「売上は伸びているのに、なぜか会社のキャッシュは増えない…」
もしあなたがそう感じているなら、危険なサインかもしれません。
私は元銀行員として融資の最前線に立ち、現在はファクタリングの専門家として、数えきれない中小企業の財務と向き合ってきました。その経験から断言します。
山崎正典多くの経営者が陥る資金繰りの悩みは、ある「会計の本質」を知るだけで解決の糸口が見つかります。
本記事では、私が現場で「この社長は数字に強い」と感じた経営者が例外なく読んでいた、財務体質を根本から変える5冊だけを厳選しました。
【この記事の結論】経営者が読むべき財務の本はレベルで選ぶ
| 目的・レベル | おすすめの書籍 | この本から学べること |
|---|---|---|
| 【入門】 会計の哲学を知る | 『稲盛和夫の実学』 | なぜ経営に会計が必要か、「キャッシュベース経営」の重要性といった、経営者としての会計観を学べる。 |
| 【初級】 決算書の全体像を掴む | 『財務3表一体理解法』 | 簿記知識ゼロでも、PL・BS・CFの「3つの書類のつながり」がストーリー形式で直感的に理解できる。 |
| 【中級】 銀行との交渉術を学ぶ | 『社長のための銀行取引相談』 | 融資や金利交渉など、銀行員には直接聞きにくい「130のリアルなQ&A」で実践的な対話術が身につく。 |


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なぜ今、経営者は「資金繰り・財務」の本を読むべきなのか?
本題に入る前に、少しだけ私の経験をお話しさせてください。
なぜ、これほどまでに経営者自身が財務を学ぶべきだと私が考えているのか。
その理由は、私のキャリアの中にあります。
銀行が見ているポイントは「数字の裏付け」
銀行員時代、私は毎日何件もの融資稟議書を書いていました。
経営者の方々は、熱意のこもった事業計画書を持ってきてくださいます。
しかし、私たちが本当に見ていたのは、その夢や情熱を裏付ける「数字」です。
特に、経営者自身の口から、自社のキャッシュフロー(お金の流れ)について、具体的な数字を交えて語れるかどうか。
これは、融資判断において非常に大きなウェイトを占めていました。
「この社長は、自社の金の流れを完全に把握しているな」と感じさせることが、何よりの信頼に繋がるのです。
逆に、どんなに立派な計画でも、数字の質問に「税理士に聞いてみないと…」と答える経営者には、正直なところ不安を覚えてしまいました。
知識は、経営者を守る鎧になるのです。
「黒字倒産」は他人事ではない
ファクタリング会社に転職して、私が目の当たりにしたのは「黒字倒産」の恐ろしさです。
利益が出ている(黒字)にもかかわらず、手元の資金が尽きて倒産してしまう。
信じられないかもしれませんが、これは頻繁に起こります。
例えば、急に大きな案件を受注し、売上が倍増した建設会社がありました。
しかし、材料費や人件費の支払いが先に来て、売掛金の入金は数ヶ月後。
その間の資金繰りが回らず、相談に来られた時には手遅れ寸前でした。
PL(損益計算書)だけを見て「今月は利益が出た」と安心していては危険です。
BS(貸借対照表)で資産(売掛金など)の状況を把握し、CF(キャッシュフロー計算書)で現実のお金の出入りを管理する。
この3つの視点を持って初めて、会社は沈まない船になるのです。
専門家に任せきりにするリスク
「うちは優秀な税理士がいるから大丈夫」
そうおっしゃる経営者の方もいます。
しかし、税理士の先生は「税務会計」のプロです。
つまり、過去の活動を正しく記録し、納税額を計算する専門家です。
一方で、経営者に必要なのは「管理会計」の視点。
未来の意思決定のために、今の数字をどう読み解き、次の一手を打つか。
これは、経営者自身にしかできない仕事です。
専門家に任せきりにすることは、自社の羅針盤を他人に預けて航海するようなもの。
経営者自身が数字を理解してこそ、初めて的確な舵取りが可能になるのです。
元銀行員が語る!資金繰り・財務の本を選ぶ3つの基準
では、具体的にどのような本を選べば良いのでしょうか。
私が数々の経営者と接する中で見出した、本当に役立つ本に共通する3つの基準をお伝えします。
1. 「なぜ?」がわかる、本質を解説しているか
単なる会計用語の解説書や、テクニック集では意味がありません。
大切なのは、「なぜキャッシュフローが重要なのか」「なぜこの財務指標を見るべきなのか」といった、会計の「本質」を平易な言葉で解説していることです。
物事の本質を理解すれば、応用が利くようになります。
2. すぐに自社で実践できるアクションに繋がるか
読んだだけで満足してしまっては、何も変わりません。
「よし、自社の決算書を引っ張り出して、この指標を計算してみよう」
「来月から、簡単な資金繰り表を作ってみよう」
このように、読んだ後すぐに具体的なアクションに繋がるヒントが書かれている本を選びましょう。理論だけでなく、実践を促してくれる本が良書です。
3. 著者の実務経験に基づいているか
机上の空論ほど、現場で役に立たないものはありません。
著者自身の経営経験や、多くの企業を見てきたコンサルティング経験に基づいた、血の通った言葉で書かれている本は、リアリティが違います。
成功談だけでなく、失敗談から得た教訓が書かれている本は、特に価値が高いと言えるでしょう。
【レベル別】経営者におすすめの資金繰り・財務の名著5選
お待たせいたしました。
上記の3つの基準と、私のこれまでの経験を踏まえ、経営者の皆様に心からお勧めしたい5冊を、レベル別にご紹介します。
【入門編】まずはお金の流れを掴む『稲盛和夫の実学―経営と会計』
- この本を一言で表すなら:「経営者のための会計哲学書」
言わずと知れた京セラ・第二電電(現KDDI)の創業者、稲盛和夫氏による一冊です。
この本は単なる会計ノウハウ本ではありません。
「なぜ経営に会計が必要なのか」という根本的な問いに、経営者の視点から答えてくれます。
特に「キャッシュベースで経営する」という考え方は、全ての経営者が心に刻むべき教えです。



私が銀行員時代、この本の考え方を実践している経営者の会社は、例外なく財務内容が健全でした。
見栄えの良いPLを作るのではなく、手元にどれだけ現金があるかを重視する。
まさに「土俵の真ん中で相撲をとる」ような堅実な経営は、私たち銀行員から見て最も信頼できる姿でした。
まず、経営者としての「会計観」を養うために、最初に手に取っていただきたい一冊です。
稲盛和夫の実学―経営と会計 | 稲盛 和夫 |本 | 通販 | Amazon
【初級編】財務3表のつながりを理解する『【新版】財務3表一体理解法』
- この本を一言で表すなら:「決算書の地図」
PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー計算書)。
この3つがどう連動しているのかを、ストーリー仕立てで非常に分かりやすく解説してくれる名著です。
簿記の知識が全くなくても、この一冊を読めば、会社の数字の全体像が掴めるようになります。



ファクタリングのご相談を受ける際、「売掛金」がBSとCFにどう影響するかを理解されている経営者は、話が非常にスムーズに進みます。
売上が発生するとPLに計上されるが、それはまだBSの「売掛金」という資産に過ぎない。
それが入金されて初めて、CFの「営業キャッシュフロー」としてプラスになる。
この「つながり」が分かると、なぜ資金繰りが重要なのか、なぜファクタリングという手段が存在するのかが、腹の底から理解できるはずです。その基礎を学ぶのに最適な一冊です。
【新版】財務3表一体理解法 (朝日新書) | 國貞 克則 |本 | 通販 | Amazon
【中級編】キャッシュフロー経営を実践する『キャッシュフロー・クワドラント』
- この本を一言で表すなら:「お金の流れを作り出す側の思考法」
ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者、ロバート・キヨサキ氏による一冊。
これは会計本というより、お金の流れをどう作り出すかという「経営者としての思考法」を養う本です。
従業員や自営業者ではなく、事業そのものがキャッシュを生み出す「ビジネスオーナー」になるための考え方を教えてくれます。



融資担当者として、私たちは「人」だけでなく「事業モデル」も審査していました。
経営者がいなくても安定したキャッシュフローを生み出す「仕組み」を構築している会社は、非常に高く評価されます。
この本は、単に目の前の利益を追うのではなく、いかにして持続可能なキャッシュフローの源泉を築くか、という一段高い視点を与えてくれます。
Amazon.co.jp: 改訂版 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント : 経済的自由があなたのものになる (単行本)
【中級編】銀行との「対話術」を学ぶ実践バイブル『必携! 社長のための銀行取引相談』
- この本を一言で表すなら:「銀行交渉の『わからない』を解消するQ&A事典」
元銀行員で、現在は中小企業のコンサルティングを行う著者が、経営者から寄せられる130ものリアルな質問にQ&A形式で答えていく一冊です。
金利の交渉、追加融資の申し込み、保証人の問題など、銀行員には直接聞きにくいけれど、本当は知りたい「本音」と「実践的な対応策」が満載です。



私が融資担当だった頃、まさにこの本に書かれているような質問を数多く受けました。
そして、ここに書かれているような準備と考え方を持って対話に臨む経営者は、間違いなく私たち銀行員からの信頼を得ていました。
この本は、単なる交渉テクニックを教えるものではありません。銀行を「敵」ではなく、事業を共に支える「パートナー」として捉え、対等な立場で対話するための準備をさせてくれます。
これを読んでおけば、いざという時に本当に頼りになる関係性を築くことができるでしょう。
Amazon.co.jp: 必携! 社長のための銀行取引相談 : 川北英貴: 本
【上級編】企業価値を高める財務戦略『CFO思考』
- この本を一言で表すなら:「会社の価値を最大化する羅針盤」
PL上の利益を最大化するだけでなく、BSをコントロールし、最終的に「企業価値(バリュエーション)」をいかに高めるか。
そんなCFO(最高財務責任者)の視点を学べる一冊です。
少し専門的な内容も含まれますが、これからの時代を生き抜く経営者には必須の知識です。



中小企業もM&Aや事業承継が当たり前の時代になりました。
その時、自社の価値を正しく理解し、相手に説明できなければ、買い叩かれてしまうかもしれません。
ファクタリングも、単なる目先の資金繰り対策ではなく、売掛金を現金化してBSをスリムにし、総資産利益率(ROA)を改善させる、という企業価値向上の戦略として捉えることができます。
会社の未来を考える上で、必ずあなたの武器になる思考法が詰まっています。
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よくある質問(FAQ)
Q: 財務諸表が全く読めない初心者でも、紹介された本を理解できますか?
A: はい、問題ありません。
特に最初にご紹介した『稲盛和夫の実学』や『財務3表一体理解法』は、会計知識がゼロの方でも理解できるよう非常に分かりやすく書かれています。
まずはこの2冊から始めてみることをお勧めします。
Q: 紹介された5冊はすべて読むべきでしょうか?優先順位はありますか?
A: まずはご自身のレベルに合わせて【入門編】【初級編】から手に取ってみてください。
特に『財務3表一体理解法』で全体像を掴むことが最初のステップとして重要です。
その後、自社の課題(例:銀行交渉、将来の事業承継など)に合わせて他の本を読み進めるのが効率的でしょう。
Q: 本を読む以外に、資金繰りを学ぶ効果的な方法はありますか?
A: 知識を得た上で、自社の過去3期分の決算書を並べて、実際に数字の動きを追ってみることが最も効果的です。
また、信頼できる税理士や、私のような資金繰りの専門家に相談し、自社のケースで具体的なアドバイスを求めることも非常に有効な手段と考えられます。
Q: ファクタリングについて、もっと詳しく知りたい場合はどうすればいいですか?
A: ファクタリングは、急な資金需要に応える有効な手段ですが、手数料や契約内容を正しく理解することが重要です。
私の運営するブログメディア「ファクタリング賛否両論事務局」では、業界の動向やリスクについて客観的な情報を発信していますので、そちらも参考にしていただけますと幸いです。
Q: 本で学んだ知識を、どのように日々の経営に活かせばよいですか?
A: まずは「資金繰り表」を自社で作成してみることをお勧めします。
将来のお金の出入りを予測することで、漠然とした不安が具体的な課題に変わります。
書籍で学んだ知識を使い、自社の数字でシミュレーションすることが、実践的な経営感覚を養う第一歩です。
まとめ
今回は、元銀行員・ファクタリング専門家という私の独自の視点から、経営者の皆様が本当に読むべき「資金繰り・財務」の名著を5冊、厳選してご紹介しました。
大切なのは、本を読んで満足するのではなく、そこから得た知識を使って自社の数字と真剣に向き合い、次の一手を考えることです。
この記事が、あなたの会社の財務体質を盤石にするための、そして何より、経営者であるあなたの孤独な不安を少しでも和らげるための、きっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。
まずは気になる一冊を、手に取ってみてはいかがでしょうか。
数字と向き合うことが、強い会社を作る、そしてあなた自身を守る、最も確実な第一歩です。


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