結論から申し上げます。経営者保証なしで融資を受けることは、もはや「不可能」ではありません。

実際に、私が元銀行員として、そして現在財務コンサルタントとして支援してきた企業の8割以上が、経営者保証の解除に成功しています。
「会社の借入なのに、なぜ私が個人で保証を…」そんな重圧から解放されたいと願う経営者の方へ。
この記事では、経営者保証なしで融資を勝ち取るための「5つの必須条件」と具体的な実現ロードマップを、銀行の内部事情を知り尽くした私が徹底解説します。読み終える頃には、あなたの会社が明日から取るべき具体的なアクションプランが手に入っているはずです。


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👤 東 岳夫(あずま たけお)氏
代表税理士 / 税理士法人ベンチャーパートナーズ総合会計事務所
平成15年税理士登録、同年「税理士法人ベンチャーパートナーズ総合会計事務所」を開業。「起業家支援」を自らの責務とし、「税理士はサービス業」をモットーに、数多くの企業のサポートを行っている。中小企業の資金調達や財務に関する専門的な監修を担当。
監修者プロフィール詳細(外部リンク)
なぜ今「経営者保証なし」が現実的な選択肢になったのか?
国が後押しする「経営者保証改革」の最前線
「本当に保証なしで借りられるの?」
多くの経営者から、いまだにそう聞かれることがあります。
答えは、明確に「YES」です。
その最大の理由は、国が本気で「経営者保証に依存しない融資」を推進しているからです。
2014年に「経営者保証に関するガイドライン」が策定され、2022年からはさらに踏み込んだ「経営者保証改革プログラム」がスタートしました。



これは単なるお題目ではありません。
金融機関に対して、「安易に経営者保証を求めるのではなく、企業の事業性や将来性をしっかり評価しなさい」という強いメッセージが国から出されているのです。
これは、経営者にとって間違いなく大きな追い風です。
【元銀行員の視点】経営者保証がもたらす3つの弊害
なぜ、国もここまでして経営者保証をなくそうとしているのか。
それは、保証がもたらす弊害がいかに大きいかを、私がいた銀行の世界も含め、皆が理解し始めたからです。
具体的に言うと、主に3つの弊害があります。
1. 思い切った事業展開の阻害
万が一失敗すれば、個人の資産、自宅まで失ってしまう。この恐怖が、リスクを取った新たな挑戦へのブレーキになってしまいます。
「あの時、社長が保証を気にせずアクセルを踏めていたら、会社はもっと大きく成長できたかもしれない…」そんなケースを私は見てきました。
2. 早期の事業再生の妨げ
業績が悪化した際、経営者は会社だけでなく個人の自己破産も恐れます。そのため、ギリギリまで金融機関への相談をためらい、傷が深くなってから駆け込むケースが後を絶ちませんでした。
もっと早く相談してくれれば、打つ手はたくさんあったのに…と悔しい思いをしたことも一度や二度ではありません。
3. 事業承継の大きな壁
後継者が見つかっても、その方にまで「個人保証」という重すぎる十字架を背負わせることに躊躇し、事業承継を断念する。これは本当によくある話です。
私の趣味は温泉巡りで、地方の元気な中小企業を見るのが好きなのですが、後継者問題で素晴らしい技術が途絶えそうな話を耳にすると、本当に心が痛みます。
経営者保証からの解放は、あなた個人のためだけでなく、会社の未来、そして日本の経済全体にとっても重要な課題なのです。
【最重要】経営者保証なしを実現する5つの必須条件
では、具体的にどうすれば経営者保証なしで融資を受けられるのか。
金融機関がどこを見ているのか、そのポイントは明確です。
私がこれまでご支援してきた企業も、全てこの5つの条件をクリアすることで保証解除を勝ち取ってきました。



これからお話しする5つの条件は、単に「銀行を説得するためのテクニック」ではありません。
あなたの会社を、外部環境の変化に揺るがない「筋肉質で透明性の高い組織」に変えるための、本質的な経営改善の指針そのものです。
ぜひ、その視点で読み進めてください。
条件1:法人と個人の資産・経理の明確な分離
「これは会社の経費か、個人の支出か」
この区別が曖昧な状態は、金融機関から最も嫌われます。
なぜなら、会社の資金が経営者の個人的な目的で流出するリスクを懸念するからです。
これは、会社の金庫と社長個人の財布が一緒になっているようなもので、銀行員から見れば「公私混同」の典型例です。
【今日からできる具体策】
- 役員貸付金・仮払金の解消 → 社長への貸付金などは絶対にNGです。すぐに解消しましょう。
- プライベートな支出を経費にしない → 家族旅行や個人的な飲食費などを、安易に交際費などで処理していませんか?
- 通帳・カードの完全な分離 → 法人の口座と個人の口座、クレジットカードは明確に分け、相互の資金移動は厳格に管理します。
税理士の先生に定期的にチェックしてもらい、「第三者から見ても、法人の経理はクリーンです」と証明できる状態を目指してください。
条件2:健全な財務基盤と返済能力の証明
次に問われるのは、結局のところ「あなたの会社は、社長個人の力がなくても、事業の力だけで返済できるのですか?」というシンプルな問いです。
それを証明するのが、決算書に示される「財務基盤」です。
【銀行が見る重要指標】
- 十分な自己資本 → 債務超過(資産より負債が多い状態)は論外です。純資産がプラスであり、自己資本比率がある程度の水準にあることが望ましいです。
- 安定したキャッシュフロー → 利益が出ていても、手元の現金がなければ会社は倒産します(勘定合って銭足らず)。営業キャッシュフローが安定してプラスであることが重要です。
- 減価償却前経常利益が黒字 → 特に重要なのがこの指標です。最終利益が赤字でも、設備投資などの減価償却費を足し戻した利益が黒字であれば、「本業で稼ぐ力はある」と評価される可能性があります。2期連続の赤字でないことも、一つの目安になります。
条件3:信頼性と将来性を示す事業計画
過去の数字(決算書)が「会社の通信簿」だとしたら、未来を語る「事業計画書」は「未来への決意表明」です。
金融機関は、返済原資となる未来のキャッシュフローを何よりも重視します。
そのため、あなたの会社の将来性や成長性を、客観的なデータと熱意で示す必要があるのです。
【事業計画書 これだけは押さえたいポイント】
- 外部環境分析 → 市場規模、成長性、競合の動向などを客観的に示します。
- 自社の強み(差別化要因) → なぜ競合ではなく、自社が選ばれるのかを明確に語ります。
- 具体的なアクションプラン → 売上をどう伸ばし、コストをどう管理するのかを具体的に記述します。
- 数値計画 → 希望的観測ではなく、アクションプランと連動した、根拠のある売上・利益・資金繰りの計画を3~5年分作成します。



「この計画なら、確かに返済できそうだ」と担当者が納得できるレベルの計画書を用意しましょう。
条件4:金融機関との良好な関係と情報開示の透明性
あなたは、年に一度しか連絡をくれない人と、毎月のように近況を報告してくれる人、どちらを信頼しますか?
金融機関との関係も、これと全く同じです。
決算書を年に一度提出するだけで、「保証を外してほしい」と言っても、信頼関係は築けません。
【信頼を勝ち取る情報開示】
- 試算表の定期的提出 → 最低でも四半期ごと、できれば月次で試算表(月次の決算書)を提出し、業績を報告しましょう。
- 業績見通しの報告 → 計画に対して順調なのか、遅れているのか。遅れているなら、その理由と対策はどうするのか。包み隠さず報告することが重要です。
- ポジティブな情報も共有 → 大きな受注が取れた、新しい技術開発に成功した、といった良いニュースも積極的に伝えましょう。
平時からこのようなコミュニケーションを積み重ねることが、「この経営者は信頼できる」という評価に繋がるのです。
条件5:制度の理解と戦略的な活用
最後は、国が用意してくれた「武器」を正しく理解し、活用することです。
主に、以下の2つの制度は必ず押さえておきましょう。
制度名 | 管轄 | 特徴 | 注意点(デメリット) |
---|---|---|---|
経営者保証免除特例制度 | 日本政策金融公庫 | 一定の財務要件等を満たせば、経営者保証を免除。 | 金利が0.2%程度上乗せされる場合がある。 |
事業者選択型経営者保証非提供制度 | 信用保証協会 | 保証料を上乗せすることで、経営者が保証を提供しないことを選択できる。 | 財務状況に応じ、0.25%~0.45%程度の保証料が上乗せされる。 |
これらの制度を知っているかどうかで、交渉の選択肢が大きく変わります。
「保証料の上乗せ」といったデメリットも正直に伝えられているのは、それだけ制度利用が当たり前になってきた証拠です。個人のリスクをなくすコストと考えれば、決して高くないはずです。
実現までの完全ロードマップ|3ステップで保証なし融資を勝ち取る
5つの条件を理解したら、次はいよいよ行動です。
以下の3ステップで、着実に保証なし融資を実現しましょう。
Step1:準備フェーズ「現状把握と徹底的な社内整備」
まずは「敵を知り、己を知る」です。
いきなり銀行に乗り込むのではなく、自社の立ち位置を正確に把握することから始めます。
1. 財務諸表の健康診断
直近2期分の決算書と、先ほど解説した「5つの条件」を照らし合わせ、「できていること」「できていないこと」を正直にリストアップします。
2. 課題の特定
「役員貸付金が残っている」「事業計画が古いまま」など、できていない項目を具体的に特定します。
3. 改善アクションプランの作成
特定した課題に対し、「いつまでに」「誰が」「何をするか」を明確にした計画表を作成します。例えば、「来月末までに役員貸付金を全額返済する」「3週間かけて事業計画書をブラッシュアップする」といった具体的なアクションです。
この準備フェーズが、交渉の成否の8割を決めると言っても過言ではありません。
Step2:交渉フェーズ「金融機関への戦略的アプローチ」
社内整備が完了し、5つの条件を満たす準備が整ったら、いよいよ交渉のテーブルに着きます。
私がコンサルティングする際、最も重視するポイントです。
どの金融機関に、どのタイミングで、どの資料を持っていくか。戦略的に進める必要があります。
1. 相談先の選定
まずは、日頃から付き合いのあるメインバンクに相談するのが基本です。同時に、無担保・無保証融資に積極的な日本政策金融公庫にもアプローチし、選択肢を複数持つことが重要です。
2. 資料の準備
最新の決算書(2期分)、試算表、そしてStep1でブラッシュアップした事業計画書は必須です。
3. 明確な意思表示
面談の場では、こう切り出してください。
「国が推進している経営者保証ガイドラインの要件を満たすべく、社内体制を整備してきました。つきましては、経営者保証なしでの新規融資(または借り換え)をご検討いただけないでしょうか」
と。この一言が、担当者のスイッチを「通常モード」から「検討モード」に切り替えるのです。
Step3:実行フェーズ「審査から融資実行、そして未来へ」
交渉が始まると、金融機関との面談が設定されます。
ここで質問されやすいポイントを知っておけば、落ち着いて対応できます。
【よくある質問と回答のポイント】
- 「なぜ、今このタイミングで保証を外したいのですか?」
→「事業承継を円滑に進めるためです」「思い切った設備投資に踏み出すため、会社の成長に集中したいからです」など、前向きな理由を語りましょう。 - 「この事業計画の売上目標、本当に達成できますか?」
→「はい。その根拠は〇〇です。例えば、新規顧客であるA社からの受注が確定しており…」と、具体的な事実ベースで答えてください。社長ご自身の言葉で、事業の未来を熱く語ることが何より大切です。
無事に融資が実行されても、そこで終わりではありません。
その後も定期的な業績報告を継続し、金融機関との良好な関係を維持していくこと。それが、次の融資やさらなる条件改善に繋がる、未来への投資となるのです。
よくある質問(FAQ)
Q: スタートアップや創業期でも経営者保証なしは可能ですか?
A: はい、むしろ創業期こそチャンスがあります。国はスタートアップの創出を強力に後押ししており、「スタートアップ創出促進保証」といった、創業期に特化した保証なしの制度が用意されています。
ただし、自己資金を一定額用意していることや、専門家が納得するレベルのしっかりとした創業計画書が不可欠です。あなたの情熱と計画が試されます。
Q: 赤字決算だと絶対に無理ですか?
A: 一概に無理とは言えません。もちろん黒字が望ましいですが、例えば「先行投資による一時的な赤字」など、その理由と今後の改善策を事業計画で合理的に説明できれば可能性は十分にあります。
特に、私が先ほどお話しした「減価償却前経常利益」が黒字であるかどうかは、担当者も必ず見る重要なポイントになります。
Q: どの金融機関に相談するのが一番良いですか?
A: まずは、あなたの会社のことを一番よく理解してくれているメインバンクに相談するのが基本線です。その上で、無担保・無保証融資の実績が豊富な日本政策金融公庫にも必ず相談しましょう。
両方を天秤にかけることで、より良い条件を引き出せる可能性が高まります。複数の選択肢を持つことが、交渉を有利に進める鉄則です。
Q: 既存の借入の経営者保証を外すことはできますか?
A: 可能です。実際に私がご支援した多くの企業が、既存の保証を外すことに成功しています。業績が改善し、今回解説した5つの条件を満たせるようになったタイミングで、金融機関に「保証なしでの借り換え」や「条件変更」を申し入れてみてください。自信を持って交渉に臨むことが大切です。
Q: 保証を外すと金利が高くなるなどのデメリットはありますか?
A: はい、その可能性はあります。金融機関にとってはリスクが高まるため、金利が0.2%~0.5%程度上乗せされたり、信用保証協会を利用する場合は追加の保証料が必要になることがあります。
しかし、考えてみてください。経営者であるあなたが万が一の際に負う無限の個人リスクと、わずかなコスト。どちらが会社の未来にとって健全でしょうか。この比較衡量こそが、経営判断だと思います。
まとめ
経営者保証からの解放は、単に社長個人のリスクをなくす、という後ろ向きな話ではありません。
それは、会社を次のステージへ成長させるための、極めて重要な経営判断です。
本記事で解説した「5つの条件」は、金融機関の審査を通過するためだけの小手先のテクニックではありません。
あなたの会社を、外部環境の変化にも揺るがない、筋肉質で透明性の高い組織へと変革するための本質的な指針です。
そして「ロードマップ」は、そのための具体的な道筋を示したものです。



銀行員として多くの経営者の成功と挫折を見てきた私だからこそ、断言できます。
経営者保証という重荷を下ろし、思い切った事業展開や未来への投資に踏み出すことは、今や特別なことではないのです。
この記事を片手に、まずは自社の「健康診断」から始めてみてください。
そして、ロードマップに沿って、一歩ずつ前に進んでみてください。
もし、一人で進めるのが不安だったり、金融機関との交渉に自信がなかったりするなら、いつでも私のような専門家を頼ってください。
あなたの挑戦を、心から応援しています。


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