なぜファクタリング手数料は高いのか?元銀行員が業界の裏側を暴露

「ファクタリングの手数料は、なぜこんなに高いのか?」「見積もりの内訳が不透明で納得できない」と悩んでいませんか?

私は銀行員として1000社以上の中小企業融資に携わり、その後ファクタリング専門会社で商品開発まで手がけてきた山崎正典です。

山崎正典

両方の現場を知る立場から断言します。ファクタリング手数料が高い理由には、業界の『不都合な真実』が隠されています。

資金繰りに悩み眠れぬ夜を過ごす経営者にとって、手数料は死活問題です。しかし、その構造を理解せずに業者を選ぶと、本来なら避けられる『手数料のワナ』に陥ってしまいます。

この記事では、私が現場で見てきた手数料の真実から、信頼できる業者の見抜き方まで、あなたの会社を守るための知識をすべて公開します。

読み終える頃には、あなたは手数料の仕組みを完全に理解し、どの業者を信頼すべきかを見抜く『目』を手にしているはずです。

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目次

なぜファクタリング手数料は「高い」と言われるのか?その構造的理由

まず、多くの方が抱く「手数料が高い」という疑問の核心に迫りましょう。
この前提をご理解いただくことが、後に続く「不都合な真実」を読み解く鍵となります。

銀行融資の「金利」とファクタリングの「手数料」は全くの別物

「銀行のビジネスローン金利は年率10%なのに、ファクタリングは1ヶ月で10%も取られるのか!」

こういったお声は、私がファクタリング会社にいた頃、本当によくお聞きしました。
気持ちは痛いほどわかります。しかし、この二つは似て非なる、全くの別物なのです。

銀行融資:これは「お金を貸す」取引です。金利は、お金を貸している期間に対する「利息」です。

ファクタリング:これは「売掛債権(請求書)を買い取る」取引です。手数料は、債権の額面から割り引かれる「ディスカウント料」であり、様々なリスクやサービスへの対価が含まれています。

元銀行員の視点から補足させてください。

山崎正典

銀行が融資をする際は、会社の決算書や事業計画、そして経営者個人の信用情報まで徹底的に審査します。
これは「将来にわたって、この会社はきちんと返済してくれるか?」という返済能力を見ているのです。

一方でファクタリングは、あなたの会社ではなく「売掛先(請求書の発行先)の支払い能力」を主に審査します。
これは「将来の入金」という資産を、期日前に現金化する「債権売買」だからです。

この根本的な違いを理解しないまま、数字の表面だけを比較してしまうと、「ファクタリングは高い」という結論に陥りやすくなるのです。

手数料の大部分を占める「未回収リスク」というコスト

では、その「手数料」の正体は何なのでしょうか。
最も大きな割合を占めるのが「売掛金の未回収リスク」です。

ファクタリング会社が負う最大のリスクは、売掛先が倒産するなどして、買い取ったはずの売掛金が回収できなくなることです。
このリスクの大きさによって、手数料は大きく変動します。

契約形態手数料相場未回収リスク特徴
2社間ファクタリング8% ~ 18%高いあなたとファクタリング会社の2社間での契約。売掛先に通知されないため、売掛金の存在確認が難しく、二重譲渡などのリスクがある。
3社間ファクタリング5% ~ 10%低いあなた、ファクタリング会社、売掛先の3社間での契約。売掛先から債権譲渡の承諾を得るため、債権の存在が確実でリスクが低い。

私がファクタリング会社にいた頃、2社間契約の審査は本当に神経を使いました。
というのも、売掛先に知られずに取引が進むため、極端な話、架空の請求書が持ち込まれる可能性もゼロではないからです。

もちろん、通帳の入金履歴や契約書などで裏付けは取りますが、それでもリスクは残ります。
この「万が一」に備えるための保険料が、3社間よりも高い手数料として反映されているのです。

未回収リスクと手数料については「ファクタリングの利用期間と手数料の関係|短期・中期・長期の比較」の記事も参考になると思います。

【不都合な真実①】手数料の内訳はブラックボックス?その中身を分解する

さて、ここからが本記事の核心です。
一般的な解説に留まらず、私が商品開発担当者として見てきた手数料の「中身」を、具体的に分解していきましょう。

見積書に載らない「隠れたコスト」の存在

多くの経営者が不信感を抱くのが、この点です。
「手数料10%」と聞いて安いと思ったら、最終的な請求額が全然違った、というケースは後を絶ちません。

山崎の視点:ブラックボックス化される手口
悪質な業者ほど、「手数料一式」という言葉を巧みに使います。
一見シンプルで分かりやすいように見えますが、これは諸経費をまとめて、個別の費用に対する質問を封じ込めるための手口でもあるのです。

見積もりを取る際は、提示された手数料率だけでなく、以下の費用が含まれているか、あるいは別途発生するのかを必ず確認してください。

債権譲渡登記費用

2社間ファクタリングで、債権が二重に譲渡されるのを防ぐために行います。司法書士への報酬を含め、7万円~10万円程度が相場です。利用者負担が一般的です。債権譲渡登記については詳しくはこちらの記事で解説してます。

印紙代

債権譲渡契約書に貼付する収入印紙の費用です。契約金額によって変動します。

出張費・交通費

対面での契約が必要な場合に、ファクタリング会社の担当者の移動費として請求されることがあります。

振込手数料

買取代金を振り込む際の手数料です。

事務手数料、調査費用など

業者によっては、基本手数料とは別に、これらの名目で数万円を請求するケースがあります。

これらの費用が積み重なると、当初の想定よりも実質的な手数料が5%以上も高くなる、なんてことはザラにあります。

ファクタリング会社の「利益」はどこに含まれているのか

手数料は、もちろんリスクヘッジのコストだけではありません。
ファクタリング会社の運営経費と、当然ながら「利益」が含まれています。

私が商品開発担当として手数料モデルを設計していた頃の経験から、その構造をお話しします。

【手数料の内訳(イメージ)】

  • 未回収リスク引当金:債権ごとのリスク評価に基づく保険料
  • 人件費:営業担当、審査担当、管理部門の給与
  • 広告宣伝費:Web広告、比較サイトへの掲載料など
  • その他経費:オフィス賃料、システム維持費など
  • 営業利益:会社の利益となる部分

特に注目すべきは「広告宣伝費」です。
インターネットで「ファクタリング」と検索すると、多くの広告が表示されますよね。
あの広告枠には、莫大な費用がかかっています。

派手な広告を打ち、多くの顧客を集めている会社は、その分、広告費を手数料に転嫁せざるを得ない構造がある、ということは知っておいて損はないでしょう。

ファクタリング手数料の真実

【不都合な真実②】「手数料が安い」の裏に隠された危険なワナ

「とにかく安く資金調達したい!」
その気持ちはよく分かります。しかし、安さだけを求めて業者を選ぶことには、非常に危険なワナが潜んでいます。

実は「融資」?偽装ファクタリングの手口

相場から著しく逸脱した手数料、例えば「2社間で手数料3%!」といった謳い文句を見かけたら、まずは疑ってかかってください。
それは、あなたを釣るための「エサ」である可能性が極めて高いです。

山崎の警告:これはファクタリングではありません
この手口は、実質的な「ヤミ金」です。
彼らは安い手数料で顧客を誘い込み、契約段階でファクタリングを装った高金利の貸付契約を結ばせようとします。

見抜くべき最大のポイントは「償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)」の有無です。

償還請求権なし(ノンリコース):本物のファクタリング

万が一、売掛先が倒産しても、あなた(利用者)はファクタリング会社にお金を返す義務を負いません。リスクはファクタリング会社が負担します。

償還請求権あり(ウィズリコース):実質的な融資(借金)

もし売掛先が倒産したら、あなたが代わりにファクタリング会社へ全額を返済しなければなりません。これは債権を担保にした「貸付」と同じです。

山崎正典

契約書に「金銭消費貸借契約」という文言があったり、「償還請求権」に関する特約が記載されていたりした場合は、絶対にサインしてはいけません。
それはファクタリングではなく、違法な高金利融資です。

手数料以外の名目で高額請求されるケース

もう一つの悪質な手口が、基本手数料を安く見せかけて、契約後に様々な名目で追加費用を請求するケースです。

「契約内容を精査した結果、追加の調査が必要になりました」
「御社の事業計画を改善するためのコンサルティング料が発生します」

私がいた会社でも、同業のこういった悪質な噂はよく耳にしました。
一度契約してしまうと、足元を見られてしまい、断りきれない状況に追い込まれる経営者も少なくありません。

契約前に「総額でいくらかかるのか」「これ以上、1円も追加費用は発生しないか」を明確に確認することが、自社を守るための鉄則です。

賢い利用者が実践する!適正な手数料の業者を見抜くためのチェックリスト

では、どうすれば信頼できる業者を見抜き、適正な手数料で契約できるのでしょうか。
私が銀行員時代、そしてファクタリング会社時代に培ったノウハウを、具体的なチェックリストとしてお伝えします。

見積もりで必ず確認すべき5つの質問

業者と話す際は、ただ見積もりを待つのではなく、こちらから積極的に質問をぶつけてください。
その回答姿勢で、業者の信頼性が見えてきます。

1. 「この手数料には、登記費用や印紙代など、すべての費用が含まれていますか?別途発生する費用はありますか?」

→費用の透明性を確認します。「一式です」としか答えない業者は要注意。

2. 「手数料の内訳(リスク評価、経費など)を、可能な範囲で教えていただけますか?」

→誠実な業者であれば、根拠を説明しようと努力します。はぐらかす場合は信頼できません。

3. 「この契約は『償還請求権なし(ノンリコース)』で間違いないですね?」

→最も重要な質問です。この言葉の意味を理解していない営業担当は論外です。

4. 「契約前に、契約書のひな形をデータで送ってもらうことは可能ですか?」

→事前に内容を確認させない業者は、何かを隠している可能性があります。

5. 「もし、契約締結前にキャンセルした場合、費用は発生しますか?」

→優良な会社であれば、契約前のキャンセル料は発生しません。

これらの質問に、真摯に、そして明確に答えられない業者とは、取引すべきではありません。

契約書に潜むリスクを見抜くポイント

契約書は、あなたの会社を守る最後の砦です。
以下のポイントは、必ずご自身の目で確認してください。

  • 契約形態:契約書のタイトルが「債権譲渡契約書」となっているか。「金銭消費貸借契約書」はNGです。
  • 償還請求権の有無:「甲(利用者)は乙(ファクタリング会社)に対し、本件譲渡債権の回収について一切の責任を負わない」といった趣旨の条文(ノンリコース条項)があるか。
  • 費用負担の範囲:手数料以外に、利用者が負担する費用(登記費用など)が明確に記載されているか。
  • 契約解除条項:不当に利用者側が不利になるような解除条項がないか。

会社の信頼性を見極める方法

契約内容以前に、その会社自体が信頼に足るかも重要です。

  • 会社の所在地が明記されているか(バーチャルオフィスではないか)
  • 固定電話の番号が記載されているか(携帯電話のみは要注意)
  • 運営歴はどのくらいか(設立直後の会社は慎重に判断)
  • 代表者名や会社情報がきちんと公開されているか

基本的なことですが、こうした点を疎かにしている会社に、あなたの大切な売掛債権を預けるべきではありません。

よくある質問(FAQ)

最後に、経営者の皆様からよくいただく質問にお答えします。

Q: ファクタリング手数料に消費税はかかりますか?

A: いいえ、かかりません。
ファクタリングは金銭債権の譲渡であり、国税庁によって「非課税取引」と定められています。
もし手数料に消費税を上乗せして請求する業者がいれば、法律を知らないか、意図的に行っているかのどちらかです。いずれにせよ、悪質業者である可能性が極めて高いでしょう。

Q: 手数料の相場はどのくらいですか?

A: 一般的に2社間ファクタリングで8%~18%3社間ファクタリングで5%~10%程度が相場とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、売掛先の信用力や債権額、利用するあなたの会社の状況によって変動します。この相場から著しく外れる(特に安すぎる)場合は、先述したようなワナがないか、注意が必要です。

参考: ファクタリング手数料の相場

Q: 債権譲渡登記は必ず必要ですか?費用は誰が負担しますか?

A: 2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社が自社の権利を守るため(二重譲渡のリスクを防ぐため)に、登記を必須条件とすることが多いです。
費用は司法書士報酬を含めて7万円~10万円程度で、利用者負担となるのが一般的です。3社間ファクタリングでは、売掛先の承諾を得るため通常は不要です。契約前に、登記の要否と費用負担については必ず確認しましょう。

Q: オンライン完結型のファクタリングは手数料が安いと聞きましたが本当ですか?

A: はい、その傾向があります。
オンラインファクタリングは対面での面談や書類郵送にかかる人件費や経費を削減できるため、その分が手数料に還元され、低めに設定されていることが多いです。
ただし、安さだけでなく、運営会社の信頼性や、困ったときに相談できるサポート体制が整っているかも併せて確認することが重要です。

Q: 見積もりを取った後にキャンセルしても費用はかかりませんか?

A: 優良な会社であれば、契約締結前の見積もりや審査の段階でキャンセル料を請求することは絶対にありません。
もし見積もりを依頼した段階で「審査料」や「キャンセル料」を要求された場合は、その時点で悪質業者だと判断し、取引を即座に見送るべきです。

まとめ

ファクタリングの手数料は、一見すると不透明で、高いと感じられるかもしれません。
私自身、銀行員時代にはそうした色眼鏡で見ていた時期もありました。

しかし、その構造を正しく理解し、どこにコストやリスクが隠れているのかを見抜く「目」を養うことで、不当に高い手数料を支払うリスクは大幅に減らすことができます。

重要なのは、提示された手数料の数字だけを見て、一喜一憂することではありません。
その内訳や契約内容を冷静に精査し、あなたの会社の状況を親身に理解してくれる、信頼できるパートナーとして長く付き合える業者を選ぶことです。

私が銀行やファクタリング会社で見てきた多くの中小企業も、最初はあなたと同じ悩みを抱えていました。
しかし、正しい知識を武器に、賢い選択をすることで、幾度もの資金繰りの危機を乗り越え、事業を成長させていったのです。

この記事が、資金繰りに悩むあなたの不安を少しでも和らげ、事業成長への一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

早稲田大学商学部で金融論を専攻後、2003年に都市銀行入社し法人営業で中小企業融資を担当。2017年にファクタリング専門会社へ転職し営業・企画業務に従事。2024年11月に「ファクタリング賛否両論事務局」を立ち上げ、銀行とファクタリング会社両方での経験を活かし、バランスの取れた視点でファクタリングに関する情報発信を行っている。

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