きが必要であり、頻繁には使えない点に注意が必要です。
Q: 事前確定届出給与と定期同額給与はどちらが有利ですか?
A: 業績の変動が大きい企業や、賞与を含めた年間報酬を計画的に設定したい場合は事前確定届出給与が有利です。
一方、安定した経営状況で毎月の報酬を重視する場合は定期同額給与が適しています。
多くの中小企業では、定期同額給与をベースに、状況に応じて事前確定届出給与を組み合わせるハイブリッド型の報酬設計が効果的です。
具体的には、以下のような設計がお勧めです。
- 基本的な生活費をカバーする定期同額給与を設定
- 業績に応じて変動させたい部分を事前確定届出給与として設定
- 社会保険料を考慮して、標準報酬月額の等級境界に注意した金額設定
ただし、事前確定届出給与は一度届け出た内容(支給時期・金額)を変更できないリスクがあるため、業績予測が難しい企業には向いていません。
Q: 役員退職金は必ず支給すべきですか?
A: 役員退職金は必須ではありませんが、税務上の大きなメリットがあります。
退職所得控除や2分の1課税の特例により、同額を給与として受け取るよりも税負担が大幅に軽減されます。
特に長期間経営に携わった役員にとっては、退職金の活用は重要な節税手段となります。
ただし、適正な金額設定と必要な社内手続きを踏むことが重要です。
また、会社に退職金を支給する資金がない場合は、「小規模企業共済」への加入も検討価値があります。
小規模企業共済は、掛金が全額所得控除になる上、受取時には退職所得として優遇税制が適用されるため、将来の退職金準備と節税を両立できる制度です。
まとめ
役員報酬の設計は、単なる給与決定ではなく、会社と個人の税負担を最適化するための重要な経営戦略です。
本記事で解説した5つの必須ポイントを実践することで、税務リスクを抑えながら効果的な節税が可能になります。
❶ 適切な報酬額の設定
- 「不相当に高額」と判断されない適正な金額設定
- 会社の利益と個人の税率を考慮したバランス
❷ 家族を活用した所得分散
- 家族役員の適正な登用と職務付与
- 累進課税を緩和する効果的な所得分散
❸ 役員賞与と報酬のバランス最適化
- 事前確定届出給与の戦略的活用
- 社会保険料負担を考慮した報酬設計
❹ 役員退職金の戦略的活用
- 退職所得控除と2分の1課税の活用
- 適正な役員退職金の算定と手続き
❺ タイミングを押さえた報酬見直し
- 役員報酬を変更できる3つの正当なタイミング
- 会社のライフステージに合わせた報酬戦略
特に中小企業オーナーの方は、自社の状況や将来計画に合わせて、これらのポイントを組み合わせた最適な役員報酬戦略を構築することをお勧めします。
税制は毎年のように変更されるため、定期的に税理士などの専門家に相談しながら、常に最新の情報に基づいた判断を心がけましょう。



適切な役員報酬設計は、会社の成長と経営者自身の資産形成の両方を支える重要な基盤となります。
役員報酬の最適化は、専門家のアドバイスを受けながら進めることで、より効果的な節税が可能になります。
現在の役員報酬設計に不安がある方、より効果的な節税方法を知りたい方は、ぜひお気軽に税理士や財務アドバイザーに相談してみてください。


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