【独自取材】ファクタリング会社の資金源はどこから?業界のビジネスモデルを徹底解剖

「ファクタリング会社は、いったいどこから資金を調達しているのだろうか?」

多くの経営者が一度は抱くこの疑問。
実はこの問いの答えにこそ、ファクタリング会社の信頼性や手数料の妥当性を見抜く鍵が隠されています。

山崎正典

こんにちは。
元銀行員で、ファクタリング会社での勤務経験も持つ、「ファクタリング賛否両論事務局」の山崎正典です。

銀行の融資担当者として、そしてファクタリングの営業・商品開発担当者として、私は業界の「両側」から資金の流れを見てきました。

銀行員時代、私はファクタリング会社への融資を審査する立場にいました。
一方で、ファクタリング会社では、まさにその銀行からいかに資金を調達し、お客様にサービスを提供するかという実務の最前線にいました。

この記事では、独自取材と自身の経験に基づき、これまで語られることの少なかったファクタリング業界のビジネスモデルと資金源の裏側を、包み隠さず徹底解剖します。

【この記事の結論】ファクタリング会社の仕組みと3つの資金源

  1. ビジネスモデルの核心
    売掛債権(請求書)を買い取り、回収するまでの「手数料」が主な収益源です。ビジネスの鍵は、買取資金をいかに安定的に調達できるかにあります。
  2. 主な資金源は「銀行融資」
    多くのファクタリング会社は、買取資金の大部分(約60~80%)を「銀行からの融資」に頼っています。銀行の厳しい審査を通過していることは、会社の信頼性を示す一つの証拠です。
  3. 会社による資金調達の違い
    「大手資本系」は親会社からの潤沢な資金で低手数料を実現しますが、審査は厳格です。一方、「独立系」は自己資金や投資家からの出資が主で、柔軟な審査が強みですが手数料は高めの傾向があります。

本文では、これらのポイントに加え、資金源から優良な会社を見抜く具体的なチェック方法を詳しく解説します。

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目次

【結論】ファクタリング会社の主な資金源は「銀行融資」と「自己資金」

いきなり結論から申し上げます。
ファクタリング会社の主な資金源は、「銀行からの融資」と「自社の自己資金(資本金など)」の2つが柱となっています。

ファクタリングのビジネスモデルの基本構造

まず、基本を押さえましょう。
ファクタリングは、あなたの会社が持つ「売掛債権(請求書)」をファクタリング会社が買い取り、手数料を差し引いた代金を前払いするサービスです。

登場人物役割
あなたの会社売掛債権を売却し、早期に資金を得る
ファクタリング会社売掛債権を買い取り、手数料を収益とする
売掛先企業期日通りに代金を支払う

ファクタリング会社の収益は、この「手数料」です。
そして、ビジネスの根幹は、お客様から債権を買い取るための「買取資金」を、いかに安定的に、そして低コストで調達できるかにかかっています。
この「買取資金」こそが、今回テーマにしている「資金源」なのです。

資金源の内訳:大手と中小で異なるポートフォリオ

私が業界で見てきた実感として、資金源の一般的な内訳は以下のようになります。

  • 銀行融資:約60~80%
  • 自己資金:約10~30%
  • その他(投資家からの出資など):約0~10%

ただし、これはあくまで平均的なイメージです。
設立間もない独立系の会社であれば自己資金の割合が高いでしょうし、大手金融機関の子会社であれば、親会社からの潤沢な資金供給がメインになることもあります。
会社の規模や成り立ちによって、このポートフォリオは大きく異なるのです。

【元銀行員が解説】銀行はファクタリング会社をどう評価し融資するのか?

「ファクタリング会社も銀行からお金を借りている」
この事実は、多くの経営者にとって少し意外かもしれません。

では、銀行員はファクタリング会社をどのように見ているのでしょうか?
私が融資担当だった頃の経験から、その審査の裏側をお話しします。

銀行が融資審査で重視する3つのポイント

私がファクタリング会社への融資稟議を書く際に、特に重視していたのは以下の3点です。

  1. リスク管理体制の堅牢さ
    • 買い取る債権の審査基準は明確か?(反社チェックは当然として、業種や売掛先の信用力をどう判断しているか)
    • 債権の二重譲渡を防ぐ仕組みはあるか?
    • 貸し倒れが発生した際の回収プロセスは確立されているか?
  2. 事業計画の妥当性と収益性
    • 手数料の設定は適正か?(安すぎても高すぎても疑念を持つ)
    • どのような顧客層をターゲットにしているか?
    • 安定した収益を上げ続けられるビジネスモデルか?
  3. 経営者の経歴と実績
    • 代表者は金融業界での経験があるか?
    • コンプライアンス(法令遵守)意識は高いか?
    • 過去の実績は信頼できるものか?
銀行員時代の本音

正直に言うと、銀行が最も恐れるのは「よくわからないビジネス」に融資をしてしまうことです。
ですから、ファクタリング会社からの融資申込で一番見たのは、「この会社は、自分たちがやっているビジネスのリスクをきちんと理解し、コントロールできているか?」という点でした。
逆に言えば、ここがしっかりしている会社は、銀行にとって「リスク管理がされた安定的な融資先」と映るのです。

なぜ銀行はファクタリング会社に融資をするのか?その背景

銀行には、中小企業を支えるという社会的な使命があります。
しかし、すべての会社に直接融資ができるわけではありません。赤字決算や債務超過など、銀行の基準では融資が難しい企業も多く存在します。

ファクタリング会社への融資は、そうした企業へ資金を届けるための「間接的な中小企業支援」という側面も持っているのです。
銀行のリスク基準と、ファクタリング会社の柔軟な審査基準。その両輪が回ることで、より多くの中小企業に資金が行き渡る、という社会的な意義を我々銀行員も感じていました。

プロパー融資と保証付融資:資金の「質」の違い

少し専門的な話になりますが、銀行からの融資には大きく分けて2種類あります。

  • プロパー融資:銀行が100%リスクを負う融資。審査は非常に厳しい。
  • 保証付融資:信用保証協会が保証する融資。銀行のリスクが低減されるため、比較的通りやすい。

もし、ファクタリング会社が公式サイトなどで「○○銀行(プロパー融資)」といった記載をしていれば、それは銀行が単独でリスクを取ってでも支援したいと判断した優良企業であることの、何よりの証左と言えるでしょう。

ファクタリングの手数料が高い理由は「資金調達コスト」と「リスク」にあった

「それにしても、ファクタリングの手数料はなぜあんなに高いのか?
これは当然の疑問だと思います。
その答えも、やはり「資金源」と密接に関係しています。

資金源と手数料の密接な関係

私がファクタリング会社で商品開発を担当していた頃、手数料設定で最も頭を悩ませたのが、以下のコスト構造でした。

  • ① 資金調達コスト:銀行からの借入金利など。
  • ② 貸し倒れリスク:回収不能になる債権の発生に備える引当金。
  • ③ 営業経費:人件費、広告宣伝費、事務所賃料など。
  • ④ 利益:会社の成長に必要な利益。

手数料は、これら全てを賄うために設定されます。
つまり、銀行から高い金利でしかお金を借りられないファクタリング会社は、その分を手数料に上乗せせざるを得ないのです。
逆に、低金利で安定した資金調達ができる会社ほど、手数料を低く抑えることが可能になります。

2社間と3社間で手数料が違う本当の理由

2社間ファクタリングの手数料が、3社間よりも高いのはなぜか。
一般的には「利用者に債権回収を任せるため、持ち逃げなどのリスクが高いから」と説明されます。

これはもちろん正しいのですが、資金を提供する銀行側の視点を加えると、より本質が見えてきます。

【資金提供者からの視点】
銀行や投資家から見ると、3社間ファクタリング(売掛先も契約に関与する)の方が、債権の存在が確実で、支払いも直接行われるため、圧倒的にリスクが低いと評価されます。
そのため、3社間ファクタリングを主力にしている会社の方が、銀行から好条件で融資を引き出しやすい傾向にあります。
この「資金調達のしやすさ」が、結果として手数料の差に直結しているのです。

【独自取材】独立系と大手資本系でここまで違う!資金調達の裏側

ファクタリング会社は、その成り立ちによって大きく2つに分類できます。
そして、その資金調達方法は全く異なります。

独立系ファクタリング会社:機動力と独自審査の源泉

  • 主な資金源:自己資金、ベンチャーキャピタル、個人投資家からの出資、ノンバンクからの借入など。
  • メリット:銀行の基準に縛られないため、赤字決算や税金滞納など、他社で断られた案件にも対応できる柔軟でスピーディーな審査が最大の武器です。
  • デメリット:資金調達コストが高くなりがちで、手数料は高めの傾向。また、会社の体力(資金力)に限界がある場合も。

大手金融機関・事業会社の子会社:圧倒的な資金力と信用の背景

  • 主な資金源:親会社からの潤沢な資金供給、メガバンクからの低金利融資など。
  • メリット圧倒的な資金力と信用力が背景にあります。これが、低い手数料率や大口案件への対応力に繋がります。
  • デメリット:親会社の方針もあり、コンプライアンスやリスク管理が非常に厳格です。そのため、審査基準は厳しい傾向にあります。

どちらが良いというわけではありません。
スピードと柔軟性を求めるなら独立系、手数料の安さと安心感を求めるなら大手資本系と、自社の状況に合わせて選ぶことが重要です。

【業界インサイダーの視点】資金源から読み解く「優良ファクタリング会社」の見極め方

さて、ここまでの話を総合して、経営者の皆様が本当に知りたい「信頼できる会社の見極め方」を、資金源という視点から3つのチェックポイントにまとめました。

チェックポイント1:主要取引銀行を開示しているか

これは最も簡単で、かつ効果的な確認方法です。
公式サイトの会社概要などに、「主要取引銀行:○○銀行、△△銀行」といった記載があるかを確認してください。

山崎正典

メガバンクや大手地方銀行の名前があれば、それは銀行の厳しい審査をクリアしたという、何よりの「お墨付き」です。
逆に、この情報を一切開示していない会社は、少し慎重に見た方が良いかもしれません。

チェックポイント2:資本金の額と設立年数

  • 資本金:会社の体力、つまり自己資金の潤沢さを表します。一つの目安として、1,000万円以上あると安心感が増すでしょう。
  • 設立年数:長年の営業実績は、それだけで多くの企業を支えてきた証です。少なくとも3年以上の実績があるかを確認したいところです。

これらの情報から、その会社がどれだけ安定した経営基盤を持っているかを推し量ることができます。

チェックポイント3:手数料率が適正範囲か

資金調達コストやリスクを考えれば、極端に低い手数料はあり得ません。
「手数料0.5%~」といった広告を鵜呑みにせず、必ず相見積もりを取りましょう。

  • 2社間ファクタリングの相場:8% ~ 18%
  • 3社間ファクタリングの相場:5% ~ 10%

この範囲から大きく外れる場合は注意が必要です。
特に、法外に高い手数料を提示してくる場合は、悪質な業者である可能性を疑ってください。

よくある質問(FAQ)

Q: ファクタリング会社の資金源がノンバンクからの借入だと危険ですか?

A: 必ずしも危険ではありませんが、注意は必要です。
一般的に銀行融資よりも金利が高いため、そのコストが手数料に反映される可能性があります。
重要なのは、その会社がどのようなリスク管理体制を敷いているかです。ノンバンクからの借入が主体でも、長年の実績があり、経営が安定している優良企業も存在します。

Q: ファクタリングは誰が儲かる仕組みなのですか?

A: 基本的には、手数料を収益源とするファクタリング会社が利益を得るビジネスモデルです。
しかし、利用者である企業も、資金繰りの安定化、売掛先の倒産リスクの回避、融資以外の資金調達手段の確保といった、手数料以上の大きなメリットを享受できます。
双方にとってWin-Winの関係が成立することが、理想的な利用形態と言えます。

Q: 投資家がファクタリング会社に出資するメリットは何ですか?

A: 投資家にとって、ファクタリング事業は比較的安定したリターンが期待できる投資対象と見られています。
売掛債権という「資産」に裏付けられており、一般的な事業投資に比べて景気変動の影響を受けにくい特性があるからです。
特に近年は、テクノロジーで審査などを効率化する「フィンテック」分野の成長性に着目した投資が増えています。

Q: 資金源が潤沢な会社ほど審査が厳しいというのは本当ですか?

A: 一概には言えませんが、その傾向はあります。
大手資本系の会社などは、親会社の意向もあり、コンプライアンスやリスク管理を非常に重視するため、審査基準が厳格になることが多いです。
しかし、審査が厳しいということは、裏を返せば、それだけ健全な経営を行っている証拠とも言えるでしょう。

Q: ファクタリング会社自身が資金ショートすることはないのですか?

A: 可能性はゼロではありません。だからこそ、資金源の安定性が何よりも重要になるのです。
銀行との強固なリレーションや潤沢な自己資金を持つ会社は、突発的な大口案件や、一部で貸し倒れが発生しても揺らがないだけの「体力」があります。
利用者として、安心して頼れるのは、やはりそうした経営基盤のしっかりした会社です。

まとめ

ファクタリング会社の資金源を知ることは、単なる知的好奇心を満たすためだけではありません。

それは、その会社の経営の安定性、手数料の妥当性、そして何より「信頼性」を測るための、極めて重要な指標となるのです。

銀行融資を主軸とした安定的な資金基盤を持つ会社もあれば、自己資金や投資家からの支援で機動力を確保する会社もあります。
それぞれの特性を理解し、スピードを優先するのか、コストや安心感を優先するのか、自社の状況と照らし合わせて判断することが何よりも重要です。

山崎正典

元銀行員、そしてファクタリング業界の人間として、私が最後にこれだけは断言できること。
それは、「資金源」に関する情報を誠実に開示している会社ほど、顧客に対しても誠実である可能性が高い、ということです。

資金繰りの悩みは、経営者にとって本当に孤独な戦いです。
しかし、この情報化社会において、正しい知識はあなたと会社を守る最大の武器となります。

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この記事を書いた人

早稲田大学商学部で金融論を専攻後、2003年に都市銀行入社し法人営業で中小企業融資を担当。2017年にファクタリング専門会社へ転職し営業・企画業務に従事。2024年11月に「ファクタリング賛否両論事務局」を立ち上げ、銀行とファクタリング会社両方での経験を活かし、バランスの取れた視点でファクタリングに関する情報発信を行っている。

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