【建設業・一人親方インタビュー】急な材料費の高騰を、注文書ファクタリングで乗り切った現場の声

昨今のウッドショックや円安の影響による、建設業界での深刻な材料費高騰。

元銀行員の私だからこそわかるのですが、こうした外部要因による急な資金繰りの悪化は、どれだけ真面目に事業を営んでいても誰にでも起こりうる、非常に深刻な問題です。

山崎正典

特に一人親方や小規模事業者にとって、この問題は利益の圧迫に留まらず、事業の存続そのものを揺るがすキャッシュフローの課題に直結します。

今回、まさにその危機を「注文書ファクタリング」という手法で乗り越えた一人親方のAさん(仮名・45歳)に、現場の生々しい声をお伺いすることができました。

本記事では、Aさんのリアルな体験談に加え、元銀行員でファクタリングのプロである私、山崎正典が専門家の視点から徹底解説します。

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目次

【インタビュー導入】なぜ資金繰りが悪化した?建設業界を襲う材料費高騰のリアル

突然の材料費3割アップと長い入金サイトのダブルパンチ

山崎:
本日はお忙しい中ありがとうございます。早速ですが、Aさんの資金繰りが厳しくなった直接的な原因から教えていただけますか?

Aさん:
はい。一番の原因は、やはり材料費の高騰ですね。
特に木材と金属系の資材がひどくて、懇意にしている資材屋さんから「申し訳ないけど、来月から3割値上げさせてほしい」と連絡が来たときは、血の気が引きました。
すでにお客様に見積もりを出して、受注が決まっていた案件だったので、値上げ分を価格に転嫁することもできず…。

山崎:
受注後の値上げは最も厳しいパターンですね。利益が大幅に圧迫されたかと思います。

Aさん:
利益どころか、計算したら完全に赤字でした。
でも、長年お付き合いのある元請けさんからの仕事なので、断るわけにもいかず…。
さらに建設業界特有の、工事が終わって請求書を出してから入金までが60日後、という長い支払いサイトが追い打ちをかけてきました。
材料は先に現金で仕入れないといけないのに、入ってくるお金はずっと先。完全にダブルパンチでしたね。

銀行融資では間に合わない…運転資金が底をつく恐怖

山崎:
その状況を乗り切るために、まずは銀行融資を検討されましたか?

Aさん:
もちろんです。
まずはメインで使っている信用金庫に相談に行きました。
でも、追加融資となると、事業計画書だの、担保だの、保証人だの…と書類の山。
すべて揃えるだけでも1週間はかかりそうで、さらに「審査には1ヶ月ほどお時間をいただきます」と言われてしまって。

山崎:
銀行員だったので耳が痛い話ですが、それが現実ですね。スピード感という点では、どうしても限界があります。

Aさん:
そうなんです。
「1ヶ月後には、もう手元のキャッシュが尽きてしまう!」という状況でした。
毎日、通帳の残高が減っていくのを見るのが本当に怖くて、夜も眠れない日が続きました。
このままでは黒字倒産してしまう、と本気で焦りましたね。

【専門家解説】そもそも注文書ファクタリングとは?請求書ファクタリングとの決定的違い

山崎:
Aさん、ありがとうございます。
ここで少し、読者の皆様のために専門的な解説をさせてください。
Aさんが最終的に活用された「注文書ファクタリング」ですが、「請求書ファクタリング」と混同されている方も多いので、その決定的な違いを説明します。

山崎正典

山崎氏が解説:資金化のタイミングが未来を変える

一言でいうと、お金に変える「対象」と「タイミング」が全く異なります。

種類資金化の対象タイミング特徴
請求書ファクタリング完了した仕事の「請求書」仕事が完了した後すでに発生している売上を前倒しで受け取る
注文書ファクタリングこれから始まる仕事の「注文書」仕事が始まる前これから発生する経費(材料費など)を先に調達できる

私がいたファクタリング会社では、よくこんな風に説明していました。

請求書ファクタリングが「収穫し終えた野菜を市場に出す前に買い取ってもらう」ことだとすれば、
注文書ファクタリングは「これから野菜を育てるための、種や肥料を買うお金を先に手に入れる」ようなものです。

つまり、仕事が終わるのを待たずに、受注したその時点で未来の売上を資金化できる
これが注文書ファクタリングの最大の特徴であり、Aさんのようなケースを救う力になるのです。

注文書ファクタリング vs 請求書ファクタリング

なぜ建設業と相性が良いのか?その理由をプロが分析

特に、注文書ファクタリングは建設業と非常に相性が良いと言えます。
なぜなら、建設業はビジネスモデルそのものが「先行投資型」だからです。

  • 着工前に、多額の材料費や外注費の支払いが発生する
  • しかし、工事代金の入金は工事が完了した数ヶ月後

この構造的なギャップを埋めるのに、受注時点で資金を調達できる注文書ファクタリングは、まさにうってつけの手段なのです。

銀行員時代、私は「非常に良い案件を受注したのに、着工資金が足りずに泣く泣く諦める」という中小企業を何社も見てきました。融資の審査が間に合わなかったのです。
もしあの時、この仕組みがあれば、救えた会社はもっとあったはずだと今でも思います。

建設業におすすめのファクタリング会社はこちら

【インタビュー本編】藁にもすがる思いで…注文書ファクタリング利用の決め手と実際の流れ

決め手は「スピード」と「与信審査の対象」

山崎:
解説を挟みましたが、Aさんは数ある資金調達の中から、なぜ注文書ファクタリングを選ばれたのでしょうか?

Aさん:
銀行融資が間に合わないとわかって、ネットで「建設業 資金繰り 短期」とか、必死で検索したんです。
そこで初めて「注文書ファクタリング」という言葉を知りました。
決め手になったのは、2つです。
1つは、なんといっても「スピード」。最短即日、という文字を見たときは「本当か?」と疑いましたね(笑)。
もう1つは、「審査の対象が、自分ではなく発注元の信用力」という点です。

山崎:
非常に重要なポイントですね。

Aさん:
はい。私は一人親方ですし、前期はコロナの影響で少し赤字でした。
だから、自分自身の信用力で審査されたら、銀行と同じように厳しいだろうなと。
でも、今回の発注元は一部上場の大手ゼネコンの子会社で、長年の取引実績もありました。
「ここなら審査に通るかもしれない」と、一筋の光が見えた気がしました。

問い合わせから入金までの全ステップ

山崎:
実際に問い合わせてから、入金まではどのような流れでしたか?

Aさん:
本当にスピーディーで驚きました。私の場合はこんな流れです。

STEP
【1日目 午前】Webサイトから問い合わせ

スマホでいくつかのファクタリング会社のサイトを見て、建設業に強そうな1社に申し込みました。

STEP
【1日目 午後】担当者から連絡・必要書類の提出
  • すぐに担当の方から電話があって、状況を説明しました。
  • 求められたのは「注文書」「本人確認書類(免許証)」「過去の取引がわかる通帳のコピー」くらいでしたね。全部スマホで撮影して、メールで送りました。
STEP
【2日目 午前】審査結果の連絡・契約
  • 翌日の午前中には「審査に通りました」と連絡がありました。
  • 契約も、クラウドサインを使った電子契約だったので、事務所のPCですぐに完了しました。
STEP
【2日目 午後】入金
  • 契約後、本当にその日のうちに指定した口座にお金が振り込まれていました。
  • 問い合わせから、実質2日で資金を手にできたことになります。通帳の数字を見たときは、本当にホッとしました。

【専門家解説】一人親方が注文書ファクタリングを使う際のメリットと3つの注意点

山崎:
Aさんの体験談、非常に参考になります。
ここからは再び専門家として、Aさんの事例を踏まえながら、注文書ファクタリングのメリットと、利用する上で絶対に知っておくべき注意点を解説します。

メリット:キャッシュフロー改善と機会損失の回避

Aさんの体験談にすべて集約されていますが、メリットを整理すると以下の3点です。

1. 迅速な資金調達によるキャッシュフロー改善

最大のメリットです。銀行融資では間に合わない緊急時でも、事業を止めずに済みます。

2. 資金不足による大型案件の見送りを防ぐ「機会損失の回避」

これも非常に重要です。Aさんのように、目の前にある良い仕事を「お金がないから」という理由で諦めずに済みます。事業成長のチャンスを逃しません。

3. 売掛先の倒産リスクを回避できる(ノンリコース契約の場合)

優良なファクタリング会社との契約は、基本的に「償還請求権のない(ノンリコース)」契約です。これは、万が一、発注元が倒産して工事代金が支払われなくても、あなたがファクタリング会社にお金を返す必要がない、ということです。債権の未回収リスクをファクタリング会社に移転できるのです。

注意点1:手数料は割高になる傾向

メリットばかりではありません。誠実にお伝えすべきデメリットもあります。
まず、手数料は銀行融資などに比べて割高です。

請求書ファクタリングよりも、仕事が完了するまでの不確定要素が多い分、ファクタリング会社のリスクが高くなるためです。

山崎正典

一般的に、手数料の相場は10%〜30%程度と言われています。

Aさん:
私の場合は、約15%でした。
正直、決して安くはないです。でも、あのまま仕事が頓挫して、元請けさんからの信用を失うリスクを考えたら、事業を継続するための必要経費だったと納得しています。

山崎:
その通りですね。手数料という「コスト」と、事業が止まる「リスク」を天秤にかけて、冷静に判断することが重要です。

注意点2:対応業者が限られる

注文書ファクタリングは、ファクタリングの中でも比較的新しく、専門性の高いサービスです。
そのため、すべてのファクタリング会社が取り扱っているわけではありません。

業者を選ぶ際は、Webサイトなどで「注文書ファクタリング(受注ファクタリング)に対応しているか」を必ず確認しましょう。また、建設業界での実績が豊富な会社を選ぶと、話がスムーズに進むことが多いです。

注意点3:悪質業者の存在

これが最も注意すべき点です。
ファクタリング業界には、残念ながら法律の抜け穴を突くような悪質な業者が存在します。

【山崎からの警告】偽装ファクタリングに注意!
ファクタリングを装いながら、実質的には高金利の貸付(ヤミ金)を行う業者です。
見分ける最大のポイントは、先ほど説明した「償還請求権(ノンリコース)」の有無です。

もし契約書に「償還請求権あり(ウィズリコース)」と書かれていたら、それは「売掛先が払わなかったら、あなたが全額返済してくださいね」という意味です。これは債権の売買ではなく、債権を担保にした「貸付」にあたる可能性が非常に高い。

契約を急かす、手数料が不明瞭、契約書を渡さないといった業者とは、絶対に関わってはいけません。

【インタビュー結び】資金調達後の変化と今後の展望

資金繰りの不安から解放され、本業に集中できた

山崎:
無事に資金調達を終え、工事を完遂された後、何か変化はありましたか?

Aさん:
精神的な変化が一番大きかったですね。
資金繰りの心配がなくなったことで、目の前の仕事、つまり「いかに良い品質で工事を収めるか」という本業に100%集中できるようになりました。
お金の心配をしながらノコギリを握るのと、安心して握るのとでは、やっぱり仕事の質も変わってくると思います。
おかげで、元請けさんからも「いつも以上に良い仕事をしてくれたね」と褒めてもらえました。

今後の事業拡大と資金調達への考え方

山崎:
素晴らしいですね。今回の経験を通じて、資金調達に対する考え方は変わりましたか?

Aさん:
はい、大きく変わりました。
これまでは「借金=悪」みたいなイメージが強くて、資金調達にどこかネガティブな印象を持っていました。
でも今回、注文書ファクタリングという方法を知って、「資金調達は、事業を守り、成長させるための戦略的なツールなんだ」と理解できました。
今後は、新しい機材を買ったり、少し大きな案件に挑戦したりする際にも、選択肢の一つとして賢く活用していきたいと考えています。

よくある質問(FAQ)

Q: 個人事業主(一人親方)でも注文書ファクタリングは利用できますか?

A: はい、利用可能です。ファクタリングの審査で最も重視されるのは、申込者本人よりも発注元(売掛先)の信用力だからです。そのため、個人事業主の方でも、取引先が法人であれば審査に通る可能性は十分にあります。

Q: 手数料の相場はどれくらいですか?

A: 注文書ファクタリングは、請求書ファクタリングよりもファクタリング会社のリスクが高いため、手数料は高めに設定される傾向があります。一般的に10%〜30%程度が相場とされていますが、売掛先の信用力や支払いサイトの長さによって変動します。

Q: 取引先にファクタリングの利用を知られてしまいますか?

A: 申込者とファクタリング会社の2社間で行う「2社間ファクタリング」であれば、取引先に通知されることはありません。注文書ファクタリングは、この2社間契約が一般的ですので、取引先との関係を維持したまま資金調達が可能です。

Q: 審査にはどのような書類が必要ですか?

A: 一般的には、買取を希望する「注文書」や「発注書」、本人確認書類、過去の取引実績がわかる書類(通帳のコピーなど)、事業内容がわかる書類(確定申告書など)が求められます。詳細はファクタリング会社にご確認ください。

Q: 悪質なファクタリング業者を見分ける方法はありますか?

A: 契約書の内容をしっかり確認することが最も重要です。特に「償還請求権(ノンリコース)」の記載がない契約は、売掛金が回収できなかった場合に返済義務が生じるため、実質的な貸付にあたる可能性があります。契約を急かしたり、手数料が不明瞭だったりする業者にも注意が必要です。

まとめ

今回お話を伺ったAさんのように、建設業界における急な材料費の高騰は、多くの事業者にとって喫緊の課題です。

Aさんの事例は、注文書ファクタリングが単なる資金調達手段ではなく、事業継続の危機を乗り越え、次のチャンスを掴むための強力な武器になり得ることを示しています。

山崎正典

元銀行員、そしてファクタリングのプロとして私が最も伝えたいのは、どんな資金調達方法にも必ずメリットとデメリットがあるということです。

重要なのは、自社の状況を正確に把握し、リスクを理解した上で最適な選択をすること。そして、決して一人で抱え込まないことです。

この記事が、今まさに資金繰りに悩み、眠れぬ夜を過ごしているあなたの心を少しでも軽くし、「正しく知って、賢く活用する」ための一助となれば、これに勝る喜びはありません。

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この記事を書いた人

早稲田大学商学部で金融論を専攻後、2003年に都市銀行入社し法人営業で中小企業融資を担当。2017年にファクタリング専門会社へ転職し営業・企画業務に従事。2024年11月に「ファクタリング賛否両論事務局」を立ち上げ、銀行とファクタリング会社両方での経験を活かし、バランスの取れた視点でファクタリングに関する情報発信を行っている。

なぜ、赤字や債務超過でも3時間で資金調達できるのか?


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なぜ、赤字や債務超過でも3時間で資金調達できるのか?

著者:山崎 正典(当サイト管理人)
元銀行員 × ファクタリング専門家

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