【皇居ランでひらめいた】ファクタリングとマラソンの意外な共通点

週末の皇居ランは、私にとって頭をリフレッシュし、仕事のアイデアを練る大切な時間です。

ある日、5km、10kmと周回を重ねる中で、ふと気づいたことがあります。
「これは、企業の資金繰りと全く同じではないか」と。

一見、全く無関係に見えるファクタリングとマラソン。

山崎正典

しかし、銀行で中小企業の融資を、そしてファクタリング会社で数々の企業の資金繰りをサポートしてきた私、山崎正典の目には、この二つに驚くほど多くの共通点が見えてきたのです。

この記事を読んでくださっているあなたは、もしかしたら今、資金繰りのことで頭を悩ませ、眠れない夜を過ごしているかもしれません。
元銀行員の私だからこそわかるのですが、資金繰りの相談は本当に勇気がいるものですよね。

本記事では、42.195kmの道のりに例えながら、ファクタリングという資金調達手法の本質と、経営という長いレースを走り抜くためのヒントを、私の実体験を交えて解説します。

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目次

共通点1:ペース配分がすべてを決める【資金繰りとレース戦略】

序盤の突っ込みすぎは禁物!キャッシュフロー管理の重要性

マラソンで最もやってはいけないことの一つが、序盤のオーバーペースです。
気持ちが高ぶり、周りのランナーにつられてハイペースで突っ込んでしまうと、後半に必ず足が止まり、失速してしまいます。

これは、企業の経営においても全く同じことが言えます。

銀行員時代の苦い記憶:A社の「黒字倒産」

業績は絶好調で、決算書の上では毎年しっかりと利益(黒字)が出ていました。
しかし、社長はいつも資金繰りに追われていました。

原因は、急成長に伴う先行投資と、長い入金サイトでした。
大口の案件を受注して売上は急増しましたが、材料費や人件費の支払いが先に出ていき、肝心の売掛金の入金は数ヶ月後。
まさに、売上という「スピード」は出ているのに、手元の現金という「スタミナ」がどんどん削られていく状態でした。

私たち銀行も追加融資を検討しましたが、審査には時間がかかります。
その間にA社は資金がショートし、残念ながら倒産の道を選ばざるを得ませんでした。
帳簿上は黒字なのに、会社が潰れてしまう。この「黒字倒産」の現実を、私は目の当たりにしたのです。

マラソンで大切なのは、ゴールまで安定して走り続けられるペースを維持すること。
経営も同じで、売上という数字だけでなく、手元の現金(キャッシュフロー)の流れを常に把握し、安定したペースを刻むことが「完走」の絶対条件なのです。

ファクタリングは「給水所」。最適なタイミングでのエネルギー補給

マラソンでは、失速を防ぐために計画的に給水所で水分やエネルギーを補給します。
喉が渇いてから、お腹が空いてからではもう手遅れ。
パフォーマンスを維持するためには、適切なタイミングでの補給が不可欠です。

企業の資金繰りにおける「給水所」、それこそがファクタリングです。

ファクタリングとは、入金待ちの売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却することで、早期に現金化する仕組みです。
これは、数ヶ月先にしか手に入らないはずだったエネルギー(現金)を、今この瞬間に補給するようなもの。

資金繰りが厳しくなる「予兆」を感じた段階で、計画的に利用することが重要です。

「来月の支払いが少し厳しいかもしれない…」
「大口の受注が決まったが、仕入れ資金が足りない…」

こうした場面でファクタリングを活用すれば、資金ショートという最悪の事態を回避し、経営のペースを立て直すことができます。
まさに、レース戦略における計画的なエネルギー補給なのです。

共通点2:想定外の「坂」に備える【リスク管理と事業計画】

突然現れる上り坂。ビジネスにおける予期せぬ事態とは

平坦だと思っていたマラソンコースに、突然、心臓破りの上り坂が現れることがあります。
どれだけ計画的にペースを刻んでいても、こうした想定外の事態は起こり得るものです。

ビジネスの世界にも、予期せぬ「坂」はつきものです。

  • 主要取引先の突然の倒産による売掛金の貸し倒れ
  • 予期せぬ大口受注による、急な仕入れ資金や人件費の発生
  • 自然災害や社会情勢の変化によるサプライチェーンの寸断
山崎正典

私がファクタリング会社で見てきた多くの中小企業も、こうした突然の坂道で足を止めそうになっていました。
特に、売上全体の大きな割合を占める取引先が倒産した場合の影響は計り知れません。

入るはずだった現金がゼロになるだけでなく、それまで築き上げてきた経営計画そのものが根底から覆されてしまうのです。

「保証型ファクタリング」という保険。転ばぬ先の杖を持つ

上り坂で無理をしてペースを上げれば、足を痛めたり、転倒したりするリスクが高まります。
ビジネスにおける「貸し倒れ」という転倒リスクに備えるための仕組みが、「保証型ファクタリング」です。

これは、これまでお話ししてきた資金調達目的の「買取型ファクタリング」とは少し毛色が異なります。

保証型ファクタリングとは?

取引先が倒産した場合などに、ファクタリング会社が代わりにその売掛金を保証してくれるサービスです。
月々の保証料を支払うことで、万が一の事態に備える「保険」のような役割を果たします。
これにより、経営者は貸し倒れリスクに怯えることなく、安心して取引を拡大できるのです。

急な坂道が現れても慌てないように、あらかじめコースを研究し、備えておく。
保証型ファクタリングは、まさに経営という長いレースを走り抜くための「転ばぬ先の杖」と言えるでしょう。

共通点3:自分に合った「走り方」を見つける【最適な資金調達方法の選択】

トップランナーと市民ランナーの走り方は違う

マラソンと一言で言っても、優勝を目指すトップランナーと、完走を目指す市民ランナーでは、練習方法もレース中の走り方も全く異なります。

企業の資金調達もこれと同じです。
会社の規模、業種、成長フェーズによって、最適な方法は変わってきます。

銀行融資

長期的な事業計画に基づき、企業の信用力や担保を武器に低金利で資金を調達する方法。これは、綿密なトレーニングを積み、安定したペースで走り続けるトップランナーの走り方に似ています。

ファクタリング

短期的な資金ニーズに対し、売掛債権という資産を活用してスピーディーに資金を調達する方法。給水所で素早くエネルギーを補給し、ペースを立て直す市民ランナーの知恵と言えるかもしれません。

どちらが優れているという話ではなく、自社の今の状況にどちらが合っているかを見極めることが何よりも重要なのです。

融資とファクタリング、それぞれの「フォーム」を理解する

銀行融資とファクタリングは、根本的な性質が異なります。
これをマラソンの「フォーム」に例えてみましょう。

比較項目銀行融資(借入)ファクタリング(債権売却)
性質負債(借金)が増える資産(売掛債権)の売却
審査対象自社の信用力、財務状況、担保売掛先の信用力
資金化速度遅い(数週間〜数ヶ月)速い(最短即日)
信用情報影響あり影響なし
向いている企業信用力が高く、長期的な資金が必要な企業赤字や税金滞納があっても、短期的な資金が必要な企業
銀行融資 vs ファクタリング
銀行員としての視点

私が銀行員だった頃、融資の審査で最も重視していたのは、当然ながらその会社の返済能力と信用力でした。
赤字決算や税金の滞納がある場合、融資のハードルは非常に高くなります。

一方でファクタリングは、あなたの会社ではなく「売掛先の支払い能力」を重視します。
たとえ自社が苦しい状況でも、信頼できる取引先への売掛債権があれば、それを現金化できる可能性があるのです。

これは「借金」ではなく「資産の売却」なので、貸借対照表(B/S)をスリム化できるというメリットもあります。

自分の会社の体力、レースの状況を見極め、最適な「フォーム」を選択することが、ゴールへの道を切り拓きます。

完走から次のレースへ。ファクタリング活用後の未来を見据える

ファクタリングはゴールではない。あくまでレースを続けるための手段

42.195kmを走りきった時の達成感は、何物にも代えがたいものです。
しかし、その完走はゴールであると同時に、次のレースへのスタートでもあります。

ファクタリングによる資金調達も、これと全く同じです。

当面の資金繰りが改善し、支払いの目処が立った時、経営者の方は心から安堵するでしょう。
その気持ちは痛いほどわかります。
しかし、そこで立ち止まってはいけません。

山崎正典

ファクタリングは、あくまで経営というレースを「リタイアしないため」の緊急手段であり、給水所に過ぎません。
本当に大切なのは、補給したエネルギーを使って、この先どう走り続けるかです。

資金繰り改善後の事業計画こそが「本当のゴール」

ファクタリングで得られる最も大きな価値は、現金そのものよりも「時間」かもしれません。
資金繰りに追われる日々から解放され、冷静に自社の経営を見つめ直す時間です。

この貴重な時間を使い、なぜ資金繰りが厳しくなったのか、その根本原因を突き止め、改善策を練ることが重要です。

  • 利益率は適正か?
  • 無駄なコストは発生していないか?
  • 入金サイトの長い取引を見直せないか?

ファクタリングで得た時間的猶予を活かして、こうした経営の「体質改善」に取り組むこと。
それこそが、資金繰りという長いマラソンを、より楽に、より速く走るための「本当のゴール」なのです。

よくある質問(FAQ)

Q: ファクタリングの手数料は高いと聞きますが、マラソンで例えると?

A: レース中に使う「スペシャルドリンク」や「高機能エナジージェル」のようなものだと考えてみてはいかがでしょうか。
市販の水よりはコストがかかりますが、 crucial な場面でエネルギーを補給し、失速を防ぐためには非常に有効です。
そのコストを払ってでも「完走(事業継続)」という目的を達成したい場合に利用を検討すべきです。

Q: どんな企業がファクタリング利用に向いていますか?

A: マラソンで言えば、「レース中盤の上り坂で、少しペースが落ちてきたランナー」でしょうか。
ゴールまでの体力は残っているものの、一時的に資金(エネルギー)が不足しそうな状況の企業に最適です。
具体的には、売上は立っているのに、入金サイトが長いために資金繰りが苦しい、といったケースが典型です。

Q: 取引先にファクタリングの利用を知られたくないのですが…

A: これは「他のランナーに気づかれずに、こっそりエネルギー補給をしたい」という状況に似ていますね。
そのための方法が「2社間ファクタリング」です。
利用者とファクタリング会社の2社間での契約のため、取引先に通知することなく資金化が可能です。
ただし、その分、ファクタリング会社のリスクが高まるため、手数料は少し割高になる傾向があります。

Q: 悪質な業者もいると聞き、不安です。

A: マラソン大会にも、残念ながら非公式なものや運営に問題がある大会が存在します。
ファクタリング会社選びも同様で、信頼できる「公認大会」を選ぶことが重要です。
金融庁もファクタリングを装ったヤミ金融に注意喚起をしています。
契約書を隅々まで確認し、特に売掛先が倒産した際に返金を求められる「償還請求権」がないか(ノンリコース契約か)を必ずチェックしてください。
これが、トラブルを避けるための最大のポイントです。

まとめ

企業の資金繰りは、まさに長いマラソンのようなものです。
計画的なペース配分(キャッシュフロー管理)が求められ、時には想定外の上り坂(リスク)にも見舞われます。

ファクタリングは、決して万能薬ではありません。
しかし、レースを走り続けるための強力な「給水所」となり得る、有効な選択肢の一つです。

重要なのは、自社の状況を正確に把握し、銀行融資など他の選択肢と比較しながら、最適なタイミングで、最適な「フォーム」として活用すること。

この記事が、皆様が経営という名のマラソンを無事に、そして力強く完走するための一助となれば、私にとってこれ以上の喜びはありません。

ご自身の会社に合った走り方を見つけるために、一度立ち止まって、じっくりと戦略を練ってみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

早稲田大学商学部で金融論を専攻後、2003年に都市銀行入社し法人営業で中小企業融資を担当。2017年にファクタリング専門会社へ転職し営業・企画業務に従事。2024年11月に「ファクタリング賛否両論事務局」を立ち上げ、銀行とファクタリング会社両方での経験を活かし、バランスの取れた視点でファクタリングに関する情報発信を行っている。

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