ファクタリングと手形割引は、どちらも売掛債権を現金化できる手法ですが、両者には多くの違いがあります。
今回はファクタリングと手形割引の7つの違いについて分かりやすく解説します。
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
売掛債権の種類 | 売掛金 | 受取手形 |
償還請求権の有無 | 原則なし | 原則あり |
かかる手数料(割引率) | 5〜18% | 1〜20% |
取引先への通知 | 2社間ファクタリング:なし 3社間ファクタリング:あり | なし |
審査で重視されるポイント | 取引先の信用力 | 利用者の信用力 |
現金化までのスピード | 即日〜2日 | 即日〜1週間 |
貸金業法適用の有無 | 貸金業法の適用範囲外 | 貸金業法が適用される |
※約束手形は2026年度末までに廃止されます。それに伴い、手形割引も利用ができなくなります。
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ファクタリングとは?
ファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に売却して、資金調達をする手法です。
5〜18%の手数料がかかりますが、売掛金の入金日より早く資金調達ができます。
また万が一売掛金を回収できなかった場合の負担を、ファクタリング会社側に負ってもらうことができます。
金融機関を介さない取引なので、審査通過率が高い点が特徴です。
手形割引とは?
手形割引とは、支払い期日前の約束手形を銀行や手形割引専門業者に売却して、資金調達をする手法です。
2026年度末までに約束手形が廃止されることが決まっており、その後は利用できなくなる手法です。
約束手形廃止後は、紙の手形の代わりに電子データで管理を行う「でんさい」へと置き換わります。でんさいについては、記事終盤にて解説しています。
ファクタリングと手形割引の違い
ファクタリングと手形割引の違いは以下のとおりです。
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
売掛債権の種類 | 売掛金 | 受取手形 |
償還請求権の有無 | 原則なし | 原則あり |
かかる手数料(割引率) | 5〜18% | 1〜20% |
取引先への通知 | 2社間ファクタリング:なし 3社間ファクタリング:あり | なし |
審査で重視されるポイント | 取引先の信用力 | 利用者の信用力 |
現金化までのスピード | 即日〜2日 | 即日〜1週間 |
貸金業法適用の有無 | 貸金業法の適用範囲外 | 貸金業法が適用される |
それぞれ詳しく解説します。
売掛債権の種類
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
売掛債権の種類 | 売掛金 | 受取手形 |
ファクタリングと手形割引では、対象となる売掛債権の種類が異なります。
まずファクタリングは、売掛金を現金化する手法です。手形割引は、受取手形を現金化する手法です。
一般的には請求書が、売掛金の存在を証明する書類となります。しかし売掛金が存在していても、取引先が期日通りに支払いを行う保証はありません。
一方受取手形の発行には、銀行の審査が必要です。受取手形の支払いができずに不渡りを2回出すと、銀行取引が停止されます。
そのため手形割引の方が、取引先にとって支払いに対するプレッシャーが大きく、未回収リスクの低い手法であると言えます。
償還請求権の有無
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
償還請求権の有無 | 原則なし | 原則あり |
償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)とは、相手に対して返済を請求できる権利のことです。
ファクタリングは「償還請求権なし」、手形割引は「償還請求権あり」の取引が原則となっています。
例えばファクタリングは「償還請求権なし」なので、取引先が売掛金を支払わなくても、利用者がその費用を返済する必要はありません。
ファクタリング会社が、売掛金の回収リスクを全面的に負担します。
一方手形割引では、取引先が手形を不渡りにした場合、利用者がその費用を銀行などに返済しなければなりません。
関連記事:ファクタリングの償還請求権とは?をわかりやすく解説!「あり」と「なし」では大違い
かかる手数料(割引率)
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
かかる手数料(割引率) | 5〜18% | 1〜20% |
ファクタリングと手形割引では、かかる手数料(割引率)が異なります。
まずファクタリングの手数料相場は、5〜18%です。
取引先への通知なしで資金調達ができる2社間ファクタリングの手数料相場が8〜18%、取引先への通知を必要とする3社間ファクタリングの手数料相場が5〜10%となっています。
続いて手形割引の手形割引率相場は1〜20%です。
都市銀行や大手地方銀行における手形割引率の相場が1〜3%、信用金庫の場合が2〜5%、手形割引専門業者の場合が5〜20%となっています。
関連記事:ファクタリング手数料の相場は5〜18%!?手数料を賢く抑える方法
関連記事:ファクタリングの2社間と3社間の仕組みと6つの違いを図解で解説!
取引先への通知
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
取引先への通知 | 2社間ファクタリング:なし 3社間ファクタリング:あり | なし |
まずファクタリングにおける取引先への通知の有無は、取引形態によって異なります。
2社間ファクタリングでは、取引先への通知は行われません。一方3社間ファクタリングでは、取引先への通知が行われます。
2社間ファクタリングでは取引先への通知が行われない分、利用者による二重譲渡のリスクが高まります。
リスク軽減を目的に「債権譲渡登記」が必要になるケースも珍しくありません。

手形割引の場合、取引先への通知はありません。
取引先に資金繰りが苦しいと悟られて信用を失う恐れがある場合には、通知がいかない2社間ファクタリングか手形割引がおすすめです。
関連記事:ファクタリングの債権譲渡登記とは?「なし」と「あり」では大違い
関連記事:ファクタリングで二重譲渡がバレる場合とバレない場合、該当する刑事罰の種類
審査で重視されるポイント
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
審査で重視されるポイント | 取引先の信用力 | 利用者の信用力 |
ファクタリングと手形割引では、審査時に重要視されるポイントが異なります。
ファクタリングでは、主に取引先の信用力が審査対象となります。なぜなら売掛金の支払いを行うのは取引先だからです。
ファクタリングでは「償還請求権なし」の取引が一般的です。そのため万が一取引先が売掛金を支払わなかった場合、その損失はファクタリング会社が負うこととなります。
一方手形割引は「償還請求権あり」の取引が一般的です。万が一取引先が不渡りを出した場合、支払い責任を負うのは利用者です。
そのため手形割引では、取引先よりも利用者の信用力が重視されます。
関連記事:ファクタリングの必要書類は基本9つだが、少ない書類で利用できる会社の見つけ方を紹介
現金化までのスピード
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
現金化までのスピード | 即日〜2日 | 即日〜1週間 |
ファクタリングと手形割引では、売掛債権の現金化までのスピードに違いがあります。
まずファクタリングでは、即日〜2日間ほどで現金化が可能です。
そして3社間ファクタリングよりも2社間ファクタリングの方が、現金化までのスピードは早くなっています。2社間ファクタリングでは取引先との調整が不要だからです。
2社間ファクタリングでは、即日どころか申し込みから3時間で現金化できるケースもあります。
手形割引では銀行で審査を行う分、ファクタリングよりも現金化までに時間がかかります。
手形割引専門業者の場合は、即日現金化も可能です。しかしその分、銀行と比べると手数料は高くなります。
関連記事:即日ファクタリングで【失敗しない5つのコツ】と最新25選も紹介
貸金業法適用の有無
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
貸金業法適用の有無 | 貸金業法の適用範囲外 | 貸金業法が適用される |
ファクタリングと手形割引では、貸金業法の適用が異なります。
まずファクタリングは、売掛債権の売買契約です。融資ではないため、貸金業法の適用を受けません。
そのためファクタリング会社は、貸金業登録が不要です。
一方手形割引は、実質的な融資とみなされます。そのため貸金業法の適用を受けます。銀行や手形割引専門業者は、貸金業登録が必要です。
貸金業法が適用される手形割引では、手形割引率に20%の上限があります。
一方ファクタリングには手数料の上限がありません。そのため法外な手数料を請求する悪徳業者に注意しなければなりません。
関連記事:ファクタリング詐欺とは?悪徳業者・利用者に分けて逮捕や事件の例を紹介
でんさいとファクタリングの違いは?
でんさい(電子記録債権)は、紙の手形の代わりに電子データで管理される売掛債権のことです。2000年に創設された比較的新しい資金調達方法です。
企業が発行したでんさいは、電子記録債権の取引ネットワークを通じて譲渡できます。
「ファクタリングや手形割引のような現金化を電子データを用いて簡単に行えるもの」といった認識で問題ありません。
でんさいとファクタリングの主な違いをまとめると以下のとおりです。
でんさい | ファクタリング | |
---|---|---|
手数料の違い | 1.5〜5% | 5〜18% |
償還請求権の違い | 原則あり | 原則なし |
取引先への通知の違い | あり | 2社間ファクタリング:なし 3社間ファクタリング:あり |
現金化までのスピード | 1〜2週間+数日 | 即日〜2日 |
でんさいは「償還請求権あり」で、取引先への通知も行われます。そのため金融機関側のリスクが低く、ファクタリングと比べて手数料は安くなっています。
でんさいは、利用に際して事前の申し込みが必要です。申し込みから利用開始までに1〜2週間ほどかかるため、急いで資金調達をしたい方にはファクタリングの方がおすすめです。
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まとめ
ファクタリングと手形割引の7つの違いについて解説しました。
ファクタリング | 手形割引 | |
---|---|---|
売掛債権の種類 | 売掛金 | 受取手形 |
償還請求権の有無 | 原則なし | 原則あり |
かかる手数料(割引率) | 5〜18% | 1〜20% |
取引先への通知 | 2社間ファクタリング:なし 3社間ファクタリング:あり | なし |
審査で重視されるポイント | 取引先の信用力 | 利用者の信用力 |
現金化までのスピード | 即日〜2日 | 即日〜1週間 |
貸金業法適用の有無 | 貸金業法の適用範囲外 | 貸金業法が適用される |
ファクタリングと手形割引には、複数の違いがあります。しかし好きな方を選んで利用できるわけではありません。
持っている売掛債権の種類によって、ファクタリングを利用できるのか、手形割引を利用できるのかが異なります。
簡単1分で優良4社に一括見積もりができるファクタリングベストについては、以下をご覧ください。