インタビュー形式で読み解く:ファクタリングに懐疑的な社長のリアルな声

資金調達の専門家として、私はこれまで多くの経営者様とお会いしてきました。
ファクタリングは、時に企業の危機を救う強力な一手となり得ます。
しかし、その一方で「手数料が高い」「取引先に知られるのが怖い」といった懐疑的な声が根強く存在することも事実です。

本当に価値ある情報とは、メリットを語るだけでなく、こうしたリアルな声に真摯に耳を傾けることから見えてくるのではないでしょうか。

山崎正典

本記事では、あえてファクタリングを利用しないと決めている経営者の方にインタビューを行い、その本音を深掘りします。

この対話を通じて、読者の皆様がファクタリングと正しく向き合い、ご自身の会社にとって最適な判断を下すための一助となれば幸いです。

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東 岳夫(あずま たけお)氏
代表税理士 / 税理士法人ベンチャーパートナーズ総合会計事務所
平成15年税理士登録、同年「税理士法人ベンチャーパートナーズ総合会計事務所」を開業。「起業家支援」を自らの責務とし、「税理士はサービス業」をモットーに、数多くの企業のサポートを行っている。中小企業の資金調達や財務に関する専門的な監修を担当。
目次

今回お話を伺った経営者のご紹介

インタビュイー:B社長のプロフィール

  • 業種:Web制作・システム開発
  • 会社規模:従業員15名
  • 創業年数:8年
  • 経営方針:銀行融資を主軸とし、安定した財務基盤を重視
  • ファクタリングへの印象:コスト面と信用面で懐疑的

インタビュアー:山崎 正典

  • ファクタリング賛否両論事務局 運営者
  • 元銀行員、ファクタリング会社出身の資金調達専門家

【インタビュー本編】なぜ、ファクタリングを使わないのですか?

「結局、金利に換算すると高すぎる」コストへの強い抵抗感

山崎:本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。
まず、B社長がファクタリングを利用されない最大の理由をお聞かせいただけますか?

B社長:端的に言えば、コストが高すぎるんです。
銀行融資の金利と比べると、ファクタリングの手数料は異常に高いと感じます。
例えば、2社間ファクタリングの手数料相場は10%〜20%と聞きますが、これを年利に換算したら、とんでもない数字になりますよね。

山崎:確かに表面的な数字だけを見ると、そのように感じられるのは当然です。
実際の計算をしてみましょうか。

例)売掛金100万円、支払いサイト60日、手数料15%の場合
手数料:100万円 × 15% = 15万円
年利換算:15% ÷ 60日 × 365日 = 約91.25%

B社長:そうでしょう?
年利90%超えなんて、まともな経営判断とは思えません。
短期的な資金を得るために、そこまでのコストを払う価値があるとは思えないんです。

山崎:おっしゃる通り、単純な金利比較では確かに高く見えます。
ただ、この点については後ほど別の視点もご提案させていただければと思います。

「取引先に知られたら終わり」信用情報への懸念

山崎:コスト以外で、ファクタリングを避ける理由はありますか?

B社長:うちは長年の付き合いがあるクライアントがほとんどです。
もし資金繰りに困っていると知られたら、今後の取引に影響が出かねません。
そのリスクは絶対に冒せないんです。

山崎:2社間ファクタリングでは売掛先に通知せず、利用者とファクタリング会社のみで取引を行う仕組みがありますが、それでも不安ということでしょうか?

B社長:いやいや、本当にバレないんですか?
どこかから情報が漏れる可能性はゼロじゃないでしょう。
それに、債権譲渡登記を行った場合、登記簿を見た際にファクタリングをした記録として残ると聞きました。
もし取引先が調べたら、一発でバレるじゃないですか。

山崎:確かに債権譲渡登記のリスクは存在します。
ただし、債権譲渡登記は債権譲渡を公的に証明するためのもので、ファクタリング会社によっては必要ですが、全てではありません。

B社長:でも、登記しないファクタリング会社は、逆に怪しくないですか?
正規の手続きを踏まないような業者と取引するのも、それはそれで不安です。

「どの業者を信じればいいのか分からない」業界への不透明なイメージ

山崎:業者選びについても懸念をお持ちのようですね。

B社長:ニュースで見るのは悪質な業者の話ばかりです。
ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されていますという金融庁の注意喚起も見ました。
手数料体系も不透明で、正直どこに相談すれば安全なのか判断がつきません。

山崎:実際、どのような悪質業者の話を聞かれましたか?

B社長:手数料40~50%など、法外な割合を請求するケースがあるそうじゃないですか。
それに、契約前に審査料などの名目で金銭を要求する業者は、悪質である可能性が非常に高いとも聞きました。
騙されるくらいなら、使わない方がマシです。

山崎:おっしゃる通り、業界に悪質業者が存在することは事実です。
私も元ファクタリング会社の人間として、この点は非常に憂慮しています。

【専門家の視点】懐疑的な意見から学ぶ、ファクタリングとの正しい付き合い方

手数料は「コスト」か「時間価値への投資」か

B社長の懸念は、多くの経営者が抱く共通の不安です。
ここからは、専門家として客観的な事実と解決策をお示しします。

まず、手数料の考え方について整理しましょう。

山崎正典

ファクタリング手数料を単純に金利換算するのではなく、以下の視点で検討することが重要です。

機会損失の防止効果

  • 大型案件の受注機会を逃さない
  • 仕入れの現金割引を活用できる
  • 人材の流出を防げる

キャッシュフロー改善の価値

  • 資金繰り表の安定化
  • 精神的ストレスの軽減
  • 経営判断の質の向上

例えば、以下のケースを考えてみましょう。

項目内容金額
売掛金額60日サイトの売掛金500万円
ファクタリング手数料15%75万円
受注可能になる新規案件利益率20%の案件売上1,000万円
新規案件の利益200万円
実質的な収支200万円 – 75万円+125万円

このように、ファクタリングによって得られる事業機会と比較すると、手数料が投資として成立するケースも多いのです。

取引先への影響を最小限にするための知識と実践

B社長が最も懸念される「取引先にバレるリスク」について、実務的な対策をご紹介します。
多くの経営者が誤解されていますが、2社間ファクタリングは本来、取引先に一切知られることなく利用できる仕組みです。
ただし、その「秘密を守る」ためには、正しい知識と慎重な業者選定が不可欠となります。

2社間ファクタリングの仕組みを正しく理解する

まず重要なのは、2社間ファクタリングの資金の流れを正確に把握することです。
通常の売掛金回収とファクタリング利用時では、取引先から見た資金の流れは全く変わりません。
取引先は従来通り、貴社の口座に売掛金を振り込むだけなのです。

【通常の売掛金回収】
貴社 → 商品・サービス提供 → 取引先
貴社 ← 売掛金支払い ← 取引先

【2社間ファクタリング利用時】
貴社 → 商品・サービス提供 → 取引先
貴社 → 売掛債権売却 → ファクタリング会社
貴社 ← 買取代金支払い ← ファクタリング会社
貴社 ← 売掛金支払い ← 取引先(※通常通り)
貴社 → 回収金送金 → ファクタリング会社

つまり、取引先の視点では何も変化がないため、ファクタリングの利用を知る術がないのです。
これが2社間ファクタリングの最大の特徴であり、多くの中小企業に選ばれる理由でもあります。

債権譲渡登記のリスクと回避策

しかし、B社長が懸念されるように、債権譲渡登記によって情報が露呈するリスクは確かに存在します。
債権譲渡登記は、ファクタリング会社が債権の正当な権利者であることを第三者に主張するための法的手続きです。
この登記情報は誰でも閲覧可能なため、取引先が意図的に調査すれば、ファクタリングの事実が判明する可能性があります。

ただし、以下のような方法で登記リスクを回避することが可能です。

  • 登記留保で対応可能な業者を選ぶ
    優良なファクタリング会社では、一定の条件下で債権譲渡登記を留保(保留)する対応を行っています。
  • 少額債権なら登記不要の業者も存在
    100万円以下の少額債権であれば、そもそも登記を求めない業者も増えています。
  • 売掛先の信用力で判断
    売掛先が上場企業や公的機関など、信用力の高い企業の場合、登記を省略できるケースもあります。

情報管理体制の確認ポイント

さらに重要なのは、ファクタリング会社自体の情報管理体制です。
いくら仕組み上は秘密が守られるとしても、業者側の管理が杜撰では意味がありません。
信頼できる業者を見極めるためには、以下の点を確認することが重要です。

  • 第三者認証の取得状況
    プライバシーマークやISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)などの認証を取得している業者は、厳格な情報管理体制を構築しています。
  • 契約書の守秘義務条項
    契約書に明確な守秘義務条項が記載されており、違反時のペナルティも明記されているか確認しましょう。
  • 実績と信頼性
    運営歴3年以上で、情報漏洩などのトラブルが報告されていない業者を選ぶことが安全です。

このように、適切な知識を持ち、慎重に業者を選定すれば、取引先に知られるリスクは限りなくゼロに近づけることができるのです。

「優良業者」と「悪質業者」を見抜く5つのチェックリスト

B社長のような不安を解消するため、具体的な業者選定基準をお示しします。
ファクタリング業界には残念ながら悪質業者が存在することは事実ですが、しっかりとしたチェックポイントを押さえれば、優良業者を見極めることは決して難しくありません。
以下の5つの観点から総合的に判断することで、安全で信頼できるファクタリング会社を選ぶことができます。

1. 会社情報の透明性をチェック

まず最初に確認すべきは、会社の基本情報がどれだけオープンにされているかです。
悪質業者の多くは、会社の実態を隠そうとする傾向があります。
優良業者であれば、以下の情報は必ず公開されているはずです。

  • 会社概要の完全性:代表者名、設立年月日、資本金、所在地が明記されている
  • 登録状況の確認:ファクタリングに貸金業登録は不要だが、登録番号がある場合は要注意
  • オフィスの実在性:Google Mapなどで実際のオフィスが確認できる
  • 連絡先の明確性:固定電話番号があり、実際に繋がることを確認

2. 手数料体系の明確性を確認

手数料に関する説明が曖昧な業者は、後から追加費用を請求してくる可能性があります。
契約前の段階で、以下の点について明確な説明を受けられるかが重要です。

  • 手数料率の事前開示:見積もり段階で具体的な手数料率が提示される
  • 相場との比較:2社間で10~20%、3社間で1~9%の相場から大きく外れていない
  • 内訳の透明性:基本手数料以外の費用(登記費用、振込手数料等)が明確
  • 総額の確認:最終的に手元に残る金額が契約前に把握できる

3. 契約プロセスの適正性を見極める

契約に至るまでのプロセスで、業者の誠実さが表れます。
特に以下のような行為は、悪質業者の典型的な手口として知られています。

  • 前金の要求がない:契約締結前に審査料、事務手数料などを要求しない
  • 説明の丁寧さ:契約書の内容を一つ一つ丁寧に説明してくれる
  • 質問への対応:疑問点に対して明確かつ誠実に回答する
  • 強引な勧誘がない:即日契約を迫るなど、検討時間を与えない業者は避ける

4. 取引実績と信頼性の裏付け

実績のある業者は、その実績を積極的に公開しています。
逆に、実績を隠したがる業者は何か問題を抱えている可能性があります。

  • 具体的な実績数値:取引社数、買取実績額などが公開されている
  • 利用者の声:実名または具体的な業種・規模での事例が確認できる
  • 運営母体の確認:大手企業や上場企業が運営している場合は信頼性が高い
  • 業歴の長さ:3年以上の運営実績があれば、一定の信頼性がある

5. サポート体制の充実度

優良業者は、契約後のフォローも充実しています。
トラブルが起きた際の対応力は、業者選定の重要なポイントです。

  • 担当者制の有無:専任の担当者がつき、継続的にサポートしてくれる
  • 連絡の取りやすさ:電話がつながりやすく、メールの返信も迅速
  • トラブル対応:万が一の際の対応フローが明確に示されている
  • 相談窓口:資金繰りに関する相談にも応じてくれる体制がある

これらのチェックポイントを一つ一つ確認することで、B社長が懸念されるような悪質業者を避け、安心して取引できる優良業者を見つけることができるのです。

よくある質問(FAQ)

Q: ファクタリングを利用すると、銀行からの融資評価に影響はありますか?

A: ファクタリングの申し込みや利用した内容は、信用情報機関に登録されません。
そのため、直接的な影響は限定的です。
ファクタリングは借入ではないため、負債も増えません。

ただし、債権譲渡登記が必要になると、銀行融資の審査に不利になる恐れもあります。
一方で、健全な利用であれば、むしろ資金繰り改善としてポジティブに捉えられるケースもあります。

銀行との関係を重視される場合は、事前に税理士や財務コンサルタントに相談することをお勧めします。

Q: 契約前に「審査料」や「事務手数料」を請求されました。支払うべきですか?

A: 契約締結前に審査料などの名目で金銭を要求する業者は、悪質である可能性が非常に高いです。
優良なファクタリング会社は、契約が成立して初めて手数料が発生するのが一般的です。

そのような要求があれば、以下の対応を推奨します。

  • 即座に取引を中止する
  • 他の業者と比較検討する
  • 必要に応じて金融庁や消費生活センターに相談する

Q: オンライン完結型のファクタリングは安全なのでしょうか?

A: 大手企業が運営しているサービスも多く、利便性が高いのが特徴です。
セキュリティ面でも、以下のような対策が取られています。

  • SSL暗号化通信の実装
  • プライバシーマークの取得
  • 情報セキュリティマネジメントシステムの導入

ただし、手軽さゆえに契約内容の確認が疎かになりがちです。
オンラインであっても、契約条件は対面型以上に慎重に確認することが重要です。

Q: 2社間ファクタリングで、万が一取引先に知られてしまった場合の対処法は?

A: まずはファクタリング会社に連絡し、経緯を確認します。
情報漏洩が業者側の過失による場合、損害賠償請求も検討できます。

取引先への対応としては、以下のような説明が効果的です。

  • 「資金調達の多様化の一環」として位置づける
  • 「積極的な事業展開のための資金確保」と説明
  • 「経営状況に問題はない」ことを数字で示す

事前にこうしたリスクも想定し、説明の準備をしておくことが望ましいでしょう。

Q: ファクタリング以外に、急な資金需要に対応できる方法はありますか?

A: はい、複数の選択肢があります。
それぞれの特徴を比較してみましょう。

資金調達方法調達スピード金利・手数料審査難易度備考
ファクタリング最短即日10-20%低い売掛金が必要
ビジネスローン3-7日3-18%中程度信用情報を確認
日本政策金融公庫2-4週間1-3%高い書類が多い
補助金・助成金2-6ヶ月0%非常に高い返済不要

日本政策金融公庫の新規開業資金は無担保・無保証人で融資が可能になりましたが、審査に時間がかかります。
ファクタリングは、それらの選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回、B社長のリアルな声をお聞きし、経営者が抱える不安や懸念がいかに根深いものであるかを再認識しました。
ファクタリングは、決して万能な解決策ではありません。
B社長が指摘された通り、コストや信用のリスクは確かに存在します。

しかし、そのリスクを正しく理解し、信頼できるパートナーを選び、適切なタイミングで活用すれば、事業を次のステージへ進めるための強力なエンジンにもなり得ます。

重要なのは、ファクタリングを「使う・使わない」の二択で考えるのではなく、「どのような状況で、どのように活用するか」を戦略的に検討することです。
緊急時の選択肢として知識を持っておくだけでも、経営の柔軟性は大きく向上します。

この記事が、皆様にとってファクタリングという選択肢を、より深く、多角的に考えるきっかけとなれば、これに勝る喜びはありません。
最終的な判断は、ご自身の会社の未来を見据えた上で、慎重に行っていただきたいと考えております。


この記事は、実際の経営者へのインタビューを基に構成していますが、プライバシー保護のため、一部内容を編集・再構成しています。

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この記事を書いた人

こんにちは。「ファクタリング賛否両論事務局」を運営しております山崎正典と申します。
ファクタリングという資金調達手段について、その仕組みやメリット・デメリット、活用法などを中心に情報発信をしています。

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