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ファクタリングとは?メリット・デメリットと選ぶべき企業の特徴

中小企業の経営者として、日々頭を悩ませる「資金繰り」。
売上はしっかり立っているのに、入金は1ヶ月先…。
その間の仕入れ資金や人件費の支払いに不安を感じたことはありませんか?

私自身、みずほ銀行で法人融資を担当していた頃、資金繰りに悩む中小企業オーナーの表情を数多く見てきました。
そして現在は、フリーの資金繰りコンサルタントとして、さまざまな現場のリアルな悩みに寄り添ってきました。

資金調達といえば銀行融資が王道ですが、実は「借りない資金調達」の選択肢として、注目を集めているのがファクタリングです。
これは、保有している売掛債権(請求書)を早期に現金化する仕組みで、資金繰りの改善に即効性があります。

とはいえ、「聞いたことはあるけど、よく分からない」「手数料が高いのでは?」「悪質な業者に引っかかりそうで不安…」といった声も少なくありません。実際、私のところにもそうしたご相談が増えています。

佐々木 真帆

この記事では、元銀行員であり、現在は中小企業の資金繰り支援を専門とする私、佐々木真帆が、ファクタリングの仕組みからメリット・デメリット、注意点、そしてどのような企業に向いているのかまで、現場経験に基づいた具体的な知見をお伝えします。

🔍 この記事を読むとわかること

  • ファクタリングの基本と仕組み
  • 銀行融資との違いと比較
  • メリット・デメリットの全体像
  • 優良業者の見極め方と契約の注意点
  • 自社がファクタリングに適しているかどうかの判断方法

ファクタリングは「最後の手段」ではありません。正しく選べば、攻めの資金戦略にもなる武器です。
この一記事が、あなたの資金繰りの選択肢を広げ、事業を健全に加速させるヒントになれば幸いです。

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【売掛金を即現金化】ファクタリングで資金調達の選択肢を広げる

目次

ファクタリングとは?基本の「き」を専門家が徹底解説

ファクタリングの仕組みとは?図解でスッキリ理解!

ファクタリングとは、一言で言えば「売掛金(請求書)をファクタリング会社に買い取ってもらい、期日前に現金化するサービス」です。

例えば、あなたの会社が得意先に「100万円の請求書」を発行したとします。通常なら入金まで30〜60日待たなければなりません。
でも、仕入れや給料の支払いは待ってくれない――そこで役立つのがファクタリングです。

💡 例えるなら…
ファクタリングは、企業版の「質屋」や「商品券の買取」のようなもの。まだ手元に現金はないけれど、「もうすぐもらえるお金の引換券(=売掛債権)」を、先に現金化する方法です。

📊 ファクタリングの基本イメージ図

【あなたの会社】 →(商品・サービス提供)→ 【売掛先企業】
 ↓                ↑
(請求書発行)        (代金支払い:通常は後日)

     ↓ ファクタリング会社へ請求書を売却(買取依頼)
     ↓
【ファクタリング会社】 → あなたの会社に先払い(手数料控除後)

こうして、「売掛先からの入金を待たずに資金を得る」ことができるのがファクタリングです。
借入ではないため、負債にならず、信用情報にも影響を与えにくいという点が中小企業にとって大きな魅力です。

銀行融資とファクタリングの決定的な違いとは?

多くの経営者の方が、「資金調達=銀行融資」と考えがちですが、ファクタリングとは本質的に“別物”です。

比較項目銀行融資ファクタリング
資金の性質借入金(負債)売掛債権の売却(資産処分)
審査対象借り手の信用力・業績売掛先の信用力
担保・保証人必要な場合が多い原則不要
入金までのスピード数日〜数週間即日〜数日以内
信用情報への影響登録される原則なし(登記すれば間接的に判明の可能性)
会計処理上の影響負債が増加資産の売却で帳簿から除外

私自身、銀行時代に「売上も黒字もあるのに、担保や保証人がなくて融資が難しい」企業をたくさん見てきました。
そうしたケースでも、売掛先の信用力が高ければファクタリングは十分に利用可能です。

特にスタートアップや設立間もない会社など、“事業は伸びているが借りづらい”段階の企業には、ファクタリングが現実的な選択肢となります。

ファクタリングに関わる登場人物と資金の流れ

ファクタリングの仕組みを正しく理解するためには、まず「登場人物」と「資金の流れ」を押さえておくことが大切です。

主な登場人物は3者

  • あなたの会社(ファクタリング利用者)
  • 売掛先企業(取引先)
  • ファクタリング会社(債権を買い取る業者)

これらの関係性によって、ファクタリングは大きく「2社間」と「3社間」に分類されます。

📌 2社間ファクタリング(売掛先に知られずに資金化)

あなたの会社 ⇄ ファクタリング会社
(売掛債権を売却・現金化)

売掛先には通知されない/承諾も不要

📌 3社間ファクタリング(売掛先が承諾)

あなたの会社 ⇄ ファクタリング会社 ⇄ 売掛先
(売掛先が債権譲渡を承諾し、直接ファクタリング会社へ支払う)

透明性が高く手数料は抑えめ

それぞれにメリット・デメリットがあるため、次のセクションでは「種類別にメリット・デメリットを徹底比較」していきます。

【種類別】ファクタリングのメリット・デメリット完全比較

ファクタリングにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や適した使い方があります。
ここでは代表的なタイプである「2社間」「3社間」、そして契約形態である「ノンリコース」「ウィズリコース」などについて、具体的に見ていきましょう。

2社間ファクタリング:迅速だが手数料は高め?取引先に知られない魅力

2社間ファクタリングは、利用企業とファクタリング会社の“2者間のみ”で契約・資金移動が完結する方式です。
売掛先(取引先)に債権譲渡の事実を通知しないため、資金調達していることを知られたくない場合に最適です。

メリット

  • 売掛先に知られずに資金化できる
  • 手続きが簡便(売掛先の承諾が不要)
  • 最短で即日入金も可能なスピード感
  • オンライン完結型のサービスが多い

⚠️ デメリット

  • 手数料が高い傾向(10〜20%が相場)
  • 売掛債権の信頼性次第で審査が厳しめ
  • 債権譲渡登記を要求される場合がある(登記簿で取引先に知られる可能性も)
佐々木 真帆

私のクライアントにも、「急な資金繰り」で2社間ファクタリングを利用されたケースがありました。
たとえば、月末に税金の納付期限が迫っている中で、入金が翌月15日というズレが発生していた中小製造業さん。

このように、「すぐ現金が必要だけど、借り入れも取引先の信用もキープしたい」場合にマッチする手法です。

3社間ファクタリング:手数料は抑えられるが時間はかかる?売掛先の協力が鍵

3社間ファクタリングは、売掛先企業も交えた「利用者+売掛先+ファクタリング会社」の三者契約形式です。

売掛先が債権譲渡に同意し、将来的な入金をファクタリング会社に直接行う形になるため、ファクタリング会社のリスクは小さく、その分手数料が抑えられるのが大きな魅力です。

メリット

  • 手数料が低水準(1〜10%程度
  • リスクが低いため、審査に通りやすい傾向
  • 売掛債権の信頼性が高く見なされる

⚠️ デメリット

  • 売掛先の同意・協力が必要
  • 入金までに数日〜1週間程度要する場合がある
  • 取引先に資金繰り状況を知られるリスク
佐々木 真帆

特に、公共事業や大手企業を相手にしている企業は、売掛先が信用力の高いケースが多く、3社間ファクタリングに適しています。

実際、以前ご相談を受けた建設業のお客様は、大手ゼネコンとの取引債権を使い、極めて低コストでファクタリングを活用できていました。

ノンリコース契約とウィズリコース契約の違い(償還請求権の有無は最重要!)

ここでぜひ知っていただきたいのが、「ノンリコース契約」か「ウィズリコース契約」かという点です。
これはファクタリングにおける最重要ポイントと言っても過言ではありません。

契約形態売掛先が倒産した場合法的性質リスク負担者
ノンリコース利用者に請求されない売買取引ファクタリング会社
ウィズリコース利用者が返金義務を負う実質融資に近い利用者

📌 原則として、ノンリコース契約を選ぶことを強くおすすめします。
なぜなら、売掛先が倒産した場合に支払い義務を負ってしまうウィズリコースでは、せっかくの「売却」が、結局“借金”と同じ意味を持ってしまうからです。

契約書の中に「償還請求権あり」といった文言が隠れていないか、細部までしっかり確認することが極めて重要です。

私も過去に「ウィズリコースと気づかず契約してしまった…」という経営者のご相談を受けたことがありました。契約の中身が命取りになりかねないので、慎重に進めましょう。

【補足】買取ファクタリングと保証ファクタリングの違い

ファクタリングという言葉の中には、実は「買取型」と「保証型」の2種類が含まれています。
本記事で主に取り上げているのは「買取ファクタリング」ですが、「保証ファクタリング」との違いも押さえておきましょう。

種類主な目的タイミング特徴
買取ファクタリング資金化(キャッシュ確保)売掛発生後に現金化債権を売却して即資金を得る
保証ファクタリングリスクヘッジ(貸倒防止)取引前に保証契約売掛先が倒産しても保険のように補償される

💡 違いを一言で言えば…
「資金繰りが目的なら買取型」、「売掛金の保全が目的なら保証型」です。

保証ファクタリングは、主に大企業や商社がリスクヘッジ目的で利用するケースが多く、中小企業の資金繰り改善には即効性がない点に注意が必要です。
したがって、この記事では今後も「買取ファクタリング」にフォーカスして解説を続けていきます。

あなたの会社は大丈夫?ファクタリングを利用すべき企業の特徴

ここまでで、ファクタリングの仕組みや種類を理解していただけたと思います。
次に重要なのは、「どんな企業がファクタリングを活用すべきか」という点です。

こんなお悩みありませんか?ファクタリングが有効なケーススタディ

ファクタリングが真価を発揮するのは、次のような「資金繰りのギャップに直面している」ケースです。

よくある相談事例(佐々木の実体験より)

  • 大口受注が舞い込んだが、仕入れ資金が足りない
  • 銀行に融資を申し込んだが、決算内容を理由に断られた
  • 黒字決算だが、支払いサイトの長さで資金が枯渇寸前
  • 役所や公共案件で請求書発行済だが、入金が数ヶ月先
  • 税金や社会保険料の納付が迫っているが、現金が足りない

こうした状況では、ファクタリングが資金の“橋渡し”となります。

ある建設業のクライアントは、「官公庁からの入金が3ヶ月後」という状況で、労務費や材料費の支払いに悩まされていました。
そこで請求書を使って約300万円を即日現金化し、納期を守ることで信頼を損なわずに済みました。

【状況別】最適なファクタリング手法の選び方ガイド

ファクタリングを利用すべきかどうか、そしてどの手法を選ぶべきかは、自社の資金ニーズと状況によって異なります。
ここでは判断基準を簡単なチェックリスト形式でまとめました。

ファクタリング手法判断チェックリスト

  1. 資金が今すぐ必要か?
    ┗ YES → 2社間ファクタリング
  2. 売掛先に知られたくないか?
    ┗ YES → 2社間/NO → 3社間も可
  3. 売掛先は信用力が高いか?(上場、大手など)
    ┗ YES → 3社間+ノンリコースがおすすめ
  4. 手数料をなるべく抑えたいか?
    ┗ YES → 3社間 or ノンリコース重視
  5. 倒産リスクのある売掛先を使うか?
    ┗ YES → 保証ファクタリング他手段の検討を

💡 フローチャートや診断ツールを活用することで、迷ったときの判断材料になります。
私のクライアントにもエクセルの判断シートを提供しており、自己診断に役立っています。

【要注意】ファクタリングが不向きなケースとは?

便利な資金調達手段とはいえ、ファクタリングは万能薬ではありません。
以下のようなケースでは、利用を慎重に検討すべきです。

⚠️ ファクタリングが不向きなケース

  • 利益率が低く、高い手数料が致命的になりうる
  • 売掛債権の回収見込みが不透明(設立間もない取引先など)
  • 慢性的な赤字体質で、資金繰りの根本改善が必要
  • 売掛先との契約書や請求書の整備が甘い(審査で落ちやすい)
  • すでに他社に債権を譲渡している(二重譲渡)

特に最後の「二重譲渡」は法的トラブルにも発展しかねない重大事項です。
このようなケースでは、まず事業計画やコスト構造の見直しが先決です。ファクタリングは、あくまで「資金繰りの一時的な解決策」であることを忘れてはいけません。

【元銀行員が伝授】失敗しないファクタリング会社の選び方と契約の注意点

ファクタリングをうまく活用できるかどうかは、「どの会社と契約するか」で大きく変わります。
実際、私のところにも「悪質な業者に引っかかってしまった」「契約書の内容が不明瞭だった」といった相談が後を絶ちません。

ここでは、元銀行員として、そして現在は独立コンサルタントとして契約現場を熟知している立場から、絶対に見逃してはいけないポイントをお伝えします。

優良なファクタリング会社を見抜く7つのチェックポイント

優良な業者かどうかを見極めるには、以下の7点に注目してください。
表面上の「サイトがきれい」「即日対応」といった謳い文句だけで判断してはいけません。

信頼できるファクタリング会社を見極めるポイント

  1. 手数料率の明確さ(相場に照らして妥当か?)
  2. 契約実績や企業情報の開示があるか(社名・住所・責任者の記載)
  3. 審査や契約の透明性(メールや書面で説明があるか)
  4. 償還請求権(リコース)の有無が明記されているか
  5. 契約書の交付を拒否しないか(これは最低限の信用)
  6. スタッフの対応が丁寧であるか(急かされないか)
  7. 資金の入金スピードが妥当か(即日入金に固執しない)
佐々木 真帆

特に注意すべきは「償還請求権の有無(ノンリコースかどうか)」と「契約書の内容」です。
契約前に不安があれば、専門家に事前相談することも検討してください。

危険なサインを見逃すな!悪徳業者の手口と回避策

一見便利そうに見えても、実は違法性のあるファクタリング業者も存在します。
以下のような「危ない兆候」が見られたら、すぐに利用を中止すべきです。

⚠️ 悪徳業者の典型的な特徴

  • 年利換算で100%超の高額手数料(短期なので気づきにくい)
  • 契約書を渡さない、あるいは内容を曖昧にする
  • 強引な電話勧誘や「今すぐ契約しないと資金ショートしますよ」といった不安を煽るトーク
  • 給与ファクタリング(違法行為)との混同をする
  • 法人格のない個人事業主に対し、譲渡登記を省略させる代わりに高利を要求

こうした業者は、資金が早く必要な経営者の「焦り」に付け込んできます。
もしもトラブルに巻き込まれた場合は、日本貸金業協会、弁護士、金融庁の相談窓口などに早めに相談してください。

契約書で絶対に確認すべき重要項目

ファクタリングの契約書は、他の金融取引以上に慎重な確認が必要です。
以下に挙げるポイントは、すべてチェックすべき「契約上の肝」です。

契約書で必ず確認すべき項目

  • 手数料の内訳と総額(%だけでなく実額も)
  • 入金日(いつ、どの口座に入るのか)
  • 償還請求権の有無(ノンリコースであるか)
  • 債権譲渡登記の必要性とその費用負担者
  • 遅延損害金(万一の場合の追加請求条件)
  • 契約の解除条件(途中キャンセル時のペナルティなど)
  • 秘密保持義務(取引先や第三者に情報が漏れないか)

📝 補足:契約書のひな形で見るべきポイント
契約書の冒頭や末尾には、「償還請求権の有無」や「損害賠償規定」などが小さく書かれていることが多いです。
特に、附則や特約条項は見落としがちな“落とし穴”ですので、赤線でマークするつもりでチェックしましょう。

ファクタリング利用の全ステップとスムーズに進めるコツ

「ファクタリングって、どうやって申し込むの?」
多くの経営者が疑問に思うのがこの点です。

ここでは、実際にファクタリングを利用する際の流れを5つのステップに分けてご説明します。
また、各ステップでスムーズに進めるための実践的なコツもあわせて紹介します。

申込から入金まで!ファクタリング利用の流れを5ステップで解説

ファクタリング利用の流れ(2社間の場合)

  1. 相談・問い合わせ(当日〜1日目)
    ┗ 電話・メール・ウェブフォームなどで事前相談を行い、簡単なヒアリングを受ける
  2. 必要書類の提出&審査(1日〜2日目)
    ┗ 必要な請求書や契約書、通帳コピーなどを提出し、売掛先や債権の確認が行われる
  3. 条件提示&契約締結(即日〜3日目)
    ┗ 買取額や手数料の提示を受け、内容に納得すれば電子契約や郵送契約を行う
  4. 債権譲渡登記の手続き(必要に応じて)
    ┗ 登記を行うことで債権の優先権を確保。費用と時間がかかるため事前確認が必要
  5. 入金(契約完了から即日〜2営業日)
    ┗ 通常、契約後24時間以内に指定口座へ送金される

💡 佐々木のコツ:契約前にスケジュール表をもらっておく
「書類を揃えたのに連絡が来ない」「思ったより入金が遅い」などのトラブルを防ぐため、初回相談時にスケジュール感の確認を忘れずに。

審査で重視されるポイントと準備すべき必要書類リスト

ファクタリングの審査は、銀行融資のような「赤字・黒字」だけを見られるわけではありません。
もっとも重要視されるのは、売掛先(取引先)の信用力と債権の実在性です。

審査で重視される主なポイント

  • 売掛先が信頼できる企業か(上場企業・大手企業・公共団体など)
  • 売掛債権が明確かつ請求済か(作業完了、納品済など)
  • 二重譲渡のリスクがないか(他社に既に売却していないか)
  • 利用企業の信用状況(税金滞納・反社会的勢力の関与がないか)

📝 準備すべき書類リスト(一般的な2社間の場合)

  • 売掛先との取引契約書
  • 発行済の請求書または納品書
  • 売掛先への過去の入金実績がわかる通帳コピー
  • 自社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 代表者の本人確認書類(免許証など)
  • 決算書(直近1〜2期分)

💡 コツ:書類はスキャン&PDF化してまとめておくと時短に!
オンライン対応の会社では、事前にデータ化された書類が揃っているだけで対応スピードが数倍変わることもあります。

【専門家アドバイス】より有利な条件を引き出すための交渉術

手数料を少しでも抑えたい――これはすべての経営者の本音です。
とはいえ、ただ「安くしてくれ」と頼むだけでは効果はありません。“交渉の武器”を持つことが重要です。

より良い条件を引き出すための実践術

  • 複数のファクタリング会社に見積もりを依頼する(相見積もり)
  • 売掛先の企業信用調査書(帝国データバンクなど)を添付する
  • 自社の納税証明書や直近の入金実績を提示する
  • 「今回限りではなく、継続的に利用する可能性がある」ことを伝える
  • 「紹介制度」や「早期決済割引」があるか事前に確認する
佐々木 真帆

「価格交渉は、“情報量”がモノを言う」
つまり、“自社の透明性・売掛先の信頼性・利用意欲”の3つを丁寧に提示することで、ファクタリング会社側も条件を柔軟にしてくれることがあります。

ファクタリングが経営に与える影響と会計処理

ファクタリングは、目先の資金繰りだけでなく、経営全体の財務体質や取引先との関係、会計処理にも影響を及ぼします。
正しく理解しておかないと、思わぬところで信用低下や税務上の誤解を招く可能性もあります。

ファクタリング利用は銀行評価や信用情報にどう影響する?

まず、多くの経営者が気にするのが「銀行にバレたら印象が悪くなるのでは?」という点です。
結論から言うと、ファクタリング自体が違法でもネガティブでもありません
しかし、利用の仕方によっては金融機関からの見え方に影響が出る場合があります。

銀行や取引先の評価に与える可能性があるポイント

  • ファクタリングの頻度が極端に多い場合(=資金繰り難のサインと見られる)
  • 手数料負担が過大で利益を圧迫している
  • 債権譲渡登記を行った場合、登記簿から間接的に判明する可能性あり(特に3社間では顕著)

銀行は「短期的なファクタリングの活用」に対しては一定の理解を示すことが多いですが、慢性的に依存している様子が見えると、融資判断に影響を与えることがあります。

💡 佐々木の視点:銀行目線を知ることがカギ
銀行では「ファクタリング=経営難の兆候」と機械的に判断することはありません。
むしろ、「資金繰り計画に織り込まれていて、手数料負担が妥当である」ことが説明できれば、プラス評価に変えることも可能です。

【簡単解説】ファクタリング利用時の会計処理と仕訳例

ファクタリングは資金調達であると同時に、財務諸表の数字にも直結する会計処理が必要です。

会計上の基本処理(買取型・ノンリコースの場合)

  • 売掛金の消滅(資産の減少)
  • 手数料の費用計上(「売上債権売却損」や「支払手数料」など)
  • 現金の増加(ファクタリング代金の入金)

💡 仕訳例(100万円の請求書を90万円でファクタリングした場合)

借方:現金    900,000円  
借方:売上債権売却損 100,000円  
貸方:売掛金   1,000,000円

📌 補足ポイント

  • 消費税は非課税取引(債権譲渡に消費税はかかりません)
  • ノンリコースでない場合、場合によっては「借入金」として処理する必要が出るケースも(※IFRSを採用している企業など)

このあたりは、会社の会計方針や顧問税理士の判断によって異なるため、事前に会計処理の方針を確認しておくことが重要です。

よくある質問(FAQ)

最後に、これまで私が資金繰りコンサルタントとして実際に受けてきた質問の中から、特に多かった5つの疑問にお答えします。

Q1: ファクタリングは違法ではないですか?法的な位置づけは?

A: ファクタリング自体は、民法上の「債権譲渡契約」に基づいた合法的な金融取引です。
ただし、償還請求権付き(ウィズリコース)で、実質的に高金利貸付をしている業者は、貸金業法に抵触する可能性があり注意が必要です。

💡 ノンリコースの買取型ファクタリングであれば、原則として合法です。

Q2: ファクタリングを利用すると取引先に知られてしまいますか?

A: 基本的に2社間ファクタリングであれば通知は不要です。
ただし、「債権譲渡登記」を行った場合、その登記情報は第三者が閲覧可能なため、間接的に知られる可能性はゼロではありません。

一方、3社間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要となるため、確実に知られることになります。

Q3: 手数料の相場はどれくらいですか?安く抑える方法はありますか?

A: 2025年現在の相場は以下の通りです。

  • 2社間:10〜20%程度
  • 3社間:1〜10%程度

安く抑えるには、

  • 複数社に相見積もりを依頼する
  • 信用力の高い売掛債権を選ぶ
  • 可能であれば3社間ファクタリングを選ぶ
    といった方法があります。

Q4: 個人事業主やフリーランスでもファクタリングは利用できますか?

A: はい、近年は個人向けファクタリングも増加しています。
ただし法人に比べて、

  • 審査が厳しい
  • 登記手続きが煩雑
  • 利用可能な業者が限定される
    といった制約もあります。

🔍 個人での利用を考える場合は、「給与ファクタリング」を装う違法業者に特に注意しましょう。

Q5: ファクタリングの審査に落ちる主な理由は何ですか?

A: 主な原因は以下の通りです。

  • 売掛先の信用力が低い
  • 債権内容に不備がある(請求書の整合性など)
  • 二重譲渡の疑いがある
  • 提出書類が不十分 or 不正確
  • ファクタリング会社のリスク許容度を超えている

赤字決算や税金滞納だけが理由で断られることは少なく、「債権の健全性」がもっとも重視されます。

まとめ

ファクタリングは、中小企業にとって非常に有効な資金繰り手段の一つです。
特に、銀行融資が難しい場面や、急な資金ニーズにスピーディに対応したいときには強力な味方になります。

ただし、万能の解決策ではありません。
種類ごとのメリット・デメリットを理解し、自社の状況に合わせた活用が求められます。
さらに、悪質な業者との契約を避けるためにも、契約書の細部まで丁寧に確認する姿勢が必要です。

💬 佐々木 真帆からのメッセージ

佐々木 真帆

資金繰りに悩むのは、決して「経営が悪い」からではありません。
どんな成長企業でも、売掛金と支払いのタイミングにズレが生じることは日常茶飯事。
正しい知識と冷静な判断があれば、ファクタリングはあなたの事業を前に進める強い武器になります。

資金繰りの悩みは、一人で抱え込まず、信頼できる専門家と一緒に解決策を考えていきましょう。
この情報が、あなたの経営判断の一助となれば幸いです。

💰 企業の資金繰り改善を最短ルートで実現

┗ 最短3時間での資金調達が可能
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【売掛金を即現金化】ファクタリングで資金調達の選択肢を広げる

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この記事を書いた人

佐々木真帆は、資金繰りコンサルタントとして活躍する金融のプロフェッショナルである。大手銀行での融資審査経験から独立コンサルタントとしての現在まで、一貫して「企業の生命線である資金繰り」に焦点を当て、その知見を惜しみなく共有している。

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