私はこうして悪徳業者に騙された。ファクタリング契約までの巧妙な手口と失った500万円【失敗談】

「私はこうして、たった数日で500万円を失いました」。

これは、私がファクタリングの専門家として相談を受けた、ある経営者Aさんの悲痛な言葉です。

元銀行員として、そしてファクタリング会社の実務家として、私は数多くの経営者の資金繰りの悩みと向き合ってきました。
その経験から断言できるのは、Aさんの話は、資金繰りに悩むすべての経営者にとって決して他人事ではない、ということです。

山崎正典

この記事では、Aさんの許可を得て、私が彼の「語り部」となり、悪徳業者に追い詰められていく過程を一人称視点で再現します。

なぜ、彼は騙されてしまったのか?
どこに巧妙な罠が隠されていたのか?

そして、この記事の合間には、専門家である私(山崎正典)が客観的な解説を加えます。
このリアルな失敗談から、あなたの会社を守るための教訓を学んでください。

【この記事の結論】悪質ファクタリング業者に騙されないための3つの鉄則

資金繰りに窮した経営者を狙う悪質な「偽装ファクタリング」の手口は巧妙です。500万円もの被害に遭った実例から、会社を守るために契約前に必ず確認すべきポイントをまとめました。

  • 鉄則1:契約書の種類を確認する
    最も重要なのは、契約書が「債権譲渡契約書」であることです。「金銭消費貸-
    借契約書」はファクタリングではなく、高金利の借金(ヤミ金)です。絶対にサインしてはいけません。
  • 鉄則2:「償還請求権なし」の記載を確認する
    売掛先が倒産しても返済義務がないことを示す「償還請求権なし(ノンリコース)」の条項があるか確認してください。この記載がない契約は、実質的な融資でありリスクが非常に高いです。
  • 鉄則3:契約を急かす業者を信用しない
    「今日だけ」「今すぐ」などと契約を異常に急かす業者は100%悪徳業者です。契約書を持ち帰って検討する時間を与えず、冷静な判断をさせないのが典型的な手口です。

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目次

【序章】すべては一本の電話から始まった:悪徳業者との出会い

資金繰りに窮した月末、鳴り響いた電話

あれは、月末の支払いを数日後に控えた、雨の日の午後でした。

メインバンクに追加融資を断られ、私は完全に追い詰められていました。
オフィスのデスクで頭を抱え、眠れない夜が何日も続いていました。
「もう、ダメかもしれない…」
そんな絶望が心を支配しかけた、その時です。

会社の電話が鳴り響きました。

「審査なし、即日500万円」ー 藁にもすがる思いだった

電話の相手は、ファクタリング会社を名乗る男でした。
どこでうちの会社の情報を手に入れたのか…。
そんな疑問も、次の言葉にかき消されました。

「社長、資金繰りでお困りではありませんか?弊社なら、審査なし、即日で500万円までご用意できます」

銀行では絶対にありえない言葉でした。

「手数料は業界最安値です」
「面倒な手続きは一切不要ですよ」

当時の私にとって、その声はまさに天からの助けのように聞こえたのです。
藁にもすがる思いとは、まさにこのことでした。
私は、二つ返事で話を進めてもらうことにしたのです。

山崎正典

私が銀行員時代にお会いした経営者の方々もそうでしたが、資金繰りに窮している時、人は正常な判断が難しい心理状態にあります。

悪徳業者は、この「心理的脆弱性」を的確に狙ってきます。
「審査なし」「即日」「誰でもOK」といった、銀行融資の常識ではありえない好条件を提示し、冷静に考える時間を与えません。

この時点で一度立ち止まり、「なぜ、そんな虫の良い話があるのだろう?」と疑う冷静さを持つことが、最初の防御線になるのです。

【第1章】巧妙に仕組まれた罠:契約までの悪徳手口を全公開

手口1:異常に早い審査と「対面での契約」への誘導

電話を切って、わずか30分後のことでした。
先ほどの担当者から、信じられない言葉が告げられます。

「社長、審査に通りました!つきましては、契約の詳細をご説明したいので、すぐに弊社のオフィスまでお越しいただけますか?」

あまりの速さに驚き、むしろ安堵したのを覚えています。
しかし、担当者は「契約は直接お会いして」という点を強く主張しました。
今思えば、これも彼らの手口の一つだったのです。
私は言われるがまま、指定された都内のオフィスへ向かうことになりました。

手口2:契約書へのサインを急かす巧みな話術と圧力

通されたのは、雑居ビルの一室でした。
分厚い契約書を前に、担当者は矢継ぎ早に説明を始めます。
専門用語が並び、正直なところ半分も理解できませんでした。

私が少しでも戸惑いの表情を見せると、

「皆さん、ここでサインされてますよ」
「今日を逃すと、この条件でのご融通は難しくなります」

と、巧みに決断を急かしてきます。

周りには強面の男たちが数人いて、無言の圧力を感じました。
私は完全に相手のペースに飲まれ、「早くこの状況から解放されたい」という一心で、契約書にサインをしてしまったのです。

手口3:「債権譲渡契約」ではなく「金銭消費貸借契約」へのすり替え

ファクタリングの契約だと思い込んでサインした書類。
しかし、その表紙には、私の見落とした小さな文字がありました。

『金銭消費貸借契約書』

このたった一言が、後に私を地獄へ突き落とすことになるとは、この時は知る由もありませんでした。

山崎正典

ここが最も重要かつ悪質な罠です。

ファクタリングは、あなたの会社が持つ売掛債権をファクタリング会社が「買い取る」という『債権譲渡契約』です。
これは「売買」であり、貸金ではありません。

一方、悪徳業者はファクタリングを装いながら、実質的には高金利の貸付契約である『金銭消費貸借契約』を結ばせます。
これは、貸金業の登録なく高金利で貸付を行う「偽装ファクタリング」と呼ばれる典型的な手口であり、完全な違法行為です。

契約書の種類は、何があっても最初に確認してください。

【第2章】契約後に発覚した悪夢:法外な手数料と終わらない請求

入金されたのは350万円。消えた150万円の内訳とは?

契約の翌日、会社の口座に振り込みがありました。
しかし、その金額を見て私は愕然とします。

「350万円」

500万円から手数料が引かれるとは聞いていましたが、150万円もどこに消えたのか?
慌てて業者に電話すると、担当者は悪びれもせずにこう言いました。

「ああ、それは事務手数料、調査費用、印紙代など、諸々の経費ですよ」

契約書には確かに小さな文字でそれらしい記載がありましたが、これほど高額になるとは説明されていませんでした。

売掛金の入金後、業者からの連絡は「完済ではありません」

それでも、月末の支払いは何とか乗り切れました。
翌月、売掛先から無事に入金があり、私はすぐに業者へ500万円を送金しました。
これで、すべて終わりだ。そう思っていました。

しかし、数日後、担当者から一本の電話が入ります。

「社長、先日の500万円、確かに受け取りました。ただ、あれは元金の一部のご返済です。まだ利息の支払いが残っていますので」

頭が、真っ白になりました。
利息?返済?何を言っているんだ?
ファクタリングは、債権を売ったはずじゃなかったのか…?

山崎正典

Aさんが結ばされたのは『金銭消費貸借契約』だったため、彼は法外な高金利の借金を背負わされたのです。

売掛金の入金は、ファクタリングの完了ではなく、単なる借金の「返済」と見なされます。
そして、ヤミ金まがいの法外な利息が次々と発生し、経営者を追い詰めていく。これが悪徳業者の最終的な狙いです。

正規のファクタリング契約であれば、必ず「償還請求権なし(ノンリコース)」という条項があります。
これは「万が一、売掛先が倒産しても、そのリスクはファクタリング会社が負います。あなたに返済義務はありません」という意味です。
Aさんの契約には、この条項がありませんでした。

【第3章】元プロが徹底解説!契約前に確認すべきだった7つのチェックポイント

Aさんのような悲劇を二度と繰り返さないために。
元銀行員、そしてファクタリング会社の実務家として、契約前に必ず確認すべき7つのポイントを解説します。これさえ押さえれば、悪徳業者に騙されるリスクは格段に減らせます。

1. 契約書の種類は「債権譲渡契約書」になっているか?

最重要項目です。『金銭消費貸借契約書』となっていたら、それはファクタリングではなく高金利の借金です。絶対にサインしてはいけません。

2. 「償還請求権なし(ノンリコース)」が明記されているか?

売掛先が倒産した場合、あなたが返済義務を負うのか、ファクタリング会社がリスクを負うのかを決定づける条項です。「償還請求権あり(ウィズリコース)」の契約は、実質的な融資と見なされる可能性があり、注意が必要です。

3. 手数料の内訳はすべて書面で明記されているか?

ファクタリング手数料以外に、「事務手数料」「調査費用」「出張費」など、どのような費用がいくらかかるのか。口頭での説明を鵜呑みにせず、すべての費用が契約書に記載されているか確認してください。不明瞭な項目があれば、その場で説明を求めましょう。

4. 債権譲渡登記の有無と費用負担は明確か?

特に2社間ファクタリングでは、債権を二重譲渡されるリスクを防ぐために「債権譲渡登記」が必要な場合があります。登記の有無、必要な場合の費用負担(数万円~十数万円)が誰になるのかを事前に確認しましょう。

5. 会社の所在地、固定電話番号は明記されているか?

会社のウェブサイトや契約書に、本店所在地がきちんと記載されているか、連絡先が携帯電話番号だけになっていないかを確認します。レンタルオフィスやバーチャルオフィスが悪いわけではありませんが、実態が不透明な業者は避けるべきです。

6. 契約を急かしてこないか?冷静に考える時間を与えてくれるか?

「今日だけ」「今すぐ」と契約を異常に急かす業者は、ほぼ100%悪徳業者です。優良な業者ほど、経営者が納得するまで丁寧に説明し、契約書を持ち帰って検討する時間を与えてくれます。

7. 貸金業登録の有無を確認する(貸付を提案された場合)

もしファクタリングではなく融資(貸付)を提案された場合、その業者は必ず金融庁の「貸金業登録」を受けていなければなりません。登録番号は金融庁のサイトで検索できます。無登録での貸付はヤミ金です。

よくある質問(FAQ)

Q: ファクタリングの手数料相場はどのくらいですか?

A: 2社間ファクタリングで8%~18%、3社間ファクタリングで5%~10%が一般的な相場です。これを大幅に超える法外な手数料を提示された場合は、悪徳業者を疑うべきです。相場を知ることが、身を守る第一歩になります。

Q: 契約書の内容が難しくて理解できません。どうすれば良いですか?

A: その場で即決せず、必ず「持ち帰って検討します」と伝えましょう。そして、弁護士などの専門家に契約書のリーガルチェックを依頼することをお勧めします。優良な業者であれば、この申し出を断ることは絶対にありません。

Q: 給与ファクタリングは利用しても大丈夫ですか?

A: 絶対に利用しないでください。給与ファクタリングは、個人の給与を債権と見なすものですが、最高裁判所の判例で「実質的には高金利の貸付(ヤミ金)である」と判断され、違法であることが確定しています。

Q: 悪徳業者かどうか、簡単に見分ける方法はありますか?

A: 「審査なし」「100%買取保証」といった甘い言葉を広告で使っている、会社の所在地が不明確(携帯電話番号のみなど)、契約を異常に急かす、といった特徴があれば悪徳業者の可能性が非常に高いです。複数の会社から相見積もりを取り、対応を比較することも極めて有効です。

Q: 一度契約してしまったら、もう解約はできないのでしょうか?

A: 諦めないでください。Aさんのケースのような違法な契約(偽装ファクタリングなど)であれば、契約の無効を主張できる可能性があります。まずは一人で悩まず、すぐにファクタリング問題に詳しい弁護士や司法書士などの専門家に相談してください。

まとめ

「私が体験したこの悪夢を、他の経営者には絶対に味わってほしくない」

これは、すべてを語り終えたAさんの最後の言葉です。

彼の壮絶な失敗談から私たちが学ぶべき最大の教訓は、たった一つ。
「焦っている時ほど、即決してはいけない」
この一点に尽きます。

山崎正典

ファクタリングは、正しく使えば窮地を救い、事業を成長させる助けとなる強力な資金調達ツールです。
私が銀行やファクタリング会社で見てきた多くの中小企業が、その恩恵を受けてきました。

しかし、その力を借りる前に、必ず立ち止まってください。
甘い言葉に惑わされず、契約書という動かぬ「事実」を冷静に確認する。
そして、少しでも疑問や不安があれば、専門家の力を借りる勇気を持つ。

この記事が、Aさんのような悲劇を一件でも減らすための一助となることを、資金調達のプロフェッショナルとして、心から願っています。

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この記事を書いた人

早稲田大学商学部で金融論を専攻後、2003年に都市銀行入社し法人営業で中小企業融資を担当。2017年にファクタリング専門会社へ転職し営業・企画業務に従事。2024年11月に「ファクタリング賛否両論事務局」を立ち上げ、銀行とファクタリング会社両方での経験を活かし、バランスの取れた視点でファクタリングに関する情報発信を行っている。

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著者:山崎 正典(当サイト管理人)
元銀行員 × ファクタリング専門家

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